「ゆうれいが出ませんように……」 勘太は、そっと便所の中へ足を入れました。板の上をふんでいくと、ギギッと不気味な音が耳に入ってきます。「化け物、こわい……」 暗やみの中、勘太は腹掛けをおさえながらしゃがもうとします。目の前のかべには、この前と同じようにおねしょみたいなシミがあります。「ふはははは! おねしょこぞう、よくやってきたなあ」「わ、わわわわわっ……」 かべからあられたのは、勘太がこの前見たのと同じ化け物の顔です。