気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

満開のあじさいが咲き誇る大阪蜻蛉(とんぼ)池公園・・・岸和田市

2016-06-23 19:17:57 | 

 平成28年6月18日(土) 晴れ 私たちは、南大阪の自宅から30分ほどの距離にある蜻蛉(とんぼ)池公園に妻と二人で出掛けた。

 今回の目的は、蜻蛉池公園内にあるアジサイの花である。

かつて私は、この公園のある岸和田市と隣接する和泉市に住んでいた。

その折に、妻と二人でサイクリング用の自転車で、この蜻蛉池公園を何度も訪れている。

しかし、この公園がアジサイの名所になっていることは、全く知らず、ネットで初めて知った。

どんなアジサイなのか! 胸がワクワクするような思いで、この公園を訪れる。

近くの駐車場に車を止め,蜻蛉池公園内に入って行く。

公園内に入って行くと、幾つかのテニスコートから、大会が開かれているのか、時々大きな歓声が聞こえてくる。

さらに進んで行くと、左に大池が見えてくる。 正面には小さな橋があり、

その向こう側には、柱のような白い角柱が数本立てられ、それぞれに、根元からつるバラの緑の葉が巻き、よく整備された庭が見えてくる。

バラ園では、シーズンを過ぎたバラが、モニュメントと共に所々でさびしく咲いている。

 

ここで、蜻蛉池公園の概略について触れておきたい。 

蜻蛉池公園は、大阪府岸和田市の緩やかな丘陵地の、変化に富んだ地形を、最大に活用した大阪府営の自然公園である。

広大な緑豊かな公園内は、大人から子供までが楽しめる、数々のゾーンが造られている。

「水と緑の音楽広場」の芝生の前には大池があり、白鳥やカモ、アヒルなどがのんびりと泳いでいる。

春と秋のシーズンには2500本のバラの花が咲き乱れ、周辺のギリシャ建築を思い浮かぶような大回廊や、

数々のモニュメントと共に多くの人達を楽しませてくれる。

6月には、40種の10,000株の色とりどりの花を咲かせるアジサイ園がある。

小さな家族連れの人たちが楽しめる遊具も、たくさんあり、充実している。

子供たちを楽しませる長いすべり台など、45種類の遊具があるフィールドアスレチックスや、

お弁当などを広げたり、バトミントンのような簡単なスポーツが楽しめる広場なども整備されている。

その他にも、フジ棚や花ミズキなど季節の花を観賞できる「花木園」もある。

スポーツ施設も充実しており、16面のテニスコート、野球場、球技広場、スポーツハウスなどがあり、

老若男女や、車いすを利用する方々など、全ての方々が楽しめるように造られた公園である。

蜻蛉池公園案内図

トンボ池公園の周辺は、太古の昔から、大きな河川がなく、農業用水が不足するために、多くのため池が造られていた。

ため池は、稲作の栽培などに農水として利用され、多くの人々の生活を支えていた。

また、ため池は、人間の生活だけではなく、トンボをはじめとする水辺の生き物たちにとっても、大切な命を育む所でもあった。

そんな多くのため池がある中で、周辺の池は「たんぼ池」や、「トンボ池」と呼ばれ、

江戸時代にゴロの良い「トンボ池」に改名されたのが、この公園の名前の由来になっている。

 

開花時期のずれたポケット広場のバラ、水辺にはガセホという施設がある。この広場は、1994年(平成6年)に開設された。

バラは春と秋のシーズンには、約200種・2300株のバラが楽しめる。 

バラの広場から大池を望んだ施設や、広場周辺には、たくさんの彫刻が施されたモニュメントがあり、ヨーロッパの雰囲気が醸し出されている。 

この場所では、シーズンを過ぎたバラが、大池を臨みながら静かに咲いている。

バラが植樹されている、ポケット広場を過ぎると、ギリシャ建築を思わせる回廊風のシエルターが、

広場に敷き詰められた芝生と共に、美しい姿を見せている。

この先には大池があり、水辺にはステージが造られ、緑の芝生広場と共に、調和のとれた、安らぎの雰囲気を醸し出している。

古代のギリシャ建築を思い浮かべそうな回廊風のステージ、と緑の広場が美しい「水と緑と音楽広場」

 

