「子どもの貧困対策法」 参院選控え
生活保護削減のカモフラージュか
‥‥生活保護申請を絶望な
★17日、政府は生活保護費を切り下げ、
なおかつ生活保護申請を絶望的なまでに
難しくすることなどを盛り込んだ
法案を国会に提出した。
参院選を間近に控え
「子どもの貧困対策法」は
カモフラージュにも見える。
田中龍作ジャーナルより
「子どもの貧困対策法」 参院選控え
生活保 護削減のカモフラージュか
女性は4歳の時に父親が静脈瘤破裂で亡くなった。
あしなが育英会の奨学金で高校を卒業し、現在は専 門学校に通う。
=18日、渋谷 写真:田中龍作=
日本の子どもの貧困率は15・7%(厚労省2009年調査)で
OECD加盟国中でも高い 水準にある。
特に親が一人しかいない子どもの貧困率はOECD中、最下位だ。
遺児 の母親の勤労年収は149万円
(あしなが育英会調べ)という低さである。
貧しい家庭の子どもが就学を
諦めたりしなくても済むような制度の拡充が急がれる。
その基になる「子どもの貧困対策法」が、国会で大詰めを迎えている。
現在、数値目標をめぐって野党と与党・厚労省とがせめぎあっている。
数値目標とは、例えば
「子どもの貧困率を何年までに10%以下にする」
などと法律に書き込 むことだ。
野党が要求しているが、与党・厚労省は消極的である。
数値目標がなければ
「原発事故・子ども被災者支援法」と同じく空念仏となる。
社会福祉政策への出費を
一円でも減らしたい厚労省の望むところでもあるが。
「子どもの貧困対策法」のしっかりした
法制定を目指そうという集会がきょう、 代々木公園で開かれた。
(主催:なくそう子どもの貧困・全国ネットワーク
/ あしなが育英会 / 遺児と母親の全国大会実行委員会)
遺児家庭の母親である山本千賀子さん(北海道函館市)は、
上の子供が小学2 年、下が幼稚園の年長組の時に夫をガンで失った。
山本さんは女手ひとつで子ども を育てる苦労を切々と語った――
「(世帯の)収入が途絶えたにもかかわらず、
光熱費、家賃を払わなければならない。
市営団地に申し込んだが外れた。
探しても正規の仕事はなく、やっと歯科衛 生士のパートが見つかった」。
「いろんな環境で育った子どもが平等でありますように
“子どもの貧困対策法”の 制定を強く願っております」。
山本さんは祈るような表情で訴えた。
貧困は子どもの責任じゃない」「数値目標の設定を」
……シュプレヒコールが渋谷の街に響いた。=写 真:田中龍作=
岐阜県の高校3年生、藤井あずささんは5歳の時、
父親が不治の病に倒れた。以後 通院が続く。
一家6人を母親が支える。
「中3の妹は高校に行くつもり。
父親の医療費がかかり母親の収入だけでは大学 に行けそうにない。
(しかし)進学せずに就職しようと思っても就職は難しく、
今の貧しいままの生活になってしまう。
両親を本当に楽にさせてあげるには大学を出 て良い職について、
貧しい生活から抜け出すのが第一歩なのではないでしょうか。
一人でも多くの子どもが自分の夢を追いかけることが
できるような環境を作って下 さい」。
藤井さんは声を絞り出すようにして話した。
17日、政府は生活保護費を切り下げ、
なおかつ生活保護申請を絶望的なまでに
難しくすることなどを盛り込んだ法案を国会に提出した。
参院選を間近に控え「子ど もの貧困対策法」はカモフラージュにも見える。
「原発事故・子ども被災者支援法」と同じく議員立法であることから、
「子ども の貧困対策法」は政府の手厚いバックアップを得にくい。
しっかりとした予算措置 を伴った制度でなければ貧困は連鎖する。
子どもの顔が暗い国に未来はない。
田中龍作ジャーナルより
http://tanakaryusaku.jp/2013/05/0007122
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