2006/12/28発売の
☆攣哀感情 二重螺旋3☆を聞きました。
もちろん原作と脚本は吉原理恵子先生。
そして美麗なイラストは円陣闇丸先生です。
吉原先生には本当に耽美黎明期からかなり思い入れがありものすごく好きな作家さんの一人です。
出逢いは幼なじみやら間の楔でござんした(汗)・・・。
間の楔といえばもちろん塩沢さんと関俊彦さんです
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(滝汗)。
キャスト様は
篠宮尚人:緑川光、篠宮雅紀:三木眞一郎
篠宮裕太:阪口大助、篠宮沙也加:柚木涼
桜坂一志:遊佐浩二、加々美蓮司:浜田賢二
野上光矢:武内健、山下広夢:大畑伸太郎
中野大輝:近藤隆、立花:佐藤晴男
林田:蓮岳大、光矢の母親:古谷あゆみ
アキラ:疋田高志、真崎亮二:石上裕一
男子生徒:茂木滋
女子生徒:河原木志穂・石松千恵美・田代有紀
となっています。
豪華2枚組であります。
兄からしかけられた無理矢理な近親相姦。
しかもそれを弟に目撃され、弟はひきこもり。母には死なれ、姉には疎まれ、父は浮気・・・ともうどろどろのこの世界。しかも暴行犯の被害にあってしまい・・・というどろどろの世界。
でも前作では雅紀の気持ちを受け入れた尚人は、事件の苦しみも乗り越えなんとか復学します。自分の生い立ち、兄がトップモデルだということ・・・いろいろばれまくって醜聞だらけの世界。でもそこは友人らが守ってくれていました。
しかしまだ事件の後遺症に苦しむのは尚人だけではなく、他の3年生はもう復学が絶望的。1年の野上もまだ苦しんでおり家から出られない状態。
そんなとき、尚人は野上の母から「どうやったら乗り越えられるのか?」と半ば強制的にアドバイスを求められます。
自分と他人との痛みは違うということを分かっている尚人は野上に手紙を書くことだけで納得してもらうことに。
しかし野上は尚人に依存していき・・・。
そんな感じです。
耽美系な吉原理恵子ワールドですね。
まさに。
吉原先生が昔何かの本にこういう感じとお気楽学園ものうまくバランスとりながらかいていきます~みたいなことを冗談半分にかかれていらしたのですが、これはもうどう考えても前者ですね。
精神不安定なときは聞かない方がいいかも。
あ~でも3はわりと軽めかもですね。淡々とした感じがします。
なんというか私が彼女の作品が好きなのは、ちゃんと痛みを分かっているからでしょうか。
どこか冷たい目線で見ているような。それでいてどこか訴えてくる痛み。
尚人は3ではわりとニュートラルな役割を担っています。
特に尚人が他人になにをするわけでもないのですが、それが周りの人間には無垢だとか、ひとりだけ恵まれている、愛を受けている、そういう風に見られてしまう。
きっと尚人のような人間のほうが現実の世界では少ないと思うのですよね。だから見ているほうは自然と周りの悪意に同調してこのCDを聞くのじゃないかなと思います。
そんな尚人を演じているのが緑川さん。
2年半ぶりだそうですが、尚人そのままでしたわ。
今回はあんまり可哀想なシーンがなくてほっとしてたりして^^;
ブリ受けでもないし、クールでもないし、どちらでもない、緑川さんにしては珍しい感じですね。
で、マサキはもちろん三木さん。
怖さ相変わらず垂れ流し
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一番の元凶ってたらこの人なんでしょうけども、今回は愛情が先走ってて少しよい人度アップ?
で、成長した弟を演じているのが阪口大助さん。グッドジョブです
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ひきこもりイクオール根暗ではないというのがこの作品のポイントでもあるのですが、見事ですね。徐々に兄弟との絆を取り戻しつつあるところの変化が素晴らしいです。
で、武内健さんがいわくつきの役をやっているのですが、怖いです。
誰もが陥りそうな狂気を見事に演じてますね。
怖いです
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遊佐さんは強面の役です。
で、話のキイにもなってくる役でございまする。
遊佐さんが凄むとやっぱり怖い。
ほかにもすばらしい声優陣なわけですが、尚人以外がそれぞれに狂気を持っている感じで、尚人一人がブラックホールのように綺麗に描かれているのは、きっと尚人が知らず知らずのうちに全ての人を巻き込んでいることを象徴しているのか?それとも尚人の悲しみや苦しみを浮き立たせるためなのか。。。
原作を読んでいらっしゃる方も、吉原先生脚本ですし、楽しめると思います。
ただ、やっぱり自分がハッピーなときにきかないと、狂気に巻き込まれます。
でもそれもまた一興。
それが耽美ワールド。
絡みというかエロシーンは決して濃くないが、濃く感じるのは、描き方なんでしょうね。
うん。
原作是非最初から読んで欲しいけどお子様はだめ・・・かもね。
しかし・・・なぜにこう年末商戦は濃いのでしょうか(笑)。
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