大文字屋の憲ちゃん (当面は 石巻 地震) 

RIP 親父 けんちゃん 石巻 地震

20240902 十和田湖パワーボートクルーズと青森グルメー十和田湖の力(その1)―青い森への旅の記録07

2024-12-27 12:31:08 | 日記

※ 本来は「2024年9月2日の十和田湖」に関する一つの記事ですが文字数がオーバーしたため2回に分けてお送りします。これは1回目(その1)です。フォトチャンネルに関しては(その2)ー十和田神社と「乙女の像」ーに掲載します。

    *    *   *    *

 「十和田湖畔桜楽」で迎えた2024年9月2日の朝は前日の疲れも感じぬ爽やかな目覚め。朝食は既述のようにホットサンドを自分で作って食べるというもの。1階の朝食会場には牛乳・オレンジジュース・コーヒー・紅茶などの飲み物にパックに入った野菜サラダとホットサンドを作るためのセット(食パン・ハム・チーズ・野菜・ジャム等)が数台のホットサンドプレートとともにテーブルに置かれていた。まず食事をする席を確保しホットサンドを作るためにテーブルに向かう。食パンに具を適当に挟みホットサンドプレートにセットし数分後には完成である。飲み物とともに確保した席に向かうと別の客が私の席を使っている。こちらが私物を置いて席をキープしているのに気づかないのかと怪訝に思いながら別の席で食事することに。正直この辺にこの宿の客筋を感じてしまった。食事中に後からやってきた家族連れの客があまりルール通りとは言えない食事の進め方をしていて無法地帯と化している。私といえばこの日も普通ならば何てことのない材料で作った何てことのないホットサンドがやけに体に沁みるのを感じながら食べ終え朝食会場を後にした。(写真ピンボケ御免。) 

 宿の悪口を言ってしまったようだがリニューアル間もなくで施設・設備が新しく部屋もレイクビューで内装もきれい。チェックインが15:00からチェックアウトが11:00までと滞在時間に比較的余裕があるなどメリットの多い宿である。実際利用客も結構けっこうあるように見える。チェックアウトまで少し時間があるので近くを散歩することに。小雨が降るものの朝の空気が気持ち良い。

 宿を出てすぐ右にある「かえで食堂」。土産物屋と民宿もやっているらしい。うーん。昨日来たかった。

 反対方向の湖に向かう横道で見かけた花。ツユクサか。

 湖側からみた宿。

 この辺りは砂浜のようになっている。御前ケ浜(ごぜんがはま)というらしい。

 こちらはスワンボートのほかに何か湖の名所巡り的なクルーズもやっているようだ。この時点で10時過ぎだったのでクルーズは始まっていた。気分はふーん(興味なし)という感じだった。

 前夜夕食をとった店は見つけられなかった。

 土地勘0(ゼロ)なので観光スポットをチェック。

 一人6000円ですか。ふーん。(他人事。)

 宿に戻る。こちらはラウンジ。目の前に湖が見える。

 朝食会場。

 朝食をとり散歩もして落ち着いたところでチェックアウト。「十和田湖畔桜楽」様お世話になりました。この日は次の宿に移動するまで時間があるので付近を観光である。まずJRバス東北の休屋駅へ行く。休屋駅には土産物売場があるので折角だからと飴とりんご菓子を買う。飴は「サクマドロップ」の響きが懐かしくての衝動買い。荷物の一時預かり所があるとの情報を得ていたのでそれを尋ねると近くの案内所で預かってくれるとのことでそちらに向かうことに。駅にコインロッカーがあるのは知っていたが空いているとは限らないのとそれなりの荷物であったのとで預り所を利用することに。案内所は「十和田総合案内所」という観光案内所で休屋駅の隣の建物であったので速攻で預けることができた。

 湖畔に出た。遊覧船が見える。うーん。……ちがうな。

 足が自然とこちらに向いた。……遊覧船ではないな。遊覧船は田沢湖で乗ったことがありあれはあれで悪くない。ただ新鮮味に欠ける。パワーボートクルーズ。よく分からないがこちらの方が面白いかもしれない。そう思えてきた。掲示板を見ると12:00の便があり15分前まで受け付けを済ませるとあり11時40分だったので乗り場にいた女性に乗船できるかどうか尋ねると「ちょっと待ってください。キャプテンに確認してくるので」と言って席を外すと程なく戻り「大丈夫ですよ」とのこと。

