皆様こんばんは。お久しぶりです。
画像をお借りしてます。
新年度が始まって2ヶ月弱。おかげまさまで新しい部署での怒涛の期間も過ぎて、やっと慣れてきました。椎間板ヘルニアもやっと90%はもとに戻っていたんですが、完治までちゃんと仕事を休めなかったのが災いして、さらに異動のため無理したのがたたって、再発気味です、、、。何とかなるといいんですが。
あとさまざまなことからメンタルが落ちていたのですが、腰の回復と仕事の落ち着きとともに極度の不安から解放されるようになりました。
一部コメントが返せていません。申し訳ないです。本当にありがとうございます。
この四月で娘は中学生に、息子は三年生になりました。娘は思春期になり、成長が感じられます。娘とは好きなものが共通していていろいろ楽しいです。
わたしは平家物語の冒頭が大好きなんですが、娘は小学生のときからこのフレーズを繰り返し暗唱しています。
世の中の栄えし者もいつかは滅びてゆく、
まるで春の夢のように儚くこの世は移り変わってゆく
小さな頃から世の中の無常に興味があったので、このフレーズを聞いたとき、日本語の美しさと繊細さに感動したのを憶えています。
祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
最近平家物語の新訳をベースにしたアニメが放送されていて、娘はそれを夢中で観ています。800年以上前の話なのに、今観ても新鮮です。それは今の世界の状況が今もなお同じだからでしょう。
人が人を殺めて傷つけ合う。そこに勝者はおらず、ただ残るのは虚しさだけ。
表面化する世界の分断と混沌とした不透明な未来。
ある日突然大切な人が事故や事件に巻き込まれて、さよならも言えずに迎える永遠の別れ。
新型コロナウイルスによる終わりの見えない戦いと閉塞感。
自ら命を絶つ人が後をたたない悲しい連鎖。
娘が平家物語を好きなのも分かる気がします。
このアニメの主題歌は「光るとき」で羊文学というロックバンドが書き下ろしています。その曲の世界感と哲学的なところが好きです。内容は平家物語の冒頭を今風に書いたものだと思います。以下歌詞です。
あのあの花が咲いたのは、そこに種が落ちたからで
いつかまた枯れた後で種になって続いてく
沙羅双樹の部分を歌っています。花が咲き散ってゆくからこそ美しい。
君たちの足跡は、進むたび変わってゆくのに
永遠に見えるものに苦しんでばかりだね
永遠を願い望むから世界は苦しくなる。変わりゆくことを認めればもっと楽になれるのに。
荒野を駆ける この両足でゴーイング ゴーイング
それだけなんだ明日へ旅立つ準備はいいかい
そこで戸惑う でも運命がコーリング コーリング
呼んでいるならば、全てを生きてやれ
どうせ荒野を駆け抜けなければいけないなら、全力で生きてやれ。
何回だって言うよ、世界は美しいよ
君がそれを諦めないからだよ
最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても
今だけはここにあるよ 君のまま光ってゆけよ
平家のように滅びゆく運命は決まっているのかもしれない。いずれはだれもが「死」を迎える。でも「今」を生きることで人生は光り輝く。諦めない気持ちがあれば、どんな世界でも美しく感じる。
あの花が落ちるとき、その役目を知らなくても
側にいた人はきっと分かっているはずだから
散った花は自分の生きた意味を知らなくても、生き様を見守った者の中に、その種は息づいている。
海風を切る 胸いっぱいにゴーイング ゴーイング
息をするんだ今日を旅立つ準備はいいかい
ときに戸惑う 繰り返すんだコーリング コーリング
聞こえてるならば、全てを生きてやる
さあ、今を生きる勇気を出して「今日」に踏み出そう。準備はいいかい?
何回だって言うよ、世界は美しいよ
君がそれを諦めないからだよ
混沌の時代に、泥だらけの君のままで輝きを見つめていて
悲しみに向かう夜も、揺るがずに光っていてよ
混沌とした先の見えない時代にもがき苦しんでいるわたしたち。そのままの無様な姿で凛と立ち続けよう。例え悲劇に向かう運命だとしても抗わずに懸命に進むだけ。最期の瞬間までひたむきならば、世界は美しいから。
いつか巡ってまた会おうよ
最終回のその後も
誰かが君と生きた記憶を語り継ぐでしょう
例え肉体が朽ちたとしても、生き様は後世の記憶の中で生き続ける。そうして、平家物語のように800年以上の時を越えて、人の心を揺さぶる。例えそれが悲劇的な最期だとしても。だからまた巡り巡ってここで会おう。
いつか笑ってまた会おうよ
永遠なんてないとしたら
この最悪な時代もきっと続かないでしょう
何事にも永遠がないのだとしたら、戦争やウイルスにまみれた最悪な世の中もまもなく終わるでしょう。栄えし者は滅びて新しい世の中になる、、、。喜びが思い出の彼方に行くように、悲しみや苦しみも和らいでいくのだから。例え、新しい時代が新たな困難の始まりとしても、希望を見いだすことが出来れば、世界は美しいから。
君たちはありあまる奇跡を
駆け抜けて今をゆく
生きてること奇跡の積み重ねなんだ。ほら、駆け抜けていこう。
ちなみに黒字が歌詞で、赤字がわたしの勝手な意訳です。
この歌を聴いていると諸行無常、つまり「この世の万物は常に変化していて、ほんのしばらくもとどまることがない」という考えの中にも、世界をありのままに受け入れて、なおも前向きに生きていくことができるような希望の光を感じることができます。ニュースを観てると、暗い気持ちになりがちなので、時々聴いてリフレッシュしてます。大河ドラマで源氏を、平家物語で平家を、それぞれの生きざまがあることを楽しむのもいいのかなと思っています。とりとめのない文章ですみません。よい週末をお過ごしください。