だれも知らない小さな国2010/11/12
佐藤さとる
我が家には1973年に刊行された文庫もあります(かなり傷んでいます💦)
これは、去年たまたま古本屋で見かけて購入しました。
いつの間にか復刊されていて
本の中身も文字が大きくなって、とても読みやすかったです。
子供の頃、この本のタイトルだけは知っていましたが
実際に読んだのは大人になってからです。
初めて読んだときは、情景が頭に浮かんできて
どこか懐かしさを感じるような感動を覚えました。
主人公のセイタカサンが生きた時代は戦前~戦中~戦後です。
小学3年生の時に見つけた「ぼくの小山」との出会い。
そこはコロボックルが大昔から住んでいる場所で
その昔、乱暴で欲張りの人間たちにひどい目にあわされてから、隠れてしまったという。
しかし小山がこの先どうなるか心配なので、人間の味方を探していたとき目にとまったのが
セイタカサンだったのだ。
コロボックルが初めてセイタカサンに姿を現したとき
偶然にも居合わせた女の子(おちびさん)が、同じくコロボックルの味方になり
最終的に「小山」を買いとることができ、ハッピーエンドとなります。
この後に続くコロボックル物語では、味方となった2人が結婚して子供が生まれ
小山に家を建てて住み始める...と話が進んでいきます。
この物語はファンタジーなのだけれど、どこか本当の話のような不思議な感覚になります。
読んだあとは、心がポカポカ温かくなりました。
子供の頃、自分だけの世界って持っていませんでしたか?
秘密基地とか、物語の中に自分を逃避させたり、空想したり...
ファンタジーや神話が身近にあったのだなあと思います✨
ところで、今回この物語を読んでハッとした文章があります。
コロボックルが言った言葉です。
「ネズミヨリモ モズヨリモ ワシラハ ニンゲンガコワイノダ」
大昔はコロボックルと人間はうまく共存していたのに
金儲けのためコロボックルをつかまえようとする悪人たちの存在..
結局のところいつの世にも、悪人はいるわけで...
私は子供のころからすごく怖がりで、幽霊が出たらどうしようとか
テレビで心霊現象の番組などがやっていても、絶対に見ないほうでしたが
いつの間にか「いちばん怖いのは生きた人間なんだ」って思うようになってから
怖がりを卒業しました👻