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インプレ | Impression Bridge (記憶を跨ぐ)

「下町ロケット」最終回が最終回らしくなかった件を考えてみる。


あくまで私見です。

ドラマの中では一丸となって社員が同じ方向へ向かう姿を描く

この下町ロケットは、日本の優れた産業構造のひとつ「ものづくり」をテーマにしたドラマである。そこには、できあがりのための約束(契約)した納期があります。ただ作ればいいというのではなく、スペックなど商品の水準を求められるわけです。



このドラマの見応えのあるのは、製品開発現場で完成が見えないことに挑戦する姿である。そこには、技術者として働く人の姿をクローズアップする。AIとかIoTとかを導入して時短など考えていない段階で、時間を費やしていく。

そしてもう一つドラマに流れているのは、一丸となって働く社員達の協調性と残業の姿である。


それは、農業用トラクターのエンジンでありトランスミッションの性能の向上を目標値として期日のある仕事に責任を持っているからだと思う。



時間外労働をさせる場合の限度時間は「36協定」という基準が存在する。


この中にある規定のなかで、「従来の限度時間を超えることが恒常的ではなく、一時的・突発的なものであるというような、特別の事情がある場合に限られます。」という「特別条項」を適応しているだろうとなんとなく思わせてくれる。

「特別条項」要件:例えば、納期のひっ迫、大規模なクレームへの対応、機械のトラブルへの対応等に該当する)



このような、ものづくりを「残業なし・休日日数業界○×位」を謳っている会社が取り組んだとしたら、どのようなモノが納期に間に合わせてできてくるのか考えてしまうだろう。

人の効率を求めているだけの企業とは違った分野なのだと思えてくる。

長時間労働を推奨しているのではなく、ものづくりをする会社の時間的なインフラを整える部分や、時間を1秒単位で人がやらなくていい環境整備こそ、働き方改革で重要視する部分ではないかと思う。



ここまでは、現実ではなくつくられたドラマのストーリ展開である。




ドラマを作るスタッフ達は時間のやり繰りと放送日のジレンマ。



今回のTBSの「下町ロケット」最終回という表示(新聞のテレビ欄など)を巷では、なかなか手厳しい声が聞こえてきている。

なぜ、そのような辛辣な意見が多かったのか考えてみた。


「下町ロケット」のようなドラマ作りを想像すると、朝早くとか夜遅くのシーンや役者さんのスケジュール合わせなど多岐に及ぶのだろう。



ドラマづくりは、クリエイターの仕事であるために、普通に働く人達との線引きはむずかしいように思える。

そこでドラマ制作は、新しいモノを生み出す「ものづくり」と定義してみる

ドラマ制作側の現場は、下町ロケットというドラマに「残業をしても一丸となって納期を守り完成する」という企業風土を描きながらも自分達の仕事とを対比したのではないか。

逆説的に言い換えれば、今の働き方改革へのアンチテーゼを盛り込んだのではないだろうか。

ドラマ制作に定時があるか分からないが、設定された時間内に撮影から編集までを納期とする。

この場合、制作現場では時間内でできあがった「最終回」は、タイムリミットをむかえた。放送したのは出来上がった部分までだった。


(見ていない人には、さっぱりだと思うが、肝心のギアゴースト製と佃製作所製の農業用トラクターのトランスミッションの性能対決の決着がついていない事)

それほど、消化不良気味の最終回と言われる展開だった。





さすがにそんなドラマ作りはしないよ、という常識が最近では働く人の意欲がなくなるような時間単位の働き方をみるとまんざらでもないように思ってくる。

納期が決められてスタッフの人数も人件費も限られ完成させるのは、現代の自然の流れである。


しかし、ドラマはまだ完成しておらず、スタッフの月間残業時間などをクリアさせてから、最終回の続きを作ったのは必然的に見える。




36協定のなかに、「毎月毎月、限度時間を超えて時間外労働をさせるような協定は締結することは出来ず」という意味がありこれが、ドラマ作りのスタッフに適応されるなら厳しいところだろう。


そんな、大胆な想像しながらTBSの作った「下町ロケット」を熱く応援している。


最終回の「最終回」は2019年1月2日、お正月SPである。

 

 

時間管理「時間は増やせる」などの章があり、その時間と人生を見直す機会を考えている人に参考になる一冊です。


ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250
 堀 正岳(著)
KADOKAWA / 中経出版






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