一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

大規模修繕工事

2025年02月09日 | 最近のできごと
 またしても大規模修繕工事。マンション居住の宿命。
 と言っても、現在居住のマンションでは初めて経験する工事である。
 入居した時から理事会の報告書で毎回、それについての記載があったから、工事が始まることはわかっていた。
 1回目の大規模修繕工事は築10年目。大半のマンションが築10年から15年で工事するらしいが、15年が多いようだ。以前、居住のマンションは、築15年目の時に行われた。2012年の春だった。外壁にドリル使用がある日の騒音は、どの部屋にいても轟音に感じられる凄さだったと、このブログに書いてあるのを見て思い出した。
 その工事が始まって数日後の夜、エントランスで前理事長さんと出会った。私は新宿から帰宅したばかりで、まだ集合ポストから郵便物を取り出していなかった。
 出かける時にエントランスでチラッと眼にしただけのモニター掲示板を見ながら、少しお喋りした。モニター掲示板は工事の施工会社が作成したのである。
「もう工事始まってますよね。あまり騒音出ませんね」
 そう言ったのは、開始日になっても、騒音がないので、
(きっと大規模修繕工事が進化して、騒音が出ない工事法になったのかも)
 なんてノーテンキに考えたりしていたのだった。
「いや、壁をはがす時なんか、かなりの騒音がしますよ」
「そうなんですか、それもそうですね」
 内心、勘違いが恥ずかしくなった。進化して騒音が出ない工事法なんてあるわけがない。遠い未来なら、あるかもしれない。
 モニター掲示板をここで読むより、自宅でまとめて読もうと思い、スマホでモニター画面をカシャッと撮ったら、
「ここをクリックすると詳細が読めますよ」とか、「このQRコードからWeb掲示板が見られますよ、ログインのパスワードはチラシに載ってます」
 などと、前理事長さんが教えてくれた。
「ポスト、まだ見てなくて」
「ああ」
「今回が2回目の修繕工事ですよね」
「そうです。1回目は10年だったけど、また10年は少し早いかなということで、今回は12年目になったんです」
 理事会の話し合いで決められたことだが、そのことは記載されていなかった。
「このマンションは修繕費がずいぶん溜まってるから余裕があるんですね」
 内見前に不動産営業担当者とパソコンを見ながら資料の検討を、電話でしていた時、表示された金額の多さに2人とも驚いた。入居後も、理事会の収支報告書で確認したことだった。
「最初から駐車場料金をプールしてたからなんです」
 前理事長さんがうれしそうな笑顔で言った。だからなのねと納得した。毎月の管理・修繕費が高いわけでもないのにと不思議だった。駐車場料金が修繕費にプールされるのは一般的だが、敷地の広さと駐車台数の違いがあるのは当然だった。
 他にも少し雑談した後、集合ポストから郵便物とグリーンのチラシ3枚を取り出し、不要なDMを近くの壁際の屑入れに捨てた。
 階数の違う前理事長さんが私のためにエレベーターのボタンを押してくれた。私は礼を言ってエレベーターに乗り込んだ。ボタンを押してチラシを見ると、モニター掲示板に表示されていたのと同じようなことが記載されていた。
 たとえば、足場組立工事とか植栽工事のお知らせというタイトル。足場組立工事作業期間は約1か月。作業時間は午前8時半~午後5時半。〈お願い〉として、〈作業中は騒音・振動・ホコリが発生します。予めご了承ください。〉とか、植栽工事のタイトルでは、足場の仮説に伴い、一部植栽を撤去いたします。何卒ご了承ください。作業中は何かとご不便をお掛けいたしますが、ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。撤去した植栽は足場解体後に植え替えを実施いたします。等々。
 問い合わせ先に施工会社、現場代理人2人の名前とそれぞれの携帯電話番号も記されているが、〈グリーンのチラシを毎日ポストに入れます。〉と読んだ時、
(毎日、集合ポストからチラシを取り出さなきゃいけないの)
(またはエントランスの壁際に立てかけてあるモニター掲示板を見に行かなくちゃいけないの)
 夏と違って冬の外出は2日置きか3日置きの習慣だから、面倒だわと思った次の瞬間、
(Web掲示板を見ればいいわ、同じことが書いてあるんだから)
 そう気づいた。
 翌日、チラシに記載のWebサイト名とマンションコードとパスワードを入力。
(Webサイトを作るなんて、ずいぶんていねいな施工会社ね)
 専用の特設サイトかと思ってアクセスしてみたら、そうではなかった。
 マンション修繕工事をDX化するという、集合デジタル掲示板なのだった。
(ふうん、こんなサイトがあるなんて)
 DX化って何? と検索して調べた。デジタルトランスフォーメーションのことで、ITの浸透によって、人々の生活を利便性の高いものに変化させるという意味と知った。
 その日の日付の○月○日の作業範囲・作業予定・工事内容など6項目が表示され、それぞれクリックすると、詳細や図面が表示される。
 エントランスの掲示板モニターを見にいかなくてもすむということなのだ。
 以前のマンションの大規模修繕工事の時は、集合ポストにチラシは同じだが、エントランスの掲示版に、データ入力のプリントが貼られていたのを思い出し、進化というかデジタル化の便利さを感じた。
(外壁の騒音の日は外出しようっと)
(あの凄い騒音には耐えられない)
 修繕工事の概要などが記載された理事会報告書に、工事期間の記載があり、約5か月と知った時は、
(半年近くってことだわ!)
 と、驚きと同時に憂鬱になった。以前のマンションの時は4か月で、とても長く感じられた。それより、さらに1か月も長いことになる。工事の騒音は仕方のないことだが、苦手で嫌い。
(12年前の時と同じように、新国立劇場のビデオ・ブースでオペラを視聴しに行こう)
(当日の公演チケットが買えたら、オペラを観てこようっと)
(でも、公演のない日や、ビデオ・ブースのある情報センターが開室日でなかったら)
(東京オペラシティに行ってみよう)
 新国立劇場も東京オペラシティも、行くのは久しぶりである。建物を眼にしただけでワクワク気分に包まれてしまうことを思い出して楽しくなった。
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