(10月に剪定した辛夷)
詩人・茨木のり子の作品『花の名』から-。
のり子は、父親の告別式を終えて東海道線で帰る時、たまたま一緒になった同い年の男性と話が弾みます。時期は4月。
その彼が、ある花の名をたずねます。「あなた知りませんか? ううんとね 大きな白い花がいちめんに咲いてて…」。
「泰山木じゃないかしら?」と、彼女は答えたのだが、東京駅でその男と別れた後、「あのひとが指したのは辛夷の花ではなかったかしら そうだ泰山木は六月の花 もう咲いていたというのなら辛夷の花」。
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添付写真は、10月に剪定に行った民家の庭の辛夷。
最初にその木を見た時は、幹が見えないほど葉が生い茂っていたのですが、同僚のM氏が剪定したらこうなってしまった。
辛夷は早春に花を咲かせます。ただ、ここまで葉っぱや花芽を落としてしまったら来春、花を楽しむことは難しいでしょう。ここの家の辛夷はなぜか、毎年M氏が担当しているのです。それもこの時期に。花が終わって間もなくならともかく。
ここのご主人が言っていたそうです。「うちの辛夷はなぜか、花がほとんど咲かない」と。
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