どうも、こんにちは。
今回は、天満宮(菅原道真の霊を神として祀る社)の中でも、古都・奈良に建つ「菅原天満宮」を訪れ、そこの梅花と盆梅展を観てきました。
この古社は、菅原氏の三人を神として祀っています。
祖神・天穂日命(あめのほひのみこと)と、菅原氏中興の祖・野見宿祢命(のみすくねのみこと)と、そして菅原道真の三神です。
また「道真公産湯の池」のある道真生誕地と考えられている場所のひとつ、菅原氏の更なるルーツでもある土師(はじ)氏の地でもあります。
そして、菅原道真を象徴するもののひとつといえば、梅です。
この古社の境内にも梅の木があり、また梅の時期には盆梅展も開催されています。
今年も梅の季節になり、例年の如く『霊場魔所の梅』シリーズの記事も書きたいと思います。
しかしながら、2023年の目標に、「本シリーズのマンネリ化を打破する為、今年はまるべくまで訪れたことのない場所も訪れて行こう」と決めましたので、これまで本シリーズで訪れたことのない「梅の霊場・魔所」を訪れなければ、と考えました。
その霊場のひとつとして選んだのが、奈良市に建つ「菅原天満宮」なのです。
まずはいつものとおり、交通アクセスから。
近鉄電車「大和西大寺」駅、南口の13番停留所で、奈良交通バスで。
それに乗って「菅原東」停留所まで。
ただ、「大和西大寺」駅から「菅原東」停留所まで、バス停2つ分。余裕ある人や体力に自身ある人はここまで歩くのもよろしいかも。
そこから住宅街の中の道を歩きます。
住宅街の中に突然、何やら意味ありげな池が現れます。
そこには赤い橋がかかり、錦鯉まで泳いでいて。
一体何かと思って、後に菅原天満宮でもらった案内パンフレットを見ると、なんとここは「道真公産湯の池」だそうです。
(注:この池の写真を撮影したところ、元の写真には民家も一緒に映ってしまいましたので、映らないように切り取ったところ、上のような不自然な形になってしまいました)
本殿を含む境内からは離れているので、ここは飛び地境内というところでしょうか。
昔は菅原天満宮の、あるいは菅原家の敷地はもっと広く、この池もその中にあったのでしょうね。
ところで、「道真公・産湯の・・・」という言葉で、菅原道真について詳しい方や、あるいは本シリーズの古くからの読者さんの中には、もしかしたらお気づきの方もおられるかもしれませんが。
そうです。
「道真公・産湯の池(井戸)」なるものがある、道真生誕地と考えられている場所は、ここ以外に幾つもあるのです。
本シリーズでは、今までにそういうスポットを3カ所紹介してきましたよ。
シリーズ第541回で紹介した「吉祥院天満宮」。
以上3カ所に加えて、今回の奈良・菅原天満宮も。
歴史・伝説上の偉人や英雄には、その生誕や生涯について諸説あって、どれが真実かわからないという場合もあるのですね。
勿論、素人のマニアでしかない私には、どれが真実かなどを確かめることなどできませんが。
でも、謎のままだとしても、それはそれで面白いかと思いますが。
町内を歩き続けます。
この辺りの地名には「菅原」の2文字が入っているようです。
神社で頂いた案内パンフレットには、「菅原」とは平城京遷都以前から存在していた古い地名であり、それはかなり広範囲に及んでいたそうです。
菅原家の始祖神・天穂日命は、天下泰平、国土安泰、五穀豊穣の守護神として知られ。
菅原家中興の祖・野見宿祢命は、垂仁天皇の皇后・日葉酢媛命(ひはすひめのみこと)が亡くなった時、当時まで続けられていた殉死の風習をやめさせ、代わりに埴輪を埋めるように提案・進言した功績により、垂仁天皇より「土師臣(はじのおみ)」の姓を授けられ、以後土師氏はこの地を本拠地として勢力を伸ばしたと伝えられています。
その後、天応元年(西暦781年)、その子孫・土師古人他が、この土地の名「菅原」と改称することを許可され、その更に三代後にかの菅原道真が出生したと伝えられています。
目指す菅原天満宮の門が見えてきました。
その周辺には梅の木が何本も。
花が咲いていた木もあれば、まだ蕾の状態のものも。
鳥居をくぐって中へ。
手水舎は、見事な花手水になっていました。
まずは本殿へ礼拝。
ところで天満宮を、天神・菅原道真の象徴するものが2つあります。
ひとつは梅、もうひとつが牛(の像)です。
この古社も「天満宮」というだけあって、梅の花と。
牛の像も。
こうして見ますと、何とものどかな、うららかな初春の日という感じがします。
現在の菅原の地も、こういう風にのどかな、穏やかな土地なのでしょうか?
なお記事がそこそこの長さになりましたので、今回はここまで。
シリーズ次回は、この古社で開催されていた盆梅展の様子をお届けします。
*菅原天満宮へのアクセスはこちら。
*菅原天満宮のHP
http://www.sugawaratenmangu.com/index.html
*『京都妖怪探訪』シリーズ