小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

口蹄疫の拡散は止めようがないのか

2010-05-19 23:02:45 | Weblog
4月上旬、宮崎県で口蹄疫が疑われる事例が発見されたと、報道各社で小さく扱われ、おいらも「口蹄疫」という響きに一抹の不安は感じていたのだけれど、おそらくこれは、宮崎だけではとどまりそうになさそうです…。

「ごめんね」頭さすり薬剤注射 豚7万4000頭処分 宮崎・川南町ルポ(西日本新聞) - goo ニュース
 宮崎県で猛威を振るう家畜伝染病「口蹄(こうてい)疫(えき)」。感染、または感染が疑われる施設は100カ所を超え、殺処分の対象は牛と豚で計約8万2千頭に及ぶ。手塩にかけた家畜を目の前で処分し、忍び寄るウイルスの影におびえる‐。被害が集中する川南町は、豚だけで約7万4千頭が処分対象となり、農家の間に絶望的な空気も広がっている。胸を裂く叫びを聞いた。

   ■   ■

 子豚が吸い付くと、周りの水泡がつぶれて乳房が黒く染まる。痛いはずだが、それでも母豚は、つめがはがれた足で立とうとし、乳を飲ませようとする‐。

 「もう、こんなつらい光景は見たくない」。養豚場経営者(63)は、感染した母豚の様子がまぶたに焼きついている。

 最初は小さな異変だった。鼻と足から血を流している母豚2頭を見つけ、家畜保健衛生所に連絡した。そこから爆発的な速さで広がった。抵抗力が弱い授乳中の子豚は、前日の元気がうそのように翌朝はあちこちに転がっていた。

 数日後に殺処分される豚たちに手渡しでえさをやり、腹いっぱい食べさせた。処分が始まるまでの8日間をとても長く感じた。約700頭がいた豚舎は今、骨組みだけが残る。

 「疲れた。今後のことも考えんといかんが、今は希望が持てない」

   ■   ■

「畜産は人の命をつなぐために動物の命を奪う仕事。でもこんな形はいやだ」。別の養豚場経営者(61)は、数日前に約600頭を処分した。

 殺処分は鎮静剤、薬剤の順番で注射する。若くて経験の浅い獣医師は、針が血管にうまく入らず「ごめんね、ごめんね」と豚の頭をさすりながら2本目を打った。眠るようにしゃがみ込み、息絶える豚を見ていて、涙が止まらなかった。

 「これでもうウイルスを出す心配はない。迷惑を掛けんですむ」。すべてが終わり、悲しみと奇妙な安堵(あんど)を感じた。埋めた場所は自宅から歩ける距離。しばらくは毎日、お参りに行くという。

   ■   ■

 「きょうも何とか生き延びたか」。豚約7千頭を飼育する遠藤威宣さん(56)は毎朝の観察結果を聞き、こんな思いを繰り返す。「あの農場が検査に出したそうだ」。感染疑いを調べる遺伝子検査の情報が入るたびに身を削られるようだ。

 遠藤さんは町内のJA尾鈴(おすず)の養豚部会長。世話役として動き回る立場上、ウイルスを持ち帰る危険があり、自分は農場に立ち入れない。子豚は乳を飲んでいるか、熱はないか…。観察を任せた長男の太郎さん(33)が日ごとに憔悴(しょうすい)していくのが分かる。もし感染した場合に、従業員8人をどう処遇するかも悩む。

 遠藤さんは、振り絞るように言った。「今一番大切なのは農家を安心させること。私たちは『早く終息させるためにこうする』という国や県の方針を聞きたいんだ」

=2010/05/17付 西日本新聞朝刊=


全国に飛び火すれば、それこそあっという間だと思うのだが…。

この口蹄疫問題、これまでおいらも少々気になりながらも時事ネタとして取り上げることができなかったのは、マスコミの扱いがあまりにも小さかったというのもあるし、おいら自身のアンテナの受信力が相当程度弱まっていたのかな…とも思う。
扱いが小さかったのは、どうやら民主党が報道管制を引いていたからだ…と、暗に認めてしまう発言をしてしまった鳩山総理。

口蹄疫被害 政府「失政」の懸念 農水相に批判集中(産経新聞) - goo ニュース

口蹄(こうてい)疫の被害が拡大していることを受けて政府は17日、これまで「対策の遅れはない」(平野博文官房長官)と言い張ってきた姿勢を事実上修正し、ようやく鳩山由紀夫首相直轄の対策本部を設置した。感染経路解明の難しさや被害拡大が予想を上回る早さだったとはいえ、遅きに失した感は否めない。鳩山政権にとっては、米軍普天間飛行場移設問題に続く「失政」となる懸念も出ている。(酒井充)

