古代から近代まで日本建築が歩んできたほ道を建築模型や資料で俯瞰する企画展「日本のたてものー自然素材を活かす伝統の技と技術ー」。
この展覧会は、東京国立博物館と国立科学博物館と国立近現代建築資料館で開催されている。
三館は展示としてはつながっているのだけど、会場としては会期も入館料もそれぞれ。
東京国立博物館・表慶館。


表慶館のテーマは「古代から近世、日本建築の成り立ち」。
会期は2020年12月24日~2021年2月21日。
入館料は一般で1500円。オンライン予約。
入ってびっくり!竪穴住居跡、神社仏閣、民家、茶室、城の大きくて精緻な模型がずらりと並ぶ圧巻。








襖絵までちゃんと描かれているじゃないの。




ただの模型ではなくてもはや芸術作品。
この模型を作る技が日本建築の土台と言えるのだろうと思う。
平成館には首里城の模型。


国立科学博物館。


国立科学博物館のテーマは「近代の日本、様式と技術の多様化」。
会期は2020年12月8日~2021年1月11日。
入館料は一般・大学生で630円の常設展入館料。オンライン予約。
こちらも精緻で大きな模型が並ぶ。









思わずキャン!と飛びついてしまったのは、国立第一銀行の模型。

今はみずほ銀行兜町支店の壁にレリーフを残すのみになっていて絵葉書等でしか見ることのできない、和洋折衷というか疑洋式というかユニークでインパクトあった私にとってみたら幻の建物があるのだった!

そしてトーハクとカハクの展覧会をつなぐ展覧会が国立近現代建築資料館。

入館料無料だけど、旧岩崎邸庭園側から入れば旧岩崎邸庭園の入場料がかかるけど面倒くさいから旧岩崎邸庭園から入る。



国立近現代建築資料館のテーマは「工匠と近代化ー大工技術の継承と展開」。
会期は2020年12月10日~2021年2月21日。予約はいらないけど受付で首から下げるカードをもらう。入館料は無料。展示の撮影は禁止。


この会場は資料展示。
開国してから瞬く間に西洋を取り入れた日本だけど、瞬く間に取り入れることができたのは、様式や基準等が西洋と違っていただけで、素晴らしい技術を持っていたからなのだ。
建築も今は大工というと個人宅を建てるイメージだけど、江戸時代の棟梁率いる建設集団はスーパーゼネコンだったのだ。
棟梁たちは、絵をみせられたり口頭で説明されたりのわずかな情報から独自の
創意工夫で西洋式の建物を作り上げたのだった。
コロナ禍で気持ちがどこかヤケクソになる時もあるけど、なんか、前へという気持ちになった展覧会だった。