回廊の中に造られた石のベンチには、若い二人が思い思いに過ごしているが、

ギリシャ建築が思い浮かぶアーチ形の回廊から、水辺にあるステージや大池方向の眺望は抜群である。

私たちは、野原広場を通り、アジサイ園方面に進んで行く。

 

野原の広場からのアジサイ園と左上にある展望台、私たちはこの広場を通りアジサイ園に向かって行く。

約40種10,000株の色とりどりのアジサイの花が咲く「あじさい園」の入口

 

アジサイ(紫陽花)は6月から7月にかけて開花し、白、青、紫または赤色の萼(がく)が大きく発達した装飾花をもつ花である。

原種は日本に自生するガクアジサイである。 

日本、ヨーロッパ、アメリカなどで観賞用として広く栽培され、多くの品種が作りだされている。

ヨーロッパで品種改良されたものは、セイヨウアジサイと呼ばれている。

アジサイの歴史は古く、万葉集などでもうたわれ、花の色がよく変わることから 「七変化」 「八仙花」 と呼ばれていた。

アジサイの群生

アジサイは土壌のPH(酸性度)によって花の色が変わる。

一般的に 「酸性土壌なら青」 「アルカリ性土壌なら赤」 の花が咲くといわれている。

 

入口付近にあり、アジサイに囲まれたあずま屋で休憩する人達

 

入口の近辺には、以下のような看板が掲示されている。

(あじさい園魅力 UP プロジェクト)

綺麗に咲いていたのに何で工事したの? とのお声が聞かれます。

入り口付近のアジサイは、木陰が全く無く、数日の日照りや、一度の寒風で全く花が咲かなくなる場所もあり、過去には、花がほとんど咲かない年もありました。

そこで、今回の改修では、近年の急激な天候の変化にも耐えうるよう、木陰をつくる樹木をたくさん植え、アジサイの生育に適した環境を創りました。

小さな苗が以前の大きな株に育つまでは数年かかりますが、もう一度満開の花が咲き誇るまで温かい目で見守ってください。

このように書かれている。

あずま屋からのアジサイ、この近辺が「アジサイ園魅力 UPpロジエクトの区域」

入口付近の近くには、アジサイの花々に囲まれた東屋があり、ベンチに座りながら、ゆったりとした気分でアジサイが鑑賞できるように造られている。

東屋では、何人かの方々が、アジサイを鑑賞しながら、談笑している光景が見られた。

若いアジサイ「アジサイ園魅力 UPプロジエクトの区域」

あじさい園を訪れた方々の中で、多くの女性のカメラマンが見られた。

カメラマンと云えば、比較的年配の方が思い浮かぶが、最近は若い女性の方が多くなってきているように感じる。

園内の色とりどりのアジサイの花が、訪れた人々をひきつけるのか! 

こまめに構図を描き、シャッタを切っている姿が至る所で見られた。

若い色とりどりのアジサイ「アジサイ園魅力 UPpロジエクトの区域」

赤いアジサイの群生(西洋アジサイ)

赤い可憐な花をつけたアジサイ

紅白のアジサイ(白=アナベル)

赤いアジサイ(西洋アジサイ=コエルレア)

色とりどりのアジサイの花

変わった小ぶりのガクアジサイの花

大木の枝間に寄りそうように咲く、色とりどりの可憐なアジサイの花

ガクアジサイは日本が原種である。可憐に咲くガクアジサイ(隅田の花火)

変わった花弁をつけるガクアジサイ(城ケ崎)

