KERC活動日誌

柏アーリー・リコーダー・コンソート
古楽リコーダーアンサンブルの日々あれこれ

Femitz 第4回公演 報告

2010-05-20 17:29:56 | 演奏会の紹介/報告 ~2015
「リコーダー・トリオ Femitz 第4回公演 風ものがたり」 の演奏会を聴きに近江楽堂に出かけました。
私が聴かせていただいたのは、夜の部です。

2010年5月19日(水)近江楽堂
 リコーダー:安藤由香・高橋明日香・森吉京子

会場は、同時開催された花よし庵花展「友風」のアレンジが展示されていましたが、演奏者の3人の譜面台にも
コサージュ?が飾られ、女性3人の演奏会の雰囲気を盛り上げていました。
「花よし庵」主宰の佐藤文恵さんは、調剤薬局薬剤師と書かれていて、職場は違うものの同業者なんだーと思うと
なんかうれしくなってしまいました(ちなみに tomo は薬局ではなく会社勤めです)。

演奏会場の近江楽堂は何度か聴きに来ているのですが、これまではリコーダーはソロかデュエットまでの演奏で、
3重奏は初めてでした。
いままでに感じたことがないほど、響きが豊かに感じられ、笛4本、5本になると響きすぎてうるさくなるかもと
思わせられました。演奏会の後半になると響きにも慣れたのか、ちょうどいい感じでした。
音のない休符がとても存在感を持って聞こえる、そんな会場だと思います。
演奏会は、12人もの作曲家の曲が盛りだくさんで、ほぼ2時間近い演奏会でした。
全部についてはとてもコメントできないので、一部の曲の印象を書かせてもらいます。

★ ドメニコ・ガロ(1730-1768?)/トリオ・ソナタ 第1番
★ V.ルッフォ(1510-1587)/《音楽の戯れ》より
   4曲のうち、途中の2曲はもうマドリガーレそのもの。きっと歌詞があって歌われていた曲じゃないのかなぁ。

★ アントワーヌ・ド・フェヴァン(1470頃-1511)/テデウムほか
★ J.B. de ボアモルティエ(1689-1755)/ソナタ 第2番
   KERCでも練習したアルト3本の曲ですが、先生たちの演奏はやっぱり速くてかろやか。
音も自分達で演奏したときより低いような気がしましたが、バロックピッチの楽器というのと吹き手の違いでしょうか。
もう少し華やかな感じがしていたのですが・・・

★ マイケル・ミーチ/人形芝居ほか

★ J.G.グラウン/協奏曲ハ長調 落合崇史編
   落合さんが編曲されたこの曲はとても印象的な編成でした。Allegro/Adagio/Allegro で、Allegro はABA
(バスをはさんで両側にアルト)、Adagio はCB、B、GBの編成。
バスのソロと、アルト2本の掛け合いの楽しい Allegro と、低音3本の重厚な Adagio がとてもすばらしかったです。

 (休憩)

★ マティアス・マウテ/バリケード
   フランソワ・クープランのチェンバロ独奏のための「神秘のバリケード<障壁>」にインスピレーションを受けて
作曲されたものだろうとのこと。この曲は、下の2パートが分散和音をずっと吹いているところに特徴があるようですが、
低音部のポッ、ポッという音をどのパートが出しているのか、よくわかりませんでした(^^ゞ
このマウテと下のシュテープスの2人の作曲家だけの曲を集めてのフェミッツ演奏会を11月に開かれるそうです。

★ 作者不詳(14世紀)/サルタレローホケトゥスほか
★ ギョーム・ド・マショー/わが終わりはわが始まりなり、ダヴィデのホケトゥス
   この2人の曲の両方にある「ホケトゥス」というのは中世の音楽様式で「しゃっくり」という意味だそうですが、
各パートの休符がとても難しそうでした。中世、ルネサンスの古い時代にいくと、バロックよりもかえってリズムなどは
とても難しくなりますが、それこそが楽しみでもあるんでしょうね。

★ 落合崇史/夜番の唄
   「夜番」と聞いて、レンブラントの「夜警」という絵を思い出しました。この絵はほんとは昼を描いた絵だそうですが、
バロック時代のレンブラントやルーベンスなどの絵、特に肖像画などは光のあたる部分をよりひきたたせるために、
まわりはどんどん暗くなって、暗い(黒い)部屋にぽっと明るい顔が浮かんでいるような絵が多いように思います。
そういう絵には「しーん」とした静けさと孤独感のようなものが感じられ、まさにこんな曲が聞こえてきそうに思いました。
バロック時代の絵、フェルメールとかも、光と影の対比を描いたものが多く、音楽だけでなく絵も私自身はとても好きな時代です。

★ ハンス・ウルリッヒ・シュテープス/15の民謡
★ T.ムーア/組曲 ト長調
  この組曲はバロック時代のスタイルをそのままに、現代の和声で作曲されているそうです。最後の楽章Fugue など、
テーマを次々に引き継いでいくのがよくわかりました。KERCでフーガをいつも吹いているのが生きているのかなぁ (^^ゞ

アンコールは「ロシアより愛をこめて」。落合さんの編曲によるトロイカ、白鳥の湖?、展覧会の絵、カリンカなどのメドレーでした。

以上、ご報告でした。
フェミッツの演奏会に初めて伺いましたが、3本でもほんとにいろいろな雰囲気の曲ができるんだなとわかりました。
また次の機会を楽しみにしたいと思います。

(tomo)
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