振り向けば大宮の夜が明ける。 少し変わった角度から眺めるの!

大宮在住。
伸び行く大宮市、
その時々の目に留まったことなどを楽しくユーモアも交えて
書きたいと思います。

「プリーモレーヴィ全詩集 予期せぬ時に」を語る、イタリア文化会館にて

2020-02-05 13:54:00 | ブログ
生きる私達にどのような価値があるのか?
 
 
 
イタリア文化会館入口の絵画です。
 
イタリア半島は
現在シリア難民がターゲットにしていますが、
もうこれは古代から歴史的に地理的に同じことが繰り返されています。
 
 
 
2019年、10月10日(木)
 
イタリア文化会館アニェッリホールで
 
[プリーモレーヴィ全詩集
 
予期せぬ時に]を語る
 
の講演を拝聴させていただきました。
 
 
 
 
 
 
 

 
プリーモレーヴィ生誕100周年記念出版
 
 
[プリーモレーヴィ全詩集予期せぬ時に]
 
竹山博英翻訳岩波書店出版の解説が
竹山博英氏立命館大学名誉教授と
小野正嗣氏早稲田大学文学学術院教授
両名でありました。
 
 
 
 
 
 
 
Primo Levi, AD ORA INCERIA
 
生きる私達にどのような価値があるのか?
 
 
ちょっと暗くなりますので、簡単に書か
せていただきます。
 
 
プリーモレーヴィは、
ユダヤ人として生まれ、反ファシズム運動で山に立てこもり抵抗運動などを
し、アウシュビッツ収容所に送られ奇跡的に生還してきた一人です。
 
 
1912年、フィアット(車)で有名なトリノで生まれました。。
 
やがて1922年ファシズムの時代が到来、
1938年当事は、 ナチ人権法、人権制限法があり、プリーモレーヴィは
ユダヤ人である事を隠して化学者として研究所で働いていたそうです。
 
 
1942年ミラノで反ファシズム活動をし、
山に立てこもり抵抗運動などの政治活動をしましたが、 1943年ナチスに
捕まえられアウシュビッツ収容所に送られました。
 
 
収容期間は11ヶ月だったのですが、その後ロシアの方に抑留されました。
 
 
収容された650人の中でたったの23人が
生き残りました。
 
しかし、この生き残りの人は、特権階級の医師や知的労働者で、
生き残った事に懺悔の罪の意識を抱いていたといいます。
 
 
プリーモレーヴィ彼自身も化学者として
強制労働を逃れた一人で罪の意識を持っていたといいます。
 
 
 
 
 
 
 
 
ブナと言うのは収容所の名前だそうです。
 
 
ブナ
 
傷ついた足に呪われたぬかるみ、灰色の朝に長く伸びる隊列。
 
ブナは千の煙突から煙を吐き、毎日が同じ一日が、今日も私達を待つ。
 
夜明けの空にサイレンが恐ろしげに鳴り響く。
 
[お前たち、顔が消えた無数の群れ。
泥が支配する単調な恐ろしさの上に
また新たな苦しみの一日が明けるのだ]
 
疲れた仲間よ。君の心が見える。
 
苦しむ仲間よ。君の目が読み取れる。
 
心の中では、最後の価値も崩れた。
 
 
(傷ついた足というのは、靴はなく、
木製のサンダルみたいなもので、
死は靴から足からやって来ると......
竹山博英氏は解説していました。)
 
 
恐ろしく痛かったのでしょう。
 
 
前編だけ載せました。
 
後編は、もう名前もない空虚な仲間よ。
もう涙もでない見捨てられた男よ。
疲れきっていて恐怖も覚えない。
 
 
 
 
 
 
 
 
フォッソリの落日
 
 
戻らないとはどう言うことか、私は知っている。
 
鉄条網の向こうに太陽が沈んで死ぬのを私は見た。
古き詩人の言葉で私は自分の肉がひきさかれるのを感じた。
 
[太陽は沈んでもまた昇ることが出来る。
だが私たちは、短い光が消えたなら、
終わりのない夜を眠らなければならない。]
 
1046年2月7日
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アヴィリアーナ
 
何てダメな奴だ、満月を無駄にするなんて、1月に一回しかやってこないのに。
 
何て残念なんだ、この村でこの馬鹿げた満月を見るなんて、静かに穏やかに輝いてい
るのに、まるで君が僕の傍らにいるかのように。
 
....
それにナイチンゲーまでいるではないか、一時代前の書物の中のように。
 
でも僕はそれを飛び立たせた。
溝の向こうの、遠くの方に。
 
鳥は歌うのに、僕はひとりぼっちだ。
本当にしゃくにさわる事だ。
 
 
 
( 恋愛の詩
満月は1ヶ月に一度しかやってこない。)
 
 
前編だけ載せました。
 
後編は飛んでいる蛍を
とても可愛らしく穏やかな生き物で、
悩み事を皆霧散させる君に似ていると
あります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
収容所のベッドは3段で皆斜めに傾いていた。夜は皆食べるものの夢を見ていた。
 
夜は顎(あご)を動かす。
夢という重い石に動かされて。
 
 
暖房は僅な煙を通すもので寒かったでしょう。
 
 
 
1987年プリーモレーヴィ自らの命を絶つ❗
うつ病で特別な生き残りという悪夢や罪悪感に悩まされていたそうです。
 
 
アウシュビッツ収容所の思い出に押しつぶされたと竹山博英氏は述べています。
 
 
人間は生まれながらにして良心がある❗
ですね。
 
 
走馬灯のように出てくるのは、良い思い出だけにしてくださいね。
神様へ
 
イタリア語での朗読もありました。
 
 
イタリア文化会館は
千代田区九段南2-1-30にあります。
 
 
イタリア文化会館アニェッリホール
 
[プリーモレーヴィ全詩集
 
予期せぬ時に]を語る
 
 
 
 
千代田区九段南2-1-30 イタリア文化会館
 
 
ここまでのお付き合い誠にありがとうございました。
アウシュビッツ解放75周年の映像を見まして、生存しておられる数少ないお年寄り
思い出し涙を流しているのを見ました。
 
以前はみんな「アンネの日記」を読み心を痛めたものでした。
 
 
何も言葉で表せませんが、私も突然強制収容されたことがありました。
自由のない苦しさ、孤立無援というのは、体験しなければ分からないものです。
 
国家権力というものは、時には悪さをするものです。
 
これからの平和をみんなで共有しましょうね。
 
 
 
 
 
 

 

ここまでのお付き合い誠に有難うございました。

 

 



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