以前書き込んだこともある譲二さんのお話ですが、結末は完成してないものの少しづつupしていこうと思います。
お酒を飲んだ勢いで、譲二さんと一夜をともにしちゃった女の子の話です。
時期としては、本家吉恋のヒロインがクロフネに住み込む少し前の頃を想定してます。
川原柚葉…大学卒業して一年のOL、歴史オタク
茶倉譲二…喫茶クロフネのマスター、やっぱり歴史オタク
☆☆☆☆☆
なんでこうなった?~その9
〈譲二〉
シャワーを浴びながらぼんやり考えた。
昨日の居酒屋での時よりも柚葉ちゃんは他人行儀になってる。
やっぱり逸って手なんか出すんじゃなかった。
名前も『茶倉さん』としか呼んでもらえないし、
もうこれっきりなのかな…彼女とは。
俺にしがみついて喘いでいた彼女の姿が目に浮かぶ。
うわっ、何想像してんだ。
火照った身体と頭を冷やすため、冷たい水を浴びた。
駅まで並んで歩きながら、なかなか会話が思いつかない。
譲二「ずいぶん暖かくなってきたね」
柚葉「そうですね」
譲二「あと少しで春だよね」
柚葉「そうですね」
譲二「…」
柚葉「…」
昨日の歴史本の話なんかをすればいいんだろうけど、
それもなんだか白々しい気がして口数は少なくなってしまった。
切符を買う彼女に付き合って、改札のところで何となく別れた。
譲二「じゃあね」
柚葉「ありがとうございました」
そう言葉を交わしただけだ。
店に帰って開店の準備をしながら、やっぱり彼女への未練が残った。
そうだ。
メアドにメールを入れてみよう。
無事に帰れたかどうかは気になるし、それぐらいは許されるよね?
その10へつづく