 首相は今回、赤松広隆農水相がトップの同省対策本部では対応できない事態と判断し、自ら指揮を執る選択をした。背景には、被害拡大の中、現地からの悲鳴をよそに外遊や政治活動を優先した赤松氏への批判の高まりもあるとみられる。

 赤松氏は4月20日に感染が確認されていたにもかかわらず、30日から9日間、中南米を訪問した。この間、殺処分対象の牛と豚は4369頭から一気に14倍以上の6万2426頭に跳ね上がった。しかし、5月8日に帰国した赤松氏が真っ先に向かったのは栃木県。民主党衆院議員の後援会会合出席のためだった。

 赤松氏がやっと宮崎県を訪れたのは10日になってから。鳩山首相は対応の遅れについて、「必要以上にさまざまな風評が立つと、農家の方が困る」と釈明したが、すでに感染は拡大しており、風評被害を気にする段階は過ぎていた。赤松氏は17日昼、首相との会談後も記者団に「対応が遅れたとは思っていない」と自己正当化を試みた。

 与党内からも批判は噴出している。鹿児島5区が地盤の民主党・網屋信介衆院議員は17日の衆院決算行政監視委員会で「地域と農水省の話には、ずいぶん情報にギャップがある」と指摘。同党の宮崎岳志議員も「やはり赤松氏自ら、迅速に現地に乗り込んで陣頭指揮を振るっていただきたい」とくぎを刺した。国会周辺では17日、「口蹄疫被害拡大は政府のテロに等しい」と題し、「政府が備蓄した消毒薬を民主党幹部が地元に流した」とするビラがまかれた。農水省は「国は消毒薬を備蓄する仕組みになっていない。ましてや『横流し』なんて完全な作り話だ」と否定するが、政府の対応の遅れが疑惑を招いたともいえる。

 平野氏は17日の記者会見で政府の対策本部設置を「首相の指示だ」と何度も強調した。最初の感染確認からその指示が出るまで27日が過ぎていた。


国がこういった状況で、宮崎県の酪農、ひいては日本の畜産の危機という状況で、宮崎県の責任を追及したがる一部マスコミには、そりゃあ東国原知事も怒るだろう。
今のところ感染が確認されていない健康な牛まで殺処分の対象になるとなれば、事は簡単にはいかないというのは理解できそうなものなのだが…。

「けんか売ってるのか」 知事イライラ 口蹄疫(産経新聞) - goo ニュース
 感染拡大が続く口蹄疫に対し18日、非常事態宣言を発した宮崎県。「このままでは県の畜産が壊滅する」と宣言では危機感を鮮明に出した。一方、会見した東国原英夫知事は、連日の拡大防止などへの対応に疲労困憊(こんぱい)の様子。今後の対応を迫る報道陣に対し、「けんかを売ってるのか」と声を荒らげ、退席しようとする一幕もあった。

 

 非常事態宣言は「懸命の防疫措置を講じてきたが、拡大が止まらない」として、消毒を徹底することや県民に対し不要不急の外出を控えることを記した。

 会見で東国原知事は、殺処分かワクチン接種かなど今後の防疫体制について「検討します」との言葉を繰り返した。

 しかし記者から、知事の判断ではないかと問われると、徐々にヒートアップ。「われわれは一生懸命やっているんです。毎日寝ずに」と怒鳴り、机をたたいて「以上です」と会見を打ち切ろうとした。

 制止する報道陣に対し、「けんか売ってるのはそっちだ」と声を張り上げたが、職員らに促されて再び会見の席に。国の支援策などについて聞かれると、ようやく落ち着きを取り戻した様子だった。


口蹄疫が発生した現場から半径10キロの県内にいる家畜は、殺処分の対象になることが政府で決められたようだが、それとて、一気に屠畜という訳にも行かないだろうし、ワクチンはあくまで時間稼ぎの一部に過ぎず、ワクチンすら足りるのかどうかすら分からないといった現状。

広がれば、おそらくは一気に広まるであろうこの問題。
勉強が追いつかぬほどだけれど、それだけに、この問題は慎重に扱いたいと思う。
苦しむことになるのは、宮崎県だけでは済みそうにないからだ。

