こうして、勘太はおしっこをしてすっきりすると、お寺にもどってふとんの中へ入りました。すやすやしながらねむっているすがたは、今までの勘太にはなかったことです。
次の日、勘太は自分のふとんを見せようとお千代をよびました。お千代は、いつもとちがう勘太の声におどろきながらもふとんのほうを見ました。
「ここへきてから、初めておねしょをしなかったよ!」
「勘太くん、おねしょをせずに起きれるなんてすごいね!」
ここにいる勘太は、きのうまでのしょんぼりしたすがたではありません。その明るい顔つきは、おねしょをしなかったという自信にあふれています。
ふとんから起き上がったばかりのみよと佐次郎も、勘太がおねしょしなかったということを聞いてびっくりしています。
「あの勘太がおねしょしなかったとは……」
いつもなら、物ほしに勘太のおねしょぶとんがほされていますが、今日はその出番はなさそうです。
お千代は、化け物やゆうれいをこわがらないようになればと勘太をやさしく見つめています。