「けやぐの道草横丁」

身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳や歌への視点
「けやぐ」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです

#33.蝉坊植物録 - スミレ -

2014年05月08日 | 植物
スミレ/菫/Viola mandshurica/violet
スミレ科スミレ属/多年草
日本・東アジア原産
東京・板橋区・板橋四/歩道の際
04/13/2014


  植物学者「塚谷裕一/つかや・ひろかず」/東京大学大学院教授/さんは、「スキマの植物図鑑」の「まえがき」にこう書かれています。
  『植物にとって幸福とは何だろう?…中略…植物にとって幸福な状況とは、水も肥料分も潤沢にあり、通風も適度にあって、そしてさんさんと太陽の光が射す状況だろう。…中略…そんな植物にとって、居心地の良い、幸福な場所の一つが本書のテーマ、「スキマ」なのである。』と。
  まったく同感です。

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  今年も身のまわり・足もとの植物の仕草の喜怒哀楽に出会う、街あるきの醍醐味の季節となりました。
  カメラを新調したこともあり、「スキマ植物」のページも心がけたいと思います。
  名付けて「足もと植物図録」とでもしましょうか。
  トップバッターは「スミレ」さん。
  毎年この時期に、アスファルトやコンクリートの「際」に、多いところではズラズラと一列に強烈な紫色の花を咲かせ、薄青色のオオイヌノフグリとともに「春のおとずれ」を感じさせてくれます。

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  スミレといえば、女優・市川寿美礼さん。


  ● 市川寿美礼/いちかわすみれ/1928(昭3.1.5)~72(同47.8.5)/昭和時代後期の女優/北海道生まれ。歌舞伎から新派を経てフリー。
  NHK連続テレビドラマ「繭子ひとり」/1971.4.5 – 72.4.1/三浦哲郎・原作/高橋玄洋・脚本/山口果林・主演/石坂浩二・語り/▲右端/など多数の映像に出演し、名バイプイヤーとして活躍しました。

  子供のころ何かのTVドラマで見た、煤けた顔で汚れた手拭いを首に掛け、薄汚れ混みあう定食屋のカウンタで、手のひらの付け根で鼻汁をすすり上げながら、ズルズルと支那ソバをすする、真正面からのカットが今も忘れられません。
  ふるさと青森・A町のコモへ/komohe・小店・こみせ/を、寒風の中ホッカムリ/頬被り/とカクマキに顔を埋めて行き交うおばさんたちの臭いがありました。
  道端に背筋を伸ばして凛と咲くスミレと同様の気骨を感じる女優でした。
  44歳で早世されていたことには驚きました。
  稀有な昭和の名女優に、合掌…。

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  塚谷裕一さんが出演されたNHK「視点・論点」/「スキマに植物を探す」/を偶然興味深く拝見したのは、2014年4月25日(金)早朝4:20~4:30でした。
  朝食時その話題になり、以前から塚谷さんの愛読者だった配偶者からは「起こしてくれればよかったのに…」といわれましたが、「新刊が出たようよ」というと「すぐ買って」というのでPCを開くと、いきなり「スキマの植物図鑑」の「おすすめメール」が飛び込んできました。
  なんというタイミングでしょうか!



カラー版・「スキマの植物図鑑」/中公新書 # 2259
塚谷裕一・著/ 03.25.2014 刊



足もとの花ニッコリと 「 短足ね!」   蝉坊




《 関連ブログ 》

● けやぐ柳会「月刊けやぐ」電子版
会員の投句作品と互選句の掲示板。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0123
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575





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