東京都現代美術館。
MOTアニュアル2023「シナジー、創造と生成のあいだ」開催中。
会期は2023年12月2日~2024年3月3日。
「MOTアニュアル」は1999年に始まり、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズ。
19回目の今回は、アーティストの想像力や手仕事による「創造」と、近年、社会的注目を集めるNFTや人工知能、人工生命、生命科学などのありようを反映するかのように自動的に生まれる「生成」との間を、11組のアーティストによる約50作品を通して考察する。
という。
Zombie Zoo Keeper(2012~)は、8歳の夏休みに、自由研究として母親とNFTアートプロジェクト「Zombie Zoo」を始動し、タブレットアプリを用いて「ゾンビ×動物」のドット絵を制作。NFTアーティストとして注目を集めている。
石川将也/杉原寛/中路景暁/キャンベル・アルジェンジオ/武井祥平。
多様な領域で活躍する作り手たちが、コンベアに乗って近づくゲートをくぐって自在に動く3つの四角と、アニメーション上のみ見えるゲートに合わせて動く1つの四角で構成された、CGやコマ撮りの動きを思わせる装置を作成。
この展覧会では、アニメーション上にしか見えてないゲートに合わせようと健気に動く四角を通して、見えない「ルール」の存在に気付く。
市原えつこ。
市原えつこ(1988~)は、日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を提示する。
この展覧会では、ディストピア時代の美食を描く。
2020年パンデミック時代。
2050年大ヤギ信仰時代。
2080年資源・食料枯渇時代。
パンデミックが収束しても、地球規模の気候変動や天変地異や戦争に苛まれる。
今はまだなんとか理性を保っている感じだけど、いつまで頑張れるや?
2050年にはそんな荒唐無稽な信仰を基盤とした社会になるやもしれぬ。
今のままの人口がいままのままの価値感のまま傍若無人に営んでいったら、2080年に資源も食料も枯渇することは十分にありうる。
でもな。私はそんな時まで生きてないわ。市原だって。
とか思って引き算してみたら、2050年の私は80代だ。2080年の市原は90代だ。
私たち世代以降はもう私たち父母の時代のように長生きができるかどうかはわからない。たぶん私は2050年までは生きてない。それでも、生きてる可能性がある同世代がいるかもしれないと思うと、どこかゾワとするのだった。
友沢こたお。
友沢こたお(1999~)は、スライム状の物質と人形・人間という有機的モチーフが絡み合う独特な質感の油彩を描く。実験音楽ユニットを結成したりのアンダーグラウンドカルチャーを含む多様な領域を往来する。
友沢は予感してるのか予言しているのか現実なのか・・・
なんぞと思いながら会場を後にした。