宮部みゆき「理由」

文庫６００ページを超える宮部みゆきの大作「理由」、
ようやく読み終わりました。

まず読み終わっての感想。
これだけぶ厚い文庫は読みにくい。
通勤途中、片手をつり革につかまって、もう片手で本を
持つには厚過ぎて・・・。
上下巻にわけてくれればよかったのに。

そんなどうでもいい感想はさておき。
インタビュー形式で進むこのお話。すごく斬新だなぁと
思いました。
事件を振り返りつつ、徐々に少しずつ明らかになって行く
事件の真相。本当に少しずつなので、全部明らかに
なるまでだいぶ時間がかかりましたが、それもまた良し
と思えた作品でした。

純粋に事件の推理をしながら読み進むという感じでは
ありませんでしたが、事件当時と事件解決後のインタビューと
両方をイメージしながら、楽しく読めたと思います。
インタビューしているあなたは誰ですか？という疑問は
最後まで残りましたけどね。
もう頭の中には「ヴァンダール千住北ニューシティ」が
完全に出来上がりました。

競売、占有屋、民事執行法、執行妨害・・・。
いろいろとお勉強も出来ましたね。

この長いお話、読み終わったときには、最初に出てきた
片倉信子のバスケ部のお友達、田中翔子さんのことを
覚えている人は少ないんでしょうね。