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愚かさは尊い ・・・ 1.逸話(エピソード)

2010-12-04 06:00:05 | Weblog
チューラパンダカよ

汝おのれの愚かさをおそれ悲しむことなかれ

                    (増一阿含経)



 チューラパンダカは釈尊の弟子のなかでいちばん知恵のおくれた人でした。彼は兄のマハーバンダカといっしょに弟子になったのですが、どうも記憶力が悪くて、ほかの500人の弟子とともに三年間も教えをきいたけれども、一つの聖句(ことば)すら暗誦できませんでした。

 仲間は彼をさげすみ、兄までが
「お前のような頭の悪いやつは、とても仏道修行などで気はしない。今のうちに家へ帰れ」
 と叱るしまつです。チューラパンダカは自分でも記憶力の悪いことはわかっている。しかし、だからといって三年もたっておめおめ家には帰れない。彼はぼんやりと祇園精舎の門外にたって泣いていた。

 ちょうどそのとき釈尊が自分の部屋から出て門外にこられた。チューラパンダカが泣いているのをみて
「なにが悲しくて泣いているのか」とたずねられた。彼は兄にいわれたことをつげました。釈尊はあわれの思い、次のことばをはかれたのです。
「汝おのれの愚かさをおそれ悲しむことなかれ。わが至りしさとりの道は汝が兄の導きによらざるなり」
 兄さんに教えてもらうわけではないんだよ、私がお前を導いてあげるのだ。
そういって釈尊は一本の箒(ほうき)を与え ・・・


「 この箒にて、塵をはらわん 垢(あか)のぞかん。

  汝のこのことばをくり返し誦(とな)えよ 」

    ・・・ と指示されたのです。



* 2010.11  東ブータンで

 


 

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