 早速手続きを済ませ簡単なレクチャーを受け救命具と雨用のポンチョを装着し乗船。

 船に乗るのは何年振りかわからない。久しぶりではあるので緊張してもおかしくないのだがこの時は旅先でハイになっていたのか久々に冒険に出るドキドキワクワク感だけでボートに乗り込んだ。

 この人がキャプテンらしい。出発である。ここからはキャプテンのトークをできるだけ再現していこう。太く力強い声。なかなか頼もしい。
 ≪それでは十和田湖パワースポットクルーズ出航させていただきます。≫

 向こうに遊覧船。

 ≪まずは皆様の正面、湖が見えているんですが、こちらは全体の三分の一しか見えていないんです。これから皆様と向かうのは十和田湖の中心部、特別保護区と呼ばれている中湖(なかのうみ)です。ここから目的地は見えないので、若干スピードを出していきます。それでは行きましょう。≫

 ムムムかなりのスピードである。正面が舳先(へさき)で隠れて見えないのでスリリングだ。上下動もかなりある。振り落とされて湖に落ちたら泳がないといけないなと覚悟する。

 雨が降ってくる。いやこんなんで湖に落ちたくないな。

 水上バイクが何台か接近してくる。大丈夫すか……

 遊覧船を追い越す。遊覧船が前方を航行しているのは分かっていたが前が隠れて見えないのでぶつかるんじゃないかとヒヤヒヤした。操縦しているキャプテンからは見えているだろうから大丈夫とは思うもののそれにしてもハラハラドキドキだ。

 ≪十和田湖の中心部、真ん中を形成している中湖(なかのうみ)と呼ばれるところです。この中湖、ごらんの通り、人工の建物が何もない場所です。特別保護区に指定されているので道路もありません。今日はこの中湖を、皆様とぐるりと冒険してみたいと思います。まずはこの右横の中山半島から、付け根まで見ていきますよォー。≫ 

 このあたりから土砂降りとなる。さっきまで雨は降らない予報だったからびっくりである。カメラが雨に濡れてオシャカにならないようタオルでカバーしつつヒーコラ言いながらクルーズは続く。

 たしかこのあたりは占い場のあるところで白い紙縒り(こより)を湖面に投じて沈んだら願いが叶うみたいな占いをした。(私の紙縒りは沈まなかったがキャプテンが無理矢理沈めてくれたのでオールオッケーである。)このあたりあまりに雨が激しくてカメラが出せずほとんど撮影できていない。

 ≪…雨が降っても濁(にご)りません。一切濁らない。十和田湖は不思議なんですが湖の水の何と80パーセント以上が湧き水でできています。なので、どんなに雨が降っても茶色く濁ることがない。≫

 ≪「イトムカの入り江」と言われるところに入ってきます。この狭い入り江になっても濁らない。雨が降っても濁(にご)りません。≫

 この後さらに雨が激しくなりキャプテンの声が聞こえなくなる。「イトムカ」はアイヌ語で「光り輝く水」という意味で晴れていれば湖底から湧き水が噴き出す様子や魚影が見られるそうだがこの日はそうもいかなかった。それでもなかなかの眺めである。

 大粒の雨が叩きつけるように降ってくる。アタタタ…

 ≪奥入瀬渓流の途中に銚子大滝という滝があるんです。その銚子大滝が別名「魚止めの滝」。魚があそこから昇って来れないんです。3メートルほどの落差なんですが、垂直なので、どんな魚も昇ってくることができない。そのため川を伝って湖に入ってくる魚はいない。なので、本当に固有種はカニさんだけだったんです。≫

 

 ≪また、十和田湖の水は本当に酸素が少ない水が湧いてきているんです。そのためバクテリア、プランクトン、そういった微生物、細菌類がいない、少ないんです。そのため物が腐りません。≫
 ≪左横の倒木をご覧ください。藻は生えているが腐ってはいない。バクテリアとか細菌類が少ないので、水の中に入ると、物が腐らないという、なんとも神秘の湖と呼ばれる所以(ゆえん)となっています。≫