あじさい園の中央には、石組みされた川が曲線を描くながら流れ、アジサイ園の最奥部まで続くように造られ、アジサイの花とうまく調和している。

石組みされ、曲線を描きながらアジサイ園を流れる川には、日本庭園を思わせる大きな石や石橋が架けられ、東屋と共に庭園情緒を一層高めいる。

川の畔に造られたあずま屋からのアジサイ、小高い丘の頂上部までアジサイの花が咲き、そのスケールに驚かされる。

あじさいの花が咲く頂上部まで、あじさいの花を縫うように遊歩道が造られ、それぞれの角度や、手に取るように身近な場所からアジサイを鑑賞できる。

上部から流れ落ちてくる水が溜まると、竹筒が反転し定期的に「カコン」と音を発生し、庭園の情緒を高めてくれる。

これは、東屋方向から小高い丘一面に咲いているアジサイの花を、かき分けるように遊歩道の側に造られた添水(そうず)の装置である。

添水(僧都、そうず)は、水力により自動的に音響を発生する装置で、竹筒の中央に支点を作り、上向きになった竹筒に水がたまると、

その重みで竹筒が頭を下げ、竹筒の水がこぼれる。 竹筒が空になると、その反動で竹筒が元に戻り、下に置かれた石をいきよいよくたたき、音響を発生させる仕組みである。

日本庭園やお寺などで良く見かける。「ししおどし」ともいわれている。

大木の森林委囲まれ、小高い丘一面に咲くアジサイの花

あじさいの花が咲く、小高い丘の頂上部から東屋方面のアジサイ園の眺望

小高い丘の頂上部から東屋方面のアジサイ園の眺望

小高い丘の部分からのアジサイ園の眺望、川の側では若い女性たちが戯れている。

あじさいの鑑賞を終えた後、私たちはあじさい園からの階段を少し登り、駐車場方面に帰って行く。

帰路についた道路の脇には、子供たちが喜びそうな遊具が見えてくる。 中でも滑り台には、その長さに驚かされる。

秋になると、池周辺のもみじが真っ赤に染まり、美しい風景を醸し出してくる「かえで池」

 

さらに道路を進んで行くと、左下には池があり、そのそばには、展望台が造られている。 これが、美しい紅葉で知られている「かえで池」である。

このように 蜻蛉池公園のアジサイを鑑賞した跡、新鮮な地元野菜の販売で有名な「愛彩ランド」に立ち寄って家路につく。

 

アジサイ園の鑑賞を終えたあとも、見事なアジサイが次から次へと頭に浮かんでくる。

私は10数年前に、弁当を持参しながら、何度も自転車で蜻蛉池を訪れていたが、このようなアジサイ園の記憶はない。

蜻蛉池公園のバラや、大池を臨む大回廊、広場、遊具などは鮮明に記憶に残っているがアジサイに関してはない。

今日、アジサイ園を訪れて、そのスケールの大きさや、日本庭園の趣向を生かして、アジサイを植樹していることが印象的で、

多くの種類のあじさいが、数多く色とりどりに咲いている光景は圧巻である。

 

入口近くには、多くのアジサイが植樹され「魅力UPプロジエクト」が進行中であるが、

個々のアジサイは、まだ若く小さく、数年後には、立派なアジサイに育ち、アジサイ園そのものをグレードアップすると思われる。

その時の、あじさい園の光景を想像し、楽しみにしながら家路について行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


清流日本一・仁淀ブルーの安居渓谷(仁淀川=高知)

