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「老いてはネコに従え」 養老孟司 下重暁子

2024年11月27日 | 本 レビュー

「老いてはネコに従え」2023/4/26

養老孟司 下重暁子

養老孟司先生と下重暁子さんの対談の本です。字が大きく、読みやすかったです。ただしネコの話は、最初の方と最後の方だけで、あとは85歳と86歳のお二人が、日本社会が抱える歪みなどについて、忖度なしに言いたいことを言うスタイルで書かれた本という感想です。

ただし、下重さんの愛猫ロミの話は読んでいて心が痛くなりました。「7歳の時に、自殺してしまったんですよ」。っていうけど、それ、マンションの3階から転落したってことですよね?そのあと車にひかれたかも?

ベランダで自由に遊ばせて、飼い主は一緒にいないって..なんか私の感覚ではそれはナシなので、ここで読むのを辞めようかなと思いましたが、全部で222ページで字も大きいので、なんとか読了できました。

 

そう、なんとか読了できたというのが、全体の感想を物語っているというか・・・私は養老先生のファンですが、この本に関しては正直、高齢者同士の愚痴を聞いている気分になってしまいました(それが悪いとは言いませんが)。その中で、面白いなあとか、気になった箇所など書き留めておくことにします。

P112~P113 

養老:僕なんか、「行列の先頭」をみてきましたよ。

下重:ああ、養老さんは心筋梗塞のことでICUに入った時、お地蔵さんがお迎えにくるという幻覚をみたそうですね。

養老:ずいぶん地味なお迎えでしたよ。『聖衆来迎図』みたいな金ぴかの仏さんが来るかと思ったら、ずいぶん質素だった。最近では、極楽も予算を節約しているのかもしれません(笑)。

下重:お迎えじゃなくて、下見に訪れただけかもしれませんね。それで、お地蔵さんはどんな風に姿をみせたんでしょうか。

養老:まったくの幻覚なんだけど……僕は、階段教室みたいな感じの傾斜のある部屋の高いところにいました。大きなテレビがあったので、横になって眺めていると、モニターにお地蔵さんが何体か映った。そして、その姿が岩盤レリーフみたいに浮き上がったかと思うと、すうっとこっちへ向かってくるんですよ。病気で寝ている僕のところへ、向こうからどんどん寄ってくるんです。

☆感想☆

結局、養老先生は、お地蔵さんについていかなかったから、お地蔵さんはどこかへ行ってしまったということなんですが、臨死体験ってことですよね!お地蔵さんについていったらあの世にいっていた?下重さんはお地蔵さんが来てくれるんだったら、あんまり怖くないですねって言っていましたが、いやいや私は、お地蔵さんが数体、自分に向かってきたら怖いですよ(汗)。ホラーじゃないですか!三途の川もちょっとイヤですね。できればお花畑とか虹の橋がいいです🌈

 

P217~218

下重:無理をしない。何かに迎合するわけでもなく、毎日をただ気持ちの赴くままに過ごす。まさしく、まるのような生き方ですね。

養老:そうですね。猫はみんなそうでしょ。子どもたちだって本来はそうなんです。人間も猫みたいに自然に生きることができれば、巨大地震が起ころうが、この先どんな社会へと変わろうが、たくましく生きていけるはずですよ。

下重:そういえば養老さん、話を聞かずにじっと虫をみているようなことは、今回はありませんでしたね。

養老:いや、似たようなもんですよ。お話しをしながら、頭の中では虫のことばかり考えています。今だって、瓶の中に入れてある虫の脚をどうやって広げたらうまく標本になるかなって、自分の好きなことばかりが頭に浮かんでいますね(笑)。

☆感想☆

養老先生は、人の話は3割くらいしか聞いていないそうです。人に合わせることもなく、好きなことにしか興味がないとのこと。うーん、いろいろとうらやましいです!

子どもについては、みんながみんなたくましさを持っているわけではないと思います。ほっといても育つ子もいれば、手をかけないと育たない子もいると思います。

本書の中で「2038年待ち」という言葉が出てきます。

自然災害がないと日本は変われないとか、そんなどうすることもできない未来の話をされたら夢も希望もなくなってしまうと思うのですが・・・

 

 

 



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