 ≪男岩があります。この形を覚えて右の方へ行きましょう。≫

 ≪瀬戸内海に男島と女島とあるように十和田湖にも「めぎいわ」と男岩とあって、この形がすっぽりはまるということで、女性と男性が分かれていると言われています。≫

 ≪ただね、ここがくっついていたという話もあるんですね。それが引き離されて断層みたいになって、この湾が誕生したとも言われています。≫

 ≪これ、獣道(けものみち)です。この正面のほそーい道。こういう道を降りてくるのはカモシカさんですね。断崖絶壁が大好きなカモシカさん。彼らはここに降りてきて水を飲みに来るので、ここに一本の獣道、道ができています。小さな動物は、こういった開けた場所は降りてきません。上に木がないところを降りてくると、空中から猛禽類(もうきんるい)、鷹(たか)や鷲(わし)にやられてしまうので、こういった獣道を降りてくるのは断崖絶壁の好きな体の大きなカモシカさん。≫

(Q.カモシカはこの水を飲んでも大丈夫なんですね?)

≪十和田湖の水は熊もみんな飲んでいます。森の中に水がないので。夜とかは道路を横断して十和田湖まで飲みに来ます。なので、この辺の住民の人は近くても車で移動するようにしています。熊の遭遇確率が非常に高いので。熊さんはどこでも降りてきます。彼らは頂点に君臨しているので、木をなぎ倒してバキバキ折りながらどこでも降りてきます。≫

 ≪波を越えてくるので浪越岩(なみこしいわ)と呼ばれています。秋になると樹々の葉っぱが落ちてしまうのではっきりと向こうが見えるんです。今は葉っぱがあるので向こうが見えません。≫

 ≪夫婦松(めおとまつ)です。人間界といっしょで、女性の方がやはり強い(笑)。この、観光協会の方にも写真があるんですが、ごらんの通り中山半島の突端にある。なかなか見ることがありません。≫このキャプテン時折ジョークを挟む。

 ≪岩の表面に白く見えるのは地衣(ちい)と呼ばれる黴(カビ)です。私たちがよく川原で見るようなところとは違い、地衣菌という白い美しいカビが岩の上に多数生えているのがご覧いただけると思います。≫ 

 ≪六方石(ろっぽうせき)と呼ばれるところです。六方石(ろっぽうせき)の由来は、よく見ると六角形に割れた岩で構成されているところから六方石(ろっぽうせき)という名前が付けられました。≫

 ≪これも全部溶岩の塊、玄武岩です。十和田湖では六角形に割れたので六方石(ろっぽうせき)と名づけられた名所です。≫

 ≪縦割りで柱状になっているので、地質学上では柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれています。観光協会でも写真が載っているんですが、ごらんの通り休屋(やすみや)の名所です。≫

 ≪十和田湖には三体の龍神様がいらっしゃいまして、皆様の左横に見えているお社が、三体目の龍神様、正福龍神(しょうふくりゅうじん)様。≫
 ≪「正」しいに「福」の龍神様と書いて正福龍神様。十和田湖には〇〇様、□□様といらっしゃるのですが、このような離れた場所にいらっしゃるので、なかなかお会いする機会がありません。一説には女性型の龍だと言われています。≫
 ≪これで湖にいらっしゃいます三体すべての龍神様にお会いし、お参りすることができました。このあたり、霊感のある方には、やさしい雰囲気があると言われています。≫
 ≪この近くに自籠岩(じごもりのいわ)という南祖坊が修行した岩があり、そのお膝元、足元に祀られているのが女性型の龍、正福龍神様です。 ≫

 ≪左横の上の松の木の中ほどをご覧いただくと、シロサギ(白鷺)の巣がご覧いただけます。(写真中央のボール状のもの。)ここで巣を作って子育てをしているんですね。あまり近づくと親がやってくるかもしれません。どっかから警戒して見ているんです。≫

 ≪十和田湖のシンボル「乙女の像」が左横に見えています。作者は高村光太郎先生です。智恵子抄などの詩でも有名な先生の最後の作品、遺作となったのが「乙女の像」です。≫

 ≪湖上から見る姿が一番美しいと言われています。その理由は十和田湖のエメラルドグリーン。その上に二体並んだ乙女が立っているように見えるので、この角度が一番美しく見えるそうです。≫

 ≪「乙女の像」のモデルになった方は東京モデル会に所属する方ですが、お顔は先生の奥様、智恵子さんにそっくりだそうです。智恵子さんを思って造られたのが「乙女の像」です。≫

