二宮尊徳の名言です。「因果応報」、「『原因』と『結果』の法則」(ジェームズ・アレン)も忘れてはならない言葉です。
経営危機に陥る経営者の多くは「景気が悪いから売れない」とか「銀行が貸してくれない」とか弁明されますが、原因のほとんどはご自身にあります。
売れないのは時代とともに売るものや売り方を「変化」させていかないのであり、貸してくれないのは今の経営状態と貸し出し条件では金融機関側がリスクが大きすぎるからです。
実は、「幸せ会社」にとって、金融機関が今の条件で貸さないのは感謝すべきことなのです。
何のために、何処に行きたいのか?
経営危機に陥った中小企業の経営者を見ていると、「会社経営を何のためにするのか」がはっきりしていない場合がほとんどです。経営者本人が、「何のために、何処に行きたいのか」をわかっていないことが多いのです。
それらがはっきりすれば、おのずとそのためには、何を準備して、何を使ってやるのかがはっきりします。
山に例えれば、チョモランマ(エベレスト)へ登山に行くのであれば、準備する道具も、服装も、移動交通手段もおのずと決まってきます。命の危険も覚悟し、家族の理解や協力を得た上、会社も退職して挑戦するかもしれません。しかし、近くの山に花見に行くのとは、準備する道具も、服装も、移動交通手段もずいぶんと違ってくるはずです。命の危険を覚悟することはそうそうないでしょうし、全財産を掛け、会社を退職したりするなど考えるに及びません。
チョモランマに登るつもりで起業や事業承継した経営者はそう多くはありません。近くの山で満開の桜が見られることを期待して経営に着手したつもりだったのに、気がつけばチョモランマに挑戦したかのように、全財産を失い、家族とも離散するような結果に陥る中小企業経営者が後を絶ちません。経営が順調なときはリスクなどまったくないと錯覚するくらいですが、いざ困難な状況になると前へ進むのにいろいろなリスクが伴ってきます。
たとえば資金繰りが苦しくなっての金融機関などからの借入です。経営内容がよいときは社長だけの印鑑があれば済んだものが、追加の担保や連帯保証人を要求されるようになります。そのときの経営者は借入をすることがすべてで自宅を担保に入れることが何を意味するか、連帯保証人をお願いすることが結果としてどういう問題を引き起こすかなど考えるに及びません。ともかくそのお金を借りるためにはそうせざるを得ないと思い込んでいるのです。その結果、気がついたときには担保に入れるつもりなど毛頭なかった自宅を取られ、絶対迷惑を掛けないからと連帯保証を頼み込んだ兄弟、親戚、友人にまでが自宅を失ったり、自己破産を選択せざるを得なくなったりすることになってしまうのです。こうなってから悔やんでもどうにもなりません。
「何のために、どこに行きたいのか」を明確にしない限り、判断を誤り、「幸せ会社」どころか「不幸せ会社」になるのが必定です。
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