スタートで失敗しないために、何に気をつけなければいけないのかわからないとき、この章をお読みください。
(1)起業して10年以内に95%の会社は消えていく
法人の存続率は起業から1年後は60%、3年後は38%、5年後は15%、10年後は5%1だそうです。なんと、創業5年後に生き残っている企業はわずか15%前後で、8割以上の企業が倒産や廃業に至っているということになります。
これを聞いて起業を諦めるような人はハナから企業など考えないほうが賢明です。一番困るのは、私は絶対失敗などしないという人や失敗したってもう一度別の人生をやり直せばいいだけじゃないかと高をくくっている人です。
起業して2~3年後に、精気のない顔で無料経営相談で私の前に座っている
「私は他の社員と比べて営業力や販売力があって、会社に大きな貢献をしているのに他の社員と比べても評価に大きな差がない。顧客や仕入先も協力すると言ってくれている。起業して自分でやればもっと自分の思うようにして、もっと稼げる」と言って起業した30~40代の人が散見されます。
彼らの多くは、能力のある会社員でしたが、経営者ではありません。起業する前に経営者としての最低限の知識さえあれば、少なくとも、倒産で自己破産するのが最良の選択肢というところに至ることなく、人生の再挑戦するための廃業などが選択できたはずです。
中小企業庁の「創業・起業早わかりガイド」2のなかに「創業・起業カンタンステップ」というページがありますが、これは「はじめて会社(という入れ物を創る)カンタンステップ」でしかありません。これを見て起業されたら、3年後には三分の一の会社も残らないのも仕方がないと思ってしまいます。「読むべき本・マニュアル」もこの段階で優先して読むべき本が少ないように思います。
ほとんどの人が起業前に失敗の原因をつくっています。
「創業は易く、守成は難し」と言われます。確かに、私も創業のほうが会社を守って継続するほうが遥かに難しいと思います。しかし、創業で基本的な間違いをおかさなければ、倒産などの危機的な状況を避けることができます。
-
朝早く起きて、働く習慣を身につける。
「小を積む努力なしに夢の実現はない」という二宮尊徳の言葉を胸に夢の実現に向かって朝早くから汗を流すことです。 -
起業する目的(ビジョン)、経営目標(ターゲット)、戦略(事業計画)を明確にする。
-
必要資金を算出し、蓄積した自己資金を差し引いて必要な借入額を計算する。最悪の場合でも将来返済可能借入金の限度額を把握する。
「いくら借りれるか」ではなく「いくらまでなら借りてもいいか」と考える。 -
再度、必要な設備、備品などを「この設備がないとこの事業ができないのか?この備品がないとこの事業が出来ないのか」をモノサシにして一覧表にする。
-
それでも必要な借入限度額に収まらない場合は、起業を延期して、必要な額が貯まるまで懸命に働くことです。
「まず働いて資金をつくる、これが経済の基本であることは、今も昔も変わりません。」4最後にこれが一番重要です。人生までを狂わせてしまった人の多くはこれが原因です。
-
うまくいかないほうが当たり前と考え、「出口」を用意しておくことです。
具体的には、
-
○年以内に単月黒字化、○期以内に黒字決算できないときは、
-
銀行から自分以外の連帯保証人がないと借り入れが出来ないときは、
-
銀行以外(家族、親戚・友人そしてカードローンや街金など)からしか借り入れができないとき、
会社を続けるより清算して廃業を選択する。
などを明確にしておくことです。
人生を狂わすような「倒産への負の連鎖」に至らない段階で会社を捨てるという「出口」をあらかじめ用意しておくことが、第二の人生の「入口」に続いています。
3詳しくは第5章「心田開発」と「分度(入るを量りて、出るを制す)」をお読みください
4石川佐智子著 「世界に誇る日本の道徳力 心に響く二宮尊徳90の名言」 コスモトゥーワン
井上経営研究所(代表 井上雅司)は
2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に
- 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
- 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
- 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業
に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。
1.「経営救急クリニック」
- 憤啓塾(経営再建プログラム)完全無料プログラム
- 俯瞰塾プレップ(経営改善プログラム)
- 無料経営相談
- 有料経営診断
2.「長寿幸せ企業への道」
3.「事業承継・M&A・廃業」