 ≪クルーズの最後はこの素晴らしい景色を眺めながら桟橋まで走り抜けます。≫

 いやあ楽しかった。あっという間のパワークルーズ。スリリングなボートの走行。激しい雨。キャプテンの要を得てユーモラスなトーク。湖の水の秘密。湖上から見る「乙女の像」。いろいろと印象に残る巡行であった。楽しいだけでなく奥入瀬と十和田湖についていろいろと知ることのできた大変有益な体験でもあった。

 雨用のポンチョを着ていたが手足はずぶ濡れになった。上陸すると受付の女性の方が「使ってください。2枚使ってもいいですよ」とタオルを持ってきてくれる。ちょうど雨があがったのでクルーズ中だけ雨が降ったことに苦笑いしながら体を拭く。お世話になったことにお礼を言いながら近くに食事のできるところはあるかと訊くと受付の方もキャプテンも「『もりた』さんですね」と強力に推薦してくれた。

 湖畔から大通りに出て左へ向かうと「もりた」さんはすぐ見つかった。(ここからしばらくはiphone撮影。カメラがだいぶ濡れたのでしばらく休ませることに。)十和田神社のすぐ近くだ。神社の入口に「注意 クマ出没」の看板を見つけヒエーッと思うがともかく入店。土産物屋のスペースが広くその一角に食堂スペースがある。メニューを見ると結構くわしい説明があり英語表記もあるので力が入っているなと思い期待感が高まる。とりあえず腹ペコだったので当地の名物「ひめます」の刺身定食と「バラ焼き」定食そして料理を待つ間に雨で冷えた体をあたためる温かい飲み物としてホットコーヒーを注文。

 ラーメンやカレーがあるのは地元民向けなのだろう。いやインバウンド(外国人観光客)向けということもあるのかもしれない。(カレーもラーメンももはや日本食ですから。)

 御祈祷米とか自分たちで十和田湖周辺で採った山菜を使うとかかなりこだわりが感じられる。お吸い物をヒメマスの魚醤で味付けしているなど単に地元食材を使うだけでなく料理自体の質や味への強い追求の姿勢を感じる。そういえば「ひめます刺身定食」について私がメニューを見ながら「洗いかな?」と呟(つぶや)くと女性店員さんが即座に「洗いじゃありません。」とピシャッと返してきた。店全体で料理にプライドがあることがよく感じられた。

 さてやってきた「バラ焼き定食」。バラ焼きは鍋や鉄板で自分で作るタイプのものもあるがこちらでは調理済みのものを出してくれる。甘辛いタレを絡めて焼いてあるようだ。旨い! 豚バラ肉と玉葱(たまねぎ)の炒め物という単純な料理だが結構味に奥行きがある。たぶんタレにいろいろ隠し味が入っているのだろう。非常に食が進む。

 次に「ひめます刺身定食」。きれいな盛り付けだ。お刺身の量はかなりありそして何よりも新鮮だ。食してみると食感に瑞々(みずみず)しい柔らかさと上品な甘味がある。淡水魚だが少し艶めかしさも感じる。ひめますという名前あるいはピンクとオレンジの色合いのせいか。いずれにしもなかなかに印象深い味わいだ。

 いや「もりた」さんは当たり💡である。当地の名物料理ふたつを大変美味しくいただけて大満足の十和田ランチであった。

(その2)につづく。

 

※  ↓ パワーボートクルーズの動画(過去記事 20240902 青い森を歩いてきた4ー十和田湖パワーボートクルーズー秘境巡りと十和田湖の表玄関 であげたものと同じです。)

20240902 十和田湖パワーボートクルーズースリリングな秘境巡りー青い森を歩いてきた4

 

 

付記1  荷物の一時預かり所→十和田総合案内所 (有料か無料かは私の記憶が定かではないので予め先方にご確認の上ご利用ください。)

 

付記2  十和田湖パワーボートクルーズは本来WEB予約した上で現地で受付をするとよいらしい(割引有)。→ 十和田湖パワーボートクルーズHP。イギリス特殊部隊で使用する軍用ボートを使用。最高時速は100km。キャプテンは一等航海士で冬のオフシーズンは外洋船に乗船し航海しているという。

 

付記3 つぶやいていない曲

Peggy Gou - (It Goes Like) Nanana - Official Video

 


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