民主党も、手を打つなら全国視野レベルで手を打たなければ、このまま行けば日本の畜産の危機を迎えてしまう。
三宅議員が転んでケガしたのは自民党議員のせいだとかなんだとか、どうでもいいところでどうでもいい話をしている場合ではない。そうした議員の二度目の当選などどうせないのだから、放っておけばよい。

危機は今、目の前にある。

おいらも勉強し直します…orz

(※記事の前半部分は5月17日に下書きをしたものです)

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6 コメント

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口蹄疫問題 (km_zap)
2010-05-20 20:40:49
ちょうど僕も初めてブログで扱ったのですが、
先月下旬からずっと東知事のツイッターは見ていたので、
全然メディアが話題にしないのは変だなと思いながら見ていました。

なお東知事の会見の全文はこちら。
記事の内容と比較すると何だかなと思ってしまいます。

http://d.hatena.ne.jp/ippei_mt/20100518/1274185636

これが、川南町の牧場関係者の方のブログ。
もう痛々しいとしか言いようがない・・・

http://green.ap.teacup.com/mutuo/

そして自分のブログでも写真つけましたが、
ゲンダイの記事はちょっと酷い。いや酷いなんてものじゃないですね。
返信する
地に落ちた日刊ゲンダイ (小馬太郎兵衛)
2010-05-20 22:16:05
日刊ゲンダイの話は、扱うことすらはばかられる内容で、メディアとして地に落ちたという気がします。
少なくとも、カネを出して読むメディアではないと私は判断しましたし、そのようなメディアは、自然と淘汰されるのがこの世の常というものです。
世間は見ていますし、わざわざ金を払って不快にも程がある記事を、読者が選ぶとは思いません。
私は今度から、日刊ゲンダイを見つけたら、焚き火の火種にでも使おうかと考えております。

…どうせ、日刊ゲンダイは宮崎には人を送ることはしていないのでしょうから。

でも、日刊ゲンダイのこれらの記事は、ある意味民主党の本音なのかもしれませんね。なにせ民主党の傀儡新聞ですから。
あ、日刊ゲンダイは新聞扱いじゃなかったんでしたっけ。

「今日も無事でした。明日は分かりません…」という一文に、とても胸が痛みます…。
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Unknown (tama)
2010-05-20 22:58:25
先週の日曜日の朝、某全国版のテレビを見ていて、宮崎に住む私たちとのあまりの温度差に愕然としました。新聞、テレビの取り上げ方一つで、問題を受け取る人の認識はあまりにも違う。今更ながら実感する毎日です。ふだんは、マリーンズファンとしてこのブログも楽しませてもらっているのですが、少しでもこういう記事を拡げていってほしいです。
返信する
レスが遅くなりました (小馬太郎兵衛)
2010-05-21 21:24:18
>tama様
遠き地から当ブログをご愛読頂きまして、誠にありがとうございます。
この問題を取り上げるのが遅くなったことを、今更ながら悔やんでおります。
気になったなら、なぜに書き留めておかなかったのかと…。

宮崎の畜産、ひいては日本の畜産の危機であると感じて、不勉強ながら筆を執った次第ですが、やはり実際の現場である宮崎と中央の温度の格差は、如何ともしがたいのでしょうか…。
実際に家畜をこの手で殺めなければならない農家の皆さんの心中や、察するに余りあります…。

現地での生活はいろいろ大変な苦労がおありかとは存じますが、私も不勉強ながらも、こうした問題を徐々に取り上げていけたらと思っておりますので、これからもご愛顧の程を、どうぞよろしくお願い致します。

頑張れ、宮崎…。
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Unknown (tomten)
2010-05-22 00:06:30
こんばんわ。

あまりにも見るに無残な光景でしたね。
本当に、何も関係ない自分ですが、泣きそうになりました。
「必要以上にさまざまな風評が立つと、農家の方が困る」
この発言も意味が不明です。畜産農家の方が何を本当に望んでいるのか、会社でいえば、新日鉄が鉄を作る機械を全て使えない状態と一緒です。この非常事態にいったい何を考えているのか。腹だたしく思います。

感染の拡大防止に努める、今はこの1点に集中し県なり国なりに務め上げて欲しいです。

逆にいえば、民主にとって、追い風になるチャンスだったのに・・・何考えているんだか。
返信する
そんなさなかに (小馬太郎兵衛)
2010-05-22 01:37:11
ついに恐れていた事態が…。

赤松も、TBSにけじめを付けさせる場合じゃないだろうに…。

日本の畜産が、今、岐路に立たされています。

感染の拡大防止に、県と国が1点集中していかなければ、畜産は二度と立ち上がれないほどの打撃を受けてしまいます。
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