石工房吉田 珈琲石臼体験所

珈琲用石臼製作 珈琲用石臼を使った珈琲の体験所 熊本県天草市下浦町

格安で販売されているコーヒー石臼の購入をお考えの方へ

2019-05-09 | 珈琲臼開発過程

私の石臼の値段設定は高すぎのでしょうか?

 

本来、珈琲にあまり興味がない人にとってはコンビニコーヒーや某メーカーの「カフェ???」が「珈琲」であり必要十分でしょうから、私の商品が高いと言われても気にはなりません。

しかしながら、インターネット等で珈琲石臼を検索したことのある人から「2、3万の石臼があるし、、、」と言われてしまうとガッカリします。

そういった安価な製品は100%中国製で見た目は珈琲用の石臼ですが、珈琲の粉に求められる粒状は期待するべくもなく、かといって他のお茶の葉や雑穀も満足に挽けず、飾り物としての用途しかありません。

まず、「目立て」が理解不能な図案である事とサンダー(石材用の切断用の工具)で溝を切り込んだだけの物を多数見てきました。

最も力のかかる取っ手棒も本体への取り付けが「ほぞ穴」でされていて、石材と木の組み合わせですので乾燥した時期にはグラグラになり容易に外れたり折れたりしてしまい修理のしようがない状態になります。

挽けた粉は下臼の外周にある溝に溜まるのですが、ゴミを掃除するかのように刷毛ではいて集めます。口に入るものなのでどうかと思います。

上記のような要素が安価な石臼には共通しています。

国内で制作されたと明記された製品もありますが、販売価格3万程度だと「材料の石材の原価」から考えると「石臼職人の手間代」は1日分程しかないと思えます。

まさか1日で出来上がるはずもなく、人件費が格安の国に外注していると考えられます。

当然ですが、買ってしまった製品の手直しには制作した国への往復の経費や日数で対応してもらえない可能性が出てきます。

 

国内の職人が数日をかけて制作した製品は「材料の石材の原価」+「石臼職人の日当」で高額になるのは当然の話です。

「使い勝手のいい商品」を目指して細かい部分まで研究し、加工精度を上げ、販売した後も責任をもって対応出来る工房を求められるのであるならば、ある程度の金額で販売している所に発注される事をお勧めします。

 

かく言う私の地元も「石工の町」として宣伝をしていますが実状は、墓石の99%は中国への外注で成り立っております。

かつては地元産出の石材を九州各地に運び「石畳」や「湾岸の工事用石材」として活躍した時代があり、直接の子孫ではありませんが「墓石」を制作販売する事業を行う「石材店」が数十軒生まれました。

各社、自社の工場で原石から「切断」「加工」「研磨」「文字掘り」を一貫して行い、多数の「石職人」がその技術を競っていましたが、中国での生産体制の整いと極端な加工賃金の低さに、各社の社長は中国への外注に切替て利益を上げる方向に一斉に進みました。

結果として「石職人」の技術は途絶え「石材の加工機械」は錆び付き、かの国が製品の品質を意図的に低下させ始めても文句も言えない状況を自分たちで作り上げてしまっています。

私にもこの工房を始めた頃、かの国に外注して販売のみを行えば「安価で大量の商品をさばけて儲かる」とご指導を頂きましたが、自分の技術の衰退と品質の後退が目に見えていたために自分自身での制作にこだわり続けています。

 

そのあたりをご理解頂けて「価格」を見てもらえたらなあ、、、と日々思っております。



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