朝に珍しく、珍しくというより直接は初めてかも、義兄さんから電話があった。バレンタインあたりに入院・手術とのこと。
チョコレート持って立会いの要請かと思ったら、他県在住者だから立会いをしてもらうわけにはいかないけど、手術日は一日中連絡をつくようにお願いしたいとのこと。
義兄さんはとうとう独り身のまま老いてしまったのだ。
手術日のスタンバイはいいのだけど。
義兄さんから見れば私は猫の尻尾の更に先っぽ。
今までは何があっても私にまではお声がかかってはこなかった。
とうとう私に来たということは、義兄さんの周囲はかなり寂しくなってしまったんだろうな。。。
ま。
銀座で義兄さんが好きそうな見舞いを選んだ。
やれやれと銀座駅へもぐりこむ。
あ・・・
メトロ銀座ギャラリーの前で足が止まった。
しばらく学生さんたちの展覧会が続いていたけど、また美術家諸氏の展覧会になっていたんだ。
メトロ銀座ギャラリーは、東京メトロ銀座駅のコンコースに2020年10月にオープンした小さな小さなギャラリー。
「METRO ART PASSAGE」。
主催:公益財団法人メトロ文化財団。
第一回:2021年11月22日~2021年12月18日。
小見拓。カツノユキコ。澤田志功。
第二回:2021年12月20日~2022年1月22日。
相澤久徳。長谷川登。帆足枝里子。
第三回:2022年1月24日~2022年2月26日。
雨宮弥太郎。KAZUKO(斉藤和子)。浜田修子。
今までは入れ替えのたびに楽しませもらっていたんだけど、今回は第一回と第二回を見逃していた。というか、たぶん心が上の空だった。
「-あいまいな距離感-」:浜田修子。
「やわらかな風景」:KAZUKO(斉藤和子)。
「かなた・こなた」:雨宮弥太郎。
全部いいな。全部いい。とってもいい。
私の心がそこかしこに浮かんでは消え消えては浮かぶ。
そして、美術館にも気楽にふらりと立ち寄れない状況下に置かれると、本当に嬉しい。
それにしても、義兄さんはなんで結婚しなかったんだろ。
穏やかなインテリだけど一人で世界一周するほどの胆力も持つ。
やっぱりあれだ、腹が出る前に髪がふさふさのうちにが勝負だったんだよとかわけのわからぬことを思う。
でもな。
年を取ってくるということは、仮に配偶者がいても元気とは限らない。子供がいたとしても一番仕事や生活に追われる年代だ。
どんな人生を歩んできたにせよ、やがてはまだ動ける者同士が助け合っていくというものだろう。
新しいソニーパークはどんな風になるんだろ。