Kitten Heart BLOG -Yunaとザスパと時々放浪-

『きとぅん・はーと』でも、小説を公開している創作ファンタジー小説や、普段の日常などの話を書いているザスパサポーターです。

お知らせ

encounter 目次
異世界に迷い込んでしまったリリーと、そこで出会った鍛冶屋ガトーとの短編小説。

「パスク、あの場所で待っている」 目次
親友との約束を果たすため、騎士団入りを目指す長編小説。



きとぅん・はーと
母屋でもファンタジー小説をやっています(HTMLのサイトです)。

Last Kitten Heart friends
異世界系ファンタジーで友情的な話。現在61話(2020年7月14日現在)。

Short×Short cake
短編小説集。ファンタジー以外もあり。


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Kitten Heart BLOGでは、2024年以降の記事も「ザスパ群馬」ではなく、正式名称の「ザスパクサツ群馬」を採用しております。ご理解くださいますようお願い申し上げます。

【小説】「パスク、あの場所で待っている」第43話

2020年04月22日 06時20分12秒 | 小説「パスク」(連載中)
 しかし、いきなり敵討ちって……。いったい、なんなんだ。 「お前が来るのを待っていた!」  上半身ほどの大きさの大剣を構え、こちらを睨み付ける。 「敵討ちって……誰のだよ。そもそも、お前は誰のだよ!」 「名前くらいは、教えてやろう。ミタチア・オイトだ」  知らないな……。『兄貴』の敵となると、キョウコはまず違う。冗談で復讐に来たくらいだし。年齢的にオレとさほど変わらないところを見ると、若造のムギで . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第42話

2020年04月15日 06時41分54秒 | 小説「パスク」(連載中)
「あのばばあ。せっかく書いた書類、いちいちケチつけるんだもん」  結局、コトミの愚痴を聞かされる羽目になった。  タトリーニとの対戦翌日、荷物をまとめると、対戦相手を求めて東の方へ旅に出た。  交代があるので四六時中ではないが、時折現れてはコトミの上司の愚痴を打ちまけていた。 「永遠に話し続けて、説教が終わらないだもん。嫌になってくる……」  その愚痴を、永久に聞かされるオレの方が嫌になってくる。 . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第41話

2020年04月08日 06時03分29秒 | 小説「パスク」(連載中)
「お前の負けだよ」  剣先をタトリーニに向けて言い放った。 「くそっ……」  背後に刺さる己の剣を見て、気を落としていた。 「師匠がアレだから、勝てると思ったが……」 「アレと一緒にするな!」  最後になっても、嫌なことをいうやつだ。 「しかし、今回は調子がいいという、噂は聞くがな」  オレにとってはどうでもいい情報。会う気も無いから、当たらないように避けている。  タトリーニは、自身の剣を取りに . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第40話

2020年03月11日 06時02分33秒 | 小説「パスク」(連載中)
 剣が交わると、再び打ち合いとなる。 「そのうち、楽に終わらせてやる」 「その自信が過信だったことを、思い知らせてやるよ」  平坦な場所に移ってからは、攻勢を強めてきたタトリーニ。 「さっきは、よくも恥ざらしにしたな!」  ああ、風呂での一件か。滑稽で楽しめたがな。  一気に間合いを詰められ、息もつかせぬ攻撃が続く。オレも対応するが、さっきより早い。 「やっぱり抑えていたか……」 「ああ、お前を確 . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第39話

2020年03月04日 06時07分39秒 | 小説「パスク」(連載中)
 おちゃらけていると思っていたタトリーニは、攻撃の本気度を増してきた。  山を利用した戦術をとり、打ち合いとなった。 「さっきの攻撃は、たまがったな!」 「人が作った風呂を荒らしやがって! もうちょっと叩かれろ!」  のんびり風呂に浸かっているところへ、奇襲をかけたことを根に持っていた。勝手に入った上、ゴミ混じりの川の水を入れた報いだ。 『ちゃらけて見えて、あいつは動きが良い。それでもオレは——』 . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第38話

2018年08月12日 10時38分17秒 | 小説「パスク」(連載中)
 朝と夕暮れに湯治をして、その間はほぼ修行にあてていた。  睡眠以外の時間が勿体ないくらいだった。寝るのも惜しいくらい高揚感に包まれていた。  キョウコのアドバイスも取り入れてみた。持続力を上げなくてはならない。  体の傷も回復し、動きも以前のように取り戻していった。  今朝も起きたばかりの重い体を動かし、目覚まし代わりに朝早く手作りの湯治場へ向かった。雨期に入ったせいで、今日もどんよりとした曇 . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第37話

2018年04月26日 09時56分27秒 | 小説「パスク」(連載中)
「パスク、立ち上がれ! その程度で弱音を吐くな!」  オレはひよっこのガキながら、絶望的に力の差がある大人相手に、なんとか食らいついた。  至る所に傷を負い、口の中にたまったものを吐き飛ばした。 「ふざけんじゃね!」  どうにも勝ち目がないくらい、分かっていた。でも、妙に沸き上がる高揚感に後押されながら、立ち向かっていった。  ***   ***  湯船から上がり、身支度を調えた。不思議と . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第36話

2018年02月14日 16時22分28秒 | 小説「パスク」(連載中)
「別にわたくし無理をしろ、なんて言ってませんよ」  まだ時々よろけるオレを見て、キョウコが冷静な目で言い放った。 「大丈夫だ。今日中に着く!」 「朝からそう言いますが、本当に着けるのかしら……」  動けるようになったとはいえ、キョウコの言うとおり無理している。本来ならもう少し回復を待ちたいところだったが、オレには時間が残っていない。  この選考会にもいずれ終了期限が訪れる。期間内の勝利数もさること . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第35話

2017年06月20日 11時11分10秒 | 小説「パスク」(連載中)
 意識が戻った翌朝。キョウコが宿を出たのを見計らってか、ある人物がひっそりとこの部屋を訪ねた。キョウコ以外は知らないはずなのに、見つけだすなんて仕事はしっかりとやっているみたいだった。 「でも、良かった……。パスクさんが無事で」  ここを見つけたことには感心した。しかし、本気なのか、ウケ狙いなのか、可愛らしい声を出す。だがそれが、子供っぽいコトミだしな……。 「お前は、助けてくれないのか?」  相 . . . 本文を読む
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【小説】「パスク、あの場所で待っている」第34話

2017年02月14日 00時08分46秒 | 小説「パスク」(連載中)
「あっ……。気がついた?」  ぼんやりとした意識の中で、問いかける女性の声。コトミじゃないな、あいつはもっと子供っぽい声だ。母親でもない。誰だろう。そして、どことなく眠い。 「安全なところだから、もう少し寝ていて大丈夫だから」  救いの手を差し延べる女神様に従い、微睡むことにした。  次に起きたときは意識がはっきりしていた。 「ついに起きたね」  さっきの女神と同じ声だ。 「ここはどこだ……?」 . . . 本文を読む
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