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「生物はなぜ死ぬのか」小林武彦

2024年10月09日 | 本 レビュー

「生物はなぜ死ぬのか」2021/4/14

小林武彦

 

読んでみて一番面白かったのは「ハダカデバネズミ」について書かれた箇所でした。私はハダカデバネズミというネズミを今まで知りませんでした。ハツカネズミとほぼ同じ大きさで、寿命がなんと30年なんだそうです。アフリカの乾燥した地域にアリの巣のような穴を掘りめぐらし、その中で一生を過ごすとのこと。100匹程度が集団生活を送っているそうです。ハダカデバネズミが長寿になった理由に、労働時間の短縮と分業によるストレスの軽減があげられていました。本書にハダカデバネズミたちのお昼寝中の写真があったんですが、10匹ぐらいで寄り添ってお昼寝する姿がとても幸せそうに見えました。

 

次に面白かったのが、TMTという巨大な望遠鏡について。完成したら宇宙の起源、この世の始まりが見える可能性があるそうです。なんとも気が遠くなるようなロマンの世界です。

 

本書のタイトル「「生物はなぜ死ぬのか」については、「全ての生物は、ターンオーバーし、生と死が繰り返されて進化し続けています。生まれてきた以上、私たちは次の世代のために死ななければならないのです」。と書かれています。そして自分という存在を失う恐怖から逃れる方法はないそうです。この恐怖は、ヒトが「共感力」を身につけ、集団を大切にし、他者との繋がりにより生き残ってきた証だからとのこと。

 

少子化について作者は、保育所や教育環境、親の労働環境など、子育てに必要な要素が不足していて、それにより、子供が作れなくなる少子化圧力が強まり..とありますが、本当にそれだけでしょうか?

人類はあと100年もたないともおっしゃっています。

 

最後の「ヒトの未来」に」ついてでは、確かに人間社会は現在、集団を大切にする考えから、より個人を大切にする考え方への分岐点にきていると私も思います。AIの危険性については果たしてどうなんでしょう?私自身はネットというものをあまり信用していないので、参考程度にみていますが、どんどんデジタル化していく時代についていけない気もしています。ヒトが幸せになるツールとして使っていけたら一番いいんでしょうけど、なかなか難しいのですかね?

 

 



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