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父親の威厳 ・・・ 9.威風あたりを払って

2011-02-28 06:00:54 | Weblog
むかし 松田道雄さんが色盲親子の話を書いていました。


ある日 子どもから

「ぼく色盲だって校医さんにいわれたよ」と聞かされた父が

  ショックをうけながらも

昂然として人生を闊歩する人間の姿を息子にみせつづけた

  ・・・ という話です。


色盲は男性系統を通じて遺伝することを

  そのお父さんは承知していたから 悩みもし苦しみもしました。

しかし

自分は ある種の色の見わけがつかなくても

  少しも困らない職業をえらんでりっぱに生活している。

それを堂々と息子に見せてやることが

  子どもへの最大のはなむけだ と父親は決心したのです。


「人生は 赤と緑との区別にくらべれば無限に広いのです」

  松田さんは そう書いています。



これが父の心です。

ショックをはねのけて 背筋をのばして進む。

威風あたりを払って歩む。


父性は威厳をもってはじめて花を開き

  ・・・ 次代を継ぐ子供に剛毅 ・ 独立心の実を結ぶのです。




* 2010.11  東ブータンで





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