2016-06-10 14:12:44 | 思い出

 2016年5月5日(木)晴  かつてNHKで仁淀ブルーとして報道された安居(やすい)渓谷(県立自然公園)を目指して妻と二人で出かけて行く。

私たちは、現在、大阪に住んでいて、年に2~3回、先祖の墓参や掃除のために、実家のある高知県佐川町に帰省している。

実家は現在、空き家であるが、今回は半年ぶりの帰省である。

ゴールデンウイーク中であることから滞在期間もながく5泊6日を予定している。

実家のすぐ下には仁淀川の支流である柳瀬川が流れ、子供の時から魚とりや水泳など、大変思い出深く、親しみのある川である。

地元では柳瀬川とは呼ばれず尾川と呼ばれ、川名が地名にもなっている。

柳瀬川は、佐川町を流れ、越知町で本流の仁淀川と合流する。 その後、伊野町、土佐市、高知市へと流れ、土佐湾(太平洋)に注いでいる。

仁淀川(によどがわ)は、国土交通省の発表によると、全国一級河川の水質ランキングで、平成24年、25年、26年、27年に第1位を獲得している。

私たちの行こうとしている安居渓谷は仁淀川の支流である安居川にある。

仁淀川の本流は、その源を西日本最高峰で、愛媛県にある石鎚山(標高1982m)におき、愛媛県から高知県の7市町村を経由して土佐湾(太平洋)へと注いでいる。

流路延長124km、流域面積1560平方kmの清流で、四万十川(しまんとがわ=全長196Km)、吉野川(よしのがわ=全長194Km)と並ぶ四国三大河川の一つである。

仁淀川源流の石鎚山(標高=1982m・2011年7月撮影)愛媛県久万高原町の面河川(おもごがわ)から仁淀川に流れ太平洋に注ぐ。

仁淀川山系の瓶ケ森(かめがもり=標高1897m)UFOライン(2013年8月撮影)

石鎚山を背景に伸びる全長27kmの町道、標高1,300m~1,700mを走るルートで、仁淀川山系の山々が抜群の眺望で臨める。

 

私の実家のある佐川町を流れる柳瀬川沿いの県道を5~6分程走行すると国道33号に出る。

国道33号は高知と松山を結ぶ主要国道である。 

この国道を松山方面に走行して行くと、すぐにトンネルがあり、越知町中心部に下って行く。

越知町は高知県の中西部に位置する自然豊かな町で、町の中心には、仁淀川、坂折川、柳瀬川の3河川が合流する場所にある。

越知町の中心部には、商店や住宅が立ち並んで賑わっている。

越智町は、コスモスの名所でもあり、近くには植物博士で佐川町出身の牧野富太郎が研究のためによく訪れていた 「横倉山県立自然公園」 が広がっている。

また、この地には、源平合戦の後、安徳天皇が逃れてきたという伝説も残っている。

美しい山間部の谷間を流れる仁淀川に架かる浅尾沈下橋(越知町=2010年8月撮影) 夏場には多くのアユ釣りの人達で賑わう。

沈下橋は、大雨などによる増水時に橋が流されないように、橋の両側に欄干を造らない構造になっている橋で、橋そのものが沈むことを前提として造られている。

 

私たちは、越知町を過ぎると、仁淀川沿いに造られている国道33号を松山方面に走行して行く。 信号機もなく、風光明美で快適なドライブを楽しめる道路である。

 

 安居渓谷は、高知と松山を結ぶ国道33号線、旧仁淀川町役場近くの交差点を、右方向の国道439号線を池川町方面に走行して行く。

走行する車窓からは、山の上空に山林や斜面を利用した茶畑などが広がって見えてくる。

南国土佐のお茶どころとして知られる仁淀川町  山の斜面を利用した茶畑が広がっている。

さらによく整備された道路を走行すると、山岳風景の中に開かれた街並みが見えてくる。 旧池川町の中心部である。

 

旧池川町の風景 道路脇には、「池川ふれあい公園キャンプ場」の施設の屋根が見え、安居渓谷のある安居川が流れている。

国道438号線と平行して流れる安居川と、川沿いにある 「池川ふれあい公園キャンプ場」、 夏場には多くの人たちで賑わう。

調理施設やトイレなども完備されており、夏には大勢の人達で賑わいをみせるようである。

さらに、このキャンプ場脇の道路(国道439号)を5分ほど走行すると、下記の安居渓谷の案内図があり、左方向に行くと安居渓谷である。

仁淀川の支流、安居川にある安居渓谷案内図

私たちは、国道439号線から安居川沿いを走る県道382号線の狭い道路を北上して行く。

そうすると左側の眼下に安居川千仞峡(せんじんきょう)と呼ばれる、安居渓谷屈指の切り立った絶壁が続き美しい渓谷美を見せている。

ただ、残念なのは、木の枝が伸び、少し見づらいことである。 時々車から降りて絶壁の眼下を流れる渓谷の眺望を楽しむ。

川幅の狭い安居渓谷の絶壁を清流が流れ、渓谷の美しさを見せている。

安居渓谷の絶壁の下には、段差の凹凸や、青みがかった、色彩豊かな岩場を真っ白い泡をたてながら流れ、際立った美しさを見せている。

 渓谷の眺望を楽しみながら少しずつ車を進めて行くと瀑布の轟音が耳に入ってくる。

 その個所には小さな駐車があり、その真向かいには広沢谷という支流があり、二段の滝となって安居渓谷の谷間に流れ込んでいる。

 

