京都の闇に魅せられて(新館)

妙満寺の桜と清姫伝説の鐘(2019年春) @ 京都妖怪探訪(622)





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 もうリアル世界では桜の時期は終わっておりますが、今年の春最後の桜の記事。
 そして、清姫伝説の地を巡る新シリーズの第1回目記事といきたいと思います。
 京都の桜の名所のひとつであり、そしてあの安珍・清姫伝説の鐘が遺されている京都市内の古刹・妙満寺を訪れました。


 まずは、交通アクセスから。
 京都市営地下鉄「国際会館」駅から、京都産業大学行きの京都バスに乗って、「幡枝(妙満寺)」停留所か「北陵高校前」停留所。







 そこから少し歩けば、妙満寺の山門が見えてきます。










 まずは大書院前の桜を観に行きます。











 今年は来るのが少し遅かったようで、既に満開の時は過ぎたようです。


 庭の桜も、ほとんどが見頃をすぎていたようです。
















 信行道場(妙満寺会館)の桜は見事に咲き誇っていました。
















 境内の片隅には桜以外の花も。







 さて、ここで。
 シリーズ第273回など過去記事の復習になりますが、ここで「道成寺伝説」「安珍・清姫伝説」などと言われる話の概要を。

 長唄、能楽などで知られる『道成寺』。
 この話の元となったのが、「安珍・清姫」の伝説です。
 紀州室の郡・真砂の庄司清次の娘・清姫(きよひめ)は、熊野参詣のために一夜の宿を求めた僧(あるいは修験者)・安珍(あんちん)に恋をし、言い寄ります。安珍は「参詣の帰りにまた立ち寄る」と約束してその場を切り抜けます。
 しかし安珍は、再び立ち寄ることなく帰ろうとします。
 騙されたと知った清姫は激怒し、逃げ続ける安珍を追いかけます。
 安珍は日高川を渡り、道成寺という寺に逃げます。しかし、清姫は火を吐く大蛇に変化して執拗に追い続けます。
 安珍は道成寺の鐘の中に身を隠しますが、大蛇となった清姫はその鐘に巻き付き、ついに安珍を焼き殺してしまいます。
 その後、清姫は蛇の姿のまま、入水します。

 以上が、一般的によく知られているかの伝説の概要ですが。
 実はこの話にはさらに続きがあるのですが、ここで妙満寺の散策に戻ります。


 妙満寺の本堂へと礼拝。








 さらに庫裏に入り、この寺の庭や寺宝を観るのですが、その前に一般に知られている安珍・清姫伝説の続きを。
 大蛇となった清姫が、鐘ごと安珍を焼き殺した事件から長い、道成寺には鐘が無い時期が続きましたが、何百年か後に新たな鐘が造られ、その落慶法要が行われることになります。
 その時の道成寺の住職は、寺男や弟子たちに「決して女人を入れないように」と命じました。
 しかし彼らは、住職のいいつけを守らずに、「舞を奉納したい」と申し出てきた一人の美女(白拍子)を中に入れてしまいます。鐘は落ち、謎の美女はその中に閉じ込められる形になってしまいます。弟子2人は大変なことになったと、このことを住職に報告します。
 住職は寺男や弟子たちを叱責すると共に、この道成寺に長らく鐘がなかった理由、女人禁制となった理由として、何百年も前に起こった安珍と清姫の話を語ります。
 住職は「その女の正体は清姫の怨霊に違いない」と言って、鐘の呪いと怨霊を払おうと念仏を唱えます。
 すると鐘の中から正体を表した怨霊が現れ、住職たちと怨霊との戦いになります。
 何とか怨霊を追い払ったものの、鐘は再び焼かれるか、あるいは呪われてしまいます。
 この辺りの話は、能や狂言の「道成寺」としても遺されています。
 シリーズ第487回第488回で紹介した「千本ゑんま堂大念仏狂言」の『道成寺』もそういう話でした。
















 本坊から雪の庭、そして展示室に入ります。












 展示室内には、「安珍・清姫伝説」の鐘が安置されていました。
 昔(シリーズ第273回当時)は、その鐘も撮影可能だったのですが、現在では撮影禁止となっています。
 以下の写真は、その当時に撮影したものです。





 さて。何故、安珍・清姫伝説の鐘がこの寺にあるのか?
 シリーズ第273回のおさらいになりますが。
 鐘の再建と清姫怨霊の襲撃の後、鐘は呪われてしまったのか、悪い音しか鳴らず、しかもその度に悪いことばかり起きるようになります。
 そのため、鐘は山林にうち捨てられました。
 それからさらに200年あまり経った天正年間、豊臣秀吉配下の武将・仙石権兵衛が1585年の根来攻めの時に、鐘を掘り起こし京都に持ち帰りました。
 しかしそれでも呪われたままだったので、時の妙満寺貫首・日殷大僧正が供養して、ようやく呪いや怨念が解かれて、音色の美しい霊鐘となったと伝えられています。
 毎年春には鐘供養が行われ、「道成寺」ものを演じる役者・芸能関係者もお参りに来るそうです。


 雪の庭、展示室を抜け、大書院の内側から見た桜の光景です。





 あの呪われた愛憎劇から何百年も経った現在、桜の花だけは今年も代わらず美しく咲いている。
 少し哀しくもありますが。










 なお本シリーズでは『清姫伝説関連エントリー集』を設け、今回よりしばらくの間、「清姫伝説の聖地巡り」を行います。






 それでは、今回はここまで。
 また次回。




*妙満寺への地図・アクセスはこちら



*妙満寺のHP
http://myomanji.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(新)
https://kyotoyokai.jp/



*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(旧)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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