チェリンはアイスコーヒーを飲みながら、イミニョンが自分の男だとユジンに見せつけて、しかもイミニョンの心をよりがっちり掴む方法を考えていた。十年来の復讐にワクワクしてきた。
まず、高校でヨングクがやる婚約式に2人で劇的に登場、ユジンはじめとしてあのお人好しな4人を唖然とさせてやることにした。
チェリンは、当日これでもかと最新のファッションと髪型に身を包み、ミニョンより先に高校に到着した。そして、みんなが和んだところで、30分遅れで待ち合わせしたミニョンを登場させた。そのときのユジンの顔ったら。幽霊を見たように真っ青だった。他のみんなも、ポカンと馬鹿みたいに口を開けていたっけ。ああ面白かった。
もっとも、ミニョンがなぜみんなあんなに驚いていたのかと予想外にしつこく聞いてきたのは計算外だった。
でもよりによって、ユジンがミニョンと一緒に働くことになったのは、嫌な予感しかしなかった。ミニョンは、ユジンのことを嬉しそうに話していた。好感を持っているのは明らかだった。今度はサンヒョクを揺さぶることにした。職場に行って思わせぶりなことを話したり、デートで鉢合わせをしたフリをして、一緒に2人が働いていることを暴露してやった。サンヒョクの傷ついた顔を見て、仕事を辞めろと言うと思ったのに、ユジンに続けろと言うなんて、ここぞと言う時に間違った選択をする。サンヒョクへの作戦は失敗だった。
第三弾として、ユジンがいかにチェリンにライバル意識を燃やしていて、なんでも真似すること、高校生の時に好きな人まで真似したことを嘘八百泣きながらミニョンに並べ立ててやった。
ミニョンは少しいぶかしむ様子だったけれど。でもミニョンが買ってくれたドレスと同じ物をもう一着購入して、それをチンスクに、親友のためだから購入してパーティーでユジンに着せたら、とけしかけた。チンスクはものすごく感謝して持って帰ったのよね。本当に単純。ミニョンは、ユジンが同じドレスを着ているのを見て、わたしのドレスを真似したと嫌悪感を露わにしていたっけ。わたしは、傷ついたフリをして泣いてみせたりして、みごとにユジンを陥れることに成功した。良かった。
極め付きはユジンが男遍歴が激しいことを匂わせて、いつも男を落とす手段が、「初恋の人に似てるんです」だと吹き込んだこと。どんな手を使ったのか、ユジンはミニョンの部屋まで行くことに成功したらしい。私だって行ったことがないのに。そこで、チュンサンのことを持ち出したらしいけど、、、ユジンの手帳が落ちていなかったら分からなかったわ。泥棒猫め。思いっきり引っ叩いてやったわよ。
それにしても、ミニョンとユジンが仕事とは言え、親密すぎる。これだけ画策しているのに、仕事場に会いに行くと見つめ合って真剣に話をしていることが多い。何か不吉な予感がする。チンスクをうちの会社に雇って、色々聞き出すことが出来て良かった。チンスクは、ユジンとも一緒に住んでるし、みんなと仲良しだから、全部情報が筒抜けなんだもの。
この恋を諦めるわけにはいかない。
どんな手を使っても成就させてみせる、チェリンは心に誓った。