「けやぐの道草横丁」

身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳や歌への視点
「けやぐ」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです

#36.蝉坊動物録 - ゴマダラチョウ -

2014年05月25日 | 動物
cast ; ゴマダラチョウ/胡麻斑蝶/Hestina persimilis japonica/
タテハチョウ科/日本基産
host plant ; エノキ/榎/Celtis sinensis/ニレ科/落葉高木
size ; 90mm ab.
date ; 05/13/14:07/2014
place ; 東京・北区・十条台橋
find & photo ; Mr.蝉

  身のまわりの小さな発見、大きな驚きです!
  わが家から見える、声が届くようなエリア内で、生まれて初めての蝶に出会うことができました。
  高鳴る鼓動!
  マクロレンズを至近距離に近づけてもピクリともしません。
  急いで何度もシャッターを切って、フウッと息を吹きかけると、静かに翅をたたんでくれました。▼

  

  JR埼京線に架かる「十条台橋」の西側北のたもと、サザンカの生垣の上で、生きもの好きオヤジを待っていたかのようでした。
  調べてみると、とくに後翅の文様から、春型の♀メスではないかと思われました。
  その生垣の後ろのメッシュフェンスの外側、JR線の土手上に、若いエノキの樹が生えていたので、そこで羽化し、まだ濡れている翅を乾かしていたところではないかとも想われました。▼


  「注意」と貼ってありますが、ホントにそのとおりでした。
  そのプレート左の生垣の端に休んでいました。
  バックの濃い緑の樹がエノキ。
  自然発生したもので、この辺りでは実生の幼木がたいへんよく見られます。
  6~7年の街あるき観察のおかげで、葉一枚、ひと目で判るようになりました。▼


  
  手始めに植物をある程度知ることが、結果的に世界観を広げることにとても役立ったのではないかと思われます。


  発見地点から直線で数百メートルの「石神井川緑道」に生えている大エノキが、ちょうど実を結んでいました。▲
  黒く熟すとほのかに甘い味のする、たくさんの実を見上げる木陰は、さわやかで豊かな気分になれます。▼


  エノキを食樹 host plant とする昆虫はほかに、オオムラサキ、テングチョウ、ヒオドシチョウ、エノキハムシ、タマムシ、ホシアシブトハバチ、エノキトガリタマバエ、エノキワタアブラムシなど。
  エノキは木に夏/榎/と書くのですが、「木×春夏秋冬÷四季」シリーズで、また別にまとめてみる予定です。

§

  今回、ゴマダラチョウから学ばせていただいたこと。
  それは 『 軽々しく「捕虫網」を持ちたい、買いたいなどと思わないこと 』 です。
  「今ごろはどこの空を飛んでるんだろう。素敵な青年にはめぐり会えたんだろうか。」などと想像してみる方が、はるかに事後の充実感があります。


童心を透視している蝶の翅  蝉坊



《 関連ブログ 》
● けやぐ柳会「月刊けやぐ」電子版
会員の投句作品と互選句の掲示板。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0123
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575




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