一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

セクハラ男

2000年05月20日 | 女のホンネ
 恋人でも愛人でもない男女が一緒に食事したりお酒を飲んだりするのは、ワクワクするような時間である。酔えば甘い気分に包まれて、どんな素敵な夜になるかわからない。
 ただし、相手によっては、この上なく悲惨な夜になってしまうこともある。
 以前、私は、途中で、もう、その人と一緒に飲むのが嫌になって帰って来てしまった。
 もう時効と言っていいできごとだが、仕事をあげるからホテルへという意味のことを言われた時は愕然とした。
 私は仕事より、自分の身体のほうが価値があると信じているので、肉体を代償に仕事を貰うなんて絶対に嫌。
 それで、もう一緒に飲む意味はないと思い、
「ここで失礼します」
 と、礼儀上の言葉を口にしたのである。
「気をつけて」
「はい。どうもごちそうさまでした」
 そんな挨拶を交わして、店を出た。
 帰宅した私を待っていたのは、留守電テープにメッセージを吹き込んだその男性の声だった。
 私は驚愕し、恐怖と不安に怯えるあまり、ガタガタとふるえ出しそうになった。
 正確にはメッセージではなく、一方的な怒鳴り声である。
「早く電話に出ろ! いるんだろう、バカ! なんで最後まで付き合わないで帰ったんだ! お前なんか死ね! 殺すぞ!」
 その後、ガチャリと切れて、また、かかってくる。
「もしもし、お家に着きましたか? 何してるんですか? 電話に出て下さい。もしもし、もしもし、いるんでしょう? いるって、わかってますよう」
 と、最初は、ていねいで、次第に怒りの声の、
「バカ、死ね、殺すぞ」
 の言葉の繰り返し。
 切れては、またかかり、それが延々と続くのである。
 私は留守電をセットしたままにしておいた。とても怖くて、電話に出られるものではなかった。
 全部で9本。2時間半もである。
 彼が怒り狂っているのは、私が帰る少し前に、彼のセクハラ言葉を拒絶したからであり、癪(しゃく)でたまらないのだとわかっていた。
 その後、彼によって、私は、ある嫌がらせを受けた。仕事の上で決定権を持っていた彼は、全く見事な方法で(と言いたくなるくらい!)嫌がらせをしたあげく、彼の要求を拒んだことを後悔しているだろう、と電話で笑って言ったのである。
 私は惚れっぽい性格でも、好きではないタイプの男性とホテルへ行くなんて絶対に嫌、死んでも嫌である。似たような経験は、仕方のないこととはいえ、他にも何度かあった。
 セクハラ男というのは、自分の魅力のなさを証明する行為をしていると気づいて欲しい──と、つくづく思った。
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