
正確な形状が判明すると販売している会社に対して問題がありそうなので断片的な写真で説明していきます。
(ちなみに現在も数十万で同じ型式のものが販売されている事は確認しています)
まず非常に大きく重く二人掛かりでようやく車から下ろせました
片方にヒンジがあり持ち上げると、まるで「あこや貝」のようになり石臼の内部が見えてきます
上臼は固定してあり下臼が回転する構造で、粉は機械下に雪のように積もる構造のようです。
上臼は更に持ち上げると外すことが出来たので、作業のためにひっくり返して置きました
下臼の現状写真ですが、ものすごい量の途中仕掛かりの珈琲豆が残ってしまっています
直径が30センチ程度なので「はて何十杯分の粉なのか?」業務用は恐ろしい。
上臼の現状写真ですが、下臼同様に中心部が平面で「目立て」が大きな三角形をしている
「のみ口」の部分ですが「いったい何のためにこんなに大きく深いのか?殻付きのクルミでも挽くつもりだったのか????」
機械の他の部分はインバーターモーターが付いていて現代の物ですが、石臼の部分は江戸時代の物ではないか?と思える程荒く精度がない。
下臼の周辺部の写真ですが、なぜか目立ての溝が外周ギリギリ手前で終わってしまっている
これでは内部で挽けた粉の行き先が無い!!! 確かに粉が圧縮さてれ張り付いている
しかしこの理由を発見!!
なんと上臼をネジで持ち上げてクリアランスを保つようになっている!! ネジのピッチで微妙な調整が出来るようになっている!!
業務用は恐ろしい!!
私が考えるに、上臼と下臼を一定の隙間で固定した場合は豆を供給する量も厳密に一定に調整しないと、、、過剰に供給され続けると行き場のなくなった粉が石臼の中で圧縮され続ける。
逆に供給が足りないと必要以上に粉が石臼の中で挽かれ続けて小さくなってしまう。
現状の下臼への粉の張り付き現象は供給の過剰が原因と思われるが、上臼の豆の供給部分は精密に出来ていない
基本的な造りがおかしい!!
が しかし この機械が現実に販売されていて、この機械で挽いた粉が「石臼挽き珈琲」として流通している事を考えると、私の方がこだわり過ぎておかしいのかも???
しかし結論から言えば「これも仕事」と大きな三角形の溝をただ綺麗に見えるように、平らに仕上げて、上下両方の臼の外周部分で途切れていた溝を外周部まで貫通?させて張り付きを無くす加工をして今回の手直しの依頼は完了としました
今回の結論
この業務用珈琲石臼制作会社は多分鉄工所でしょう
珈琲豆を挽く石臼のノウハウのない石臼屋から不必要な大きな石臼を仕入れて、石臼の原理を無視して粒子の大きさを一定にするために無理矢理ネジのピッチで調整する構造にして販売しています
今注目を集めていると言われる「セラミック製石臼式ミルを採用した全自動コーヒーメーカー」の内部も一度拝見してみたいものです。