折々の言葉に『なにしろ、おばあさんになるのは生まれて初めてのこと 』というのが出ていた。なるほどね。ガッテン!
人間は赤ちゃんで生まれてから、初めての体験をずっと積み重ねて歳をとってきた。知恵もつく頃になると周りの先輩を参考にできるけれど、赤ちゃんだとそうはいかない。道理で毎日泣いてばかりなんだと思う。
おばあさんにしろ、おじいさんにしろ初めてとはいえ見聞を深めてきたであろうから、問題は自分への対処の仕方なんだろう。体や心や脳ミソが年老いてきて、その自分とどう対面していくかということが核心である。
「お一人様」という言葉があるが、結局のところ人間は自分との葛藤の中で生きていくのものなんだろうと思う。そして死ぬときはすべてが暗黒の世界になってしまう。何もかもが無になってしまう。あの世とか宗教とかは人間の邪心によって成り立っていて、真実はその人が生きている間にこの世があり、亡くなればこの世が消えてしまうだけである。ただそれだけである。
<追記>
何故そう言えるのか。それは「われ思う故に我あり」だからである。すべてを疑っても自分は疑えない。最後に残るのは自分で、その自分が亡くなればすべては虚無ともいえるからである。