支流の広沢谷から安居渓谷に2段になって流下する見返りの滝

見返りの滝名には、「立ち去る時に思わず振り向いて、もう一度見たくなる」 ということから名付けられたという由来がある。

広沢谷から2段になって流下する 見返りの滝、この一帯は、断崖絶壁が続き美しい渓谷美を見せる「千仞峡」と呼ばれている。

美しい奇岩の谷間を透き通った清水が美しい渓谷美を醸し出している。

安居渓谷を流れる仁淀川の支流、安居渓谷は、流れる川の透明度の高い清流で、青みがかって見えることから「仁淀ブルー」とも

呼ばれ、NHKをはじめTV番組等で紹介されている。

色彩豊かな岩間を真っ白な泡を立てながら流れる安居渓谷の清流

美しい渓谷を流れる清流を楽しみながらゆっくりと走行していると、駐車場のある 「安居渓谷 宝来荘」に到着する。

目の前には、宝来荘の名前の由来になった宝来山が聳えたっている。

安居渓谷沿いに聳え立つ宝来山(標高=1051m)

渓谷の谷間に造られ、しっとりとした落ち着いた雰囲気が漂う「安居渓谷 宝来山荘」宿泊設備やバンガローなども整っている。

宝来山荘は地元の豊かな自然環境から、素朴な山の幸や、川の幸が味わえる人気のスポットになっているようである。

私たちは、愛車を駐車場にとめると、すぐにカメラを持って妻と二人で渓谷の散策に出かける。

安居渓谷の美しい清流の側に建つ宝来山荘、宿泊棟のほかにファミリーやグループに人気のあるバンガローの施設もある。

食事や宿泊もできる宝来荘の前を通り過ぎると、美しい渓谷をまたぐ紅い吊り橋の逢菜橋が架けられている。

新緑につつまれ、美しい山容を見せる宝来山と、渓谷を流れる透き通った清流が、岩場と緑と一体となって見事な風景を醸し出している。

渓谷沿いの遊歩道近くに咲いていたアザミの花, 何とも言えない紫色の美しさが伝わってくる。

紅い吊り橋の逢菜橋から上流側にある滝を撮影する。

私たちは安居川に沿った道を渓谷美を楽しみながら上って行くと、乙女河原という美しい河原に出てくる。

日本一の清流といわれる仁淀川、その支流である安居川の上流域にあたる乙女河原、新緑の山々と共に高い透明度を誇っている。

透明度の高い清流に、太陽の光や空の青さが入り混じって神秘的な色合いを見せる、これが仁淀ブルーと名付けられた。

仁淀ブルーは、時期的に8月中旬頃から1月中旬頃まで見られるようである。

従って、私が撮影したのは、今年の5月上旬である為に、仁淀ブルーの色とは時期的にずれている。

仁淀ブルーが良く見られる場所として、「にこ淵」 「安居渓谷」 「中津渓谷」が有名である(いづれも高知県)

