KERC活動日誌

柏アーリー・リコーダー・コンソート
古楽リコーダーアンサンブルの日々あれこれ

高橋明日香リコーダーリサイタル@谷中 2016.4.2

2016-04-17 15:22:21 | 演奏会の紹介/報告 2016~
去る4月2日に東京・やなか音楽ホールにてわれらが導師・高橋明日香先生のリサイタル
「高橋明日香リコーダーリサイタル ~リコーダーとピアノのための20世紀の作品を集めて~」
が開催されました。その模様を紹介いたします。
 
今回の演目は全曲ピアノとリコーダーのモダンデュオ作品というあまり例を見ない構成で、
難曲ぞろいの、先生にとっても非常にチャレンジングな試み。
ルネサンス~バロック音楽をこよなく愛する一方で
「リコーダー奏者は現代のリコーダー作品をもっと積極的に取り上げるべき」
「単なるピリオド楽器ではなく、《今》を表現する楽器としてその可能性を追求するべき」
と常々おっしゃる先生。(……そうおっしゃったような気がする ^ ^;)
相当な意気込みをもって今回の演奏会を企画されたようです。
 
そんな明日香先生が相方に選んだのは、宮古島に拠点を構え、ご自身リコーダー奏者としても活動されている棚原俊平さん。
「リコーダーのことをわかってくれる方にピアノをお願いしたかったから」とは先生の弁。
ピアノとリコーダーが共演することの難しさがうかがわれます。
 
◇ リハの模様
 
当日のプログラムは次のとおり。
 
  1 Walter Leigh (1905-1942): Sonatina (Allegretto / Larghetto, molto tranquillo / Allegro leggiero)
  2 Lennox Berkeley  (1903-1989): Sonatina op.13 (Moderato / Adagio / Allegro moderato)
  3 York Bowen (1884-1961): Sonata op.121 (Moderato e semplice / Andante tranquillo / Allegro giocoso)
 [休憩]
  4 Harald Genzmer (1909-2007): Greensleeves GeWV 261
  5 Harald Genzmer: Klänge der Nacht GeWV 208 (夕暮れ / 夢 / 夜 / 夜の静けさ / 朝)
  6 Norman Fulton (1909-1980): Scottish Suite (Prelude / Air / Musette / Nocturne / Reel)
 [アンコール]
  7 Marshall: Caprices
  8 宮古民謡「トーガニアヤグ」
 
 
◇ 本番、気合が入ってます
 
正直なところ、ピアノとのデュオってどうなんだろう、やっぱ無理めなのでは?と、やや懐疑的なまま客席に座ったワタクシでしたが
いやはや、まったくの杞憂でした。
開始からアンコールまでホールいっぱいに展開された豊穣なデュオサウンドに、おなか一杯耳いっぱいの大満足な演奏会でした。
いつもながら太く甘い音で、重心のやや低い、よく歌うフレージング。
なんとなく《着物美人なリコーダー》という感想が浮かびます……(いや、ワタクシだけだと思いますが)
 
広い音域、特殊な運指を要する曲では、Mollenhauerのモダンアルトリコーダー5924E、モダンソプラノリコーダー5914Hを駆使。
通常の楽器ではしょっちゅう膝を使うことになるので、座って吹くことになり
ステージとしてはあまり見目よろしくないのだとのこと。
初めて聴きましたが、なんとなくクラリネットのニュアンスを感じる音色でした。
 
先生のご了承を得て、当日の模様を特別にダイジェストでお届けします。
こちらをクリックしてどうぞ。
……ワタクシのしょぼい機材では先生の演奏を《体験する》ということがとてもお伝えできないのが至極残念です。
ぜひ演奏会に足を運んでいただきたいと思います。
高橋明日香先生の演奏会情報はこちら
 
先生が最近参加されたCDはこちら
 
 
[記:べ]
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