気の広場

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褒めるにしても叱るにしても ・・・

2009-12-30 03:51:27 | Weblog
 春ちゃんがお兄さんの絵をクシャクシャにしたとか、夏ちゃんの絵にクレヨンをメチャメチャにぬってしまったとかで叱られていましたが ・・・ この原因はお母さんです。

 五週間前 春ちゃんは一人で楽しそうにいろいろな絵を描いていました。
他の子供に見せるためでもなければ、他の子の描いたものと比べるためでもありません。ただ描いていることそのものが楽しいらしく、描いた紙には興味をもちません。ただ一心にクレヨンを動かして、いつになっても飽きることがありません。
 文字通り一心不乱、三時のおやつすら食べないで傍らにおいたままのこともしばしばありました。

 それをお母さんが、何気なしに「上手に描けたね。なかなかうまい」と描かれた紙を手にとってニコニコしながらいいました。
 ・・・ その時から春ちゃんの興味は、描くことから描かれた紙に移ってしまったのです。

 それ以来春ちゃんは、上手に描こうとしだしました。
 結果のために行動するものは疲れます。上手に描こうとすると、描いていることが疲れます。それを忍んで褒められるように絵を描こうと努力しだしました。春ちゃんの描くことの楽しさは苦しさに変わり、それ故努力の結晶である描かれた紙を大切にするようになり、描いた絵は必ず他の子の出来栄えと比べ、大人の間をもって廻って、褒められないと気がすまなくなってしまったのです ・・・ 大人が子どもの楽しさを奪ってしまったのです。

 しかしお母さんは、二、三回は春ちゃんの絵を楽しそうに眺めておられたが、あとは飽きたのかあまり気を入れて見なくなってしまったのです。

 大人の間では当然のことも春ちゃんには大問題です。
はじめあのように褒められた自分の絵が、お母さんは気を入れて見てくれません。自分の絵が下手だったのではなかったか、そう考えるようになると急に他の子の絵が気になりだしました。

 秋クンはお兄さんだけあって春ちゃんよりはるかに上手です。
そのことが春ちゃんにも判ったのでしょう。アキくんが描いている紙へ不意にクレヨンで棒をひいたり、出来上がったその絵をクシャクシャまるめてしまったり、その画くことを妨げたりするようになりました。


 ・・・ お母さんは、それを叱るより、奪った春ちゃんの楽しさを早く返さなくてはいけません。
              (続・褒めるにしても叱るにしても ・・・ へ)






 

 

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