仁淀川が 「仁淀ブルー」として、知られるようになったきっかけは2012年3月25日に放映されたNHKスペシャル 「仁淀川 青の神秘」からである。

2015年10月9日 日本TV系 「沸騰ワード10」 では、日本一の清流が生み出す奇跡の光景「仁淀ブルー」が紹介されている。

仁淀川の原流域には広大な原生林があって、豊富な雨と共に原生林から流れ出る川は、当然、透明度が高くなってくる。

安居渓谷の美しさは、清流のほかに、青みを帯びた美しい石がたくさんあり、これらが緑の森と共に、渓谷の美しさを引き立てている。

安居渓谷は、山と山に挟まれ谷間の絶壁を育みながら渓谷を形成しているが、乙女河原は渓谷内唯一の広い河原である。

この乙女河原は、訪れた人達の憩いの場として古くから親しまれている。

写真上部の橋を渡ると飛龍の滝へと続く遊歩道の入口になっていて、二つの川が合流している場所でもある。

河原には青い美しい色の石が、ころがっており、清流と共にその美しさを見せている。

川の中央では、母と娘が岩にすわりながら、渓谷を流れる清流を見たり、川水に触れたりしながら一時の余暇を楽しんでいる。

川底には色々な石や岩があり、清流とともに美しさを見せている乙女河原の流れ。

乙女河原からは小さな沈下橋が架けられている場所があり、その場所から支流に沿って10分程歩くと飛龍の滝がある。

透き通った清流が、小さな段差のある滝に流れ落ち、渓谷の情緒を一層高め、私たちを楽しませてくれる。

安居渓谷の支流にあるこの道は、原生林のような森におおわれ、朽ち果てた枯れ木が、横たわったり、枝間にあったりしている。

そういった状況が、まるで、もののけ姫のような雰囲気を漂よわしている。

こうした雰囲気のある川と森に囲まれた遊歩道を進んで行くと、目の前に乙女の像が見え、私たちを出迎えてくれる。

私たちを出迎えてくれる乙女像

乙女象の裏側には、 「乙女の象ー泉ーは山紫水明の地の象徴として、多くの方々の御好意により建立する」 と書かれている。

つまり、「この地は自然の風景が清浄で美しく、谷間に射す日の光の中で、山は紫にかすみ、川は澄みきった美しい所である」 の意である。

山の谷間にある渓谷には、大木が生い茂り、その緑の枝間が太陽光線を遮っているが、

青い色彩の岩や、石・清流が見事に調和し、美しい風景を生み出している。

奇岩の谷間を清流が流れ落ち、周辺の風景になじんでいる。 奥行きの木立のある風景から、もののけ姫の世界を感じさしてくれる。

緑と茶色い枝の幹、でこぼことした岩間から、幾筋かに分かれて滝のように流下している、美しい光景を見せている。

その先からは、安居渓谷のシンボル的な存在である 「飛龍の滝」 が見えてくる。

 落差25mの2段の滝、龍が身体をくねらせ飛び立つような姿から 「飛龍の滝」 との名前がつけられている。

滝の流下する水流が風を伴い、しぶきとなって少し離れていても私たちに向かってやってくる。

滝流独特の冷気が、滝つぼ周辺に漂い、この冷気がマイナスイオンを発生させ、心地よさを感じさしてくれる。

滝はひとつの流入口の岩場から、真っ白な泡を立てながら豪快に流下し、下の段差の部分にあたり、左右に分かれて滝壺に落ちてくる。

滝壺の右側には、小さな虹が発生している。

その前では、犬を連れた女性が、90度に右手を上に折り曲げて、写真のポーズをつくっている。

豊富な水量をもった滝が、途中の岩場にあたり、豪快に流下している光景は、まさに圧巻である。

清らかな清流が真っ白な泡を立てながら流下し、下の段から二つに分かれて、ひとつの滝壺に流下している飛龍の滝。

滝の側は、マイナスイオンが豊富に発生し、訪れた人達を心地よい環境の中においてくれる。

私たちを、暫くの間、豪快に流れる滝の姿を楽しんだ後、元来た道を駐車場の方に帰って行く。

日本一の清流として名高い仁淀川。

その支流にあたる安居渓谷県立自然公園の水や、渓谷の美しさは、私の想像以上の美しさであった。

この時期は、仁淀ブルーといわれる水色は、時期が違うようで見ることはできないが、

秋の紅葉した渓谷や、青い空などから想像すると目に浮かんできそうである。

また、違う季節に訪れてみようと、思いながら帰路について行く。