以前、筆者が住んでいる北陸地方のあちらこちらで、たくさんの実を付けた柿の木を見かけ、その多くがそのまま放置されていることを紹介しました。
平地でもそろそろ小雪が舞ってもおかしくないこのごろですが、状況は変わっていませんので、シルバーの庭木剪定で出かけた先で見かけた柿の木のある風景を紹介したいと思います。
上の写真。高さが6~7㍍ある大きな柿の木です。木の上の柿はとても採れません。下の方もほとんど残っています。所有者は採らないのでしょうか。
こちらは、柿の低木です。たわわに実り、柿の重みで枝が地面すれすれまで垂れ下がっています。
柿の木の周りに白いテープが巡らされていました。畑の持ち主になんの目的で?と尋ねたら、カラス対策とのことでした。
もっともカラスは、柿が熟して柔らかくならなければつつかないそうで、それまでは自分たちで食べるのだとか。
カラスでふと思い出したのが、北陸・金沢出身の作家、徳田秋声(明治4年~昭和18年)のことです。彼は22歳の時、作家を目指して上京しました。先輩作家の尾崎紅葉を訪ねたものの、玄関先で不在と告げられたため、後で原稿を送ったところ、紅葉から次の返事が返ってきたそうです。
「柿も青いうちは鴉(からす)も突つき不申候(もうさずそうろう)」
原稿が作品と呼べる水準に到達していなかったということですね。
徳田秋声といっても、今の若い人たちの間ではWHO?なのではないかと思います。筆者世代は、その代表作『あらくれ』で、名前だけはよく知られた作家でした。しかし、近年はわれわれ世代でもあまり話題にならないようです。
なお、金沢市には2005年に開館した「徳田秋声記念館」があります。 <続く>
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