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どうも、こんにちは。
以前からの予告通り、清姫伝説の地を巡る新シリーズの第2回目記事といきたいと思います。
今回から、清姫伝説の伝承地を求めて京都を飛び出し、和歌山県の紀伊を巡ります。なお、「シリーズ名に『京都妖怪探訪』とあるのに嘘になるのでは?」という突っ込みはご容赦いただきたいと思います。
ところで、清姫の伝承地巡りをしてみようと思い立った理由ですが。
実は最近、清姫というキャラが一部で注目を集めているのです。
既にご存知の方も居られるかもしれませんが。
『Fate Grand order』(以下、『FGO』と略)という人気ゲームのキャラクターの一人と登場するからです。
こちらがそのゲームに登場する「清姫」です。
ちなみに、『FGO』と同シリーズの『Fate stay night』は私が夢中になって遊び、また大きな影響を受けたゲームのひとつでもあり、過去に弊ブログ記事(こことこと)も書いたこともあります。
あっと。
きっかけとなったゲームの話はここまでにして、伝承地巡りの話に戻ります。
昨年の9月某日。
JRの特急「くろしお」に乗って、東海道本線から紀伊本線へ。
紀伊本線「紀伊田辺」駅へ。
「紀伊田辺」駅前のロータリーから南西に真っ直ぐに伸びる駅前通り(の商店街)を進んでいきます。
「湊(みなと)」という交差点から、海蔵寺通りを西へ歩きます。
会津川にかかる橋を渡ったら見えてきます。
すぐ前には龍神バスの「江川大橋」停留所もあるようです。
ここが「海運山龍泉寺」です。
現在は浄土宗鎮西派のようですが、元は延暦年間(平安遷都があった辺りか?)に開かれた古刹だったようです。
案内板を見ると、この龍泉寺にも、本シリーズでとりあげるにふさわしい不思議な由緒があったようです。
それは以下の通り。
今から1000年ほど前、大干魃があって、権操という僧正が大和国の布留社(現在の)「石上神宮(いそのかみじんぐう)」でしょうか?)で七日間、「薬草喩品」(「法華経」の「薬草喩品第五」のことでしょうか?)を講じたことがありました。
そこに毎日、どこからか一人の童子が来て、人々の注目を集めていました。
七日目の満願成就の日、権操僧正は「何者か」と尋ねたら、童子は「私はこの山の小龍ですが、七日の聴聞のおかげで、安楽世界(極楽浄土)に生まれ変わることができます」と答えて感涙しました。
僧正は「龍ならば雨を降らせて欲しい」と言ったところ童子は、「大龍王のお許しがなく、自分の一存では出来ませんが、後生の菩提(来世に極楽に生まれ変わること)を助けてくだされば、この身を滅ぼすことになっても雨を降らせましょう」と答えました。
僧正は「よろしい。必ず貴方の追善(死者の冥福を祈る仏事)をしましょう」と約束しました。
小龍となった童子は雷となって昇天し、雨を降らせましたが、その身は砕けて五箇所に落ちました。僧正はこれを憐れんで、その五箇所に寺を建てて丁寧に弔った、そのうちのひとつがこの古刹だそうです。
後程紹介するこの寺の井戸も、干魃の時でも龍水が湧き続けていると伝えられています。
境内、本堂前に小さなお堂には面白いものがありました。
「牡蠣地蔵尊」という仏様まで祀られているのは、漁村らしくて面白いですね。
漁村の古刹らしく、海で亡くなられた方々を弔う碑も立っています。合掌。
古刹には付き物と言っていい地蔵菩薩像も。
現在のような医療技術も福祉制度も無かった昔は、死亡率を上げていたのが高齢者と乳幼児だったという哀しい現実を物語るのが、こういう像です。合掌。
地蔵菩薩像のすぐ隣にありました。
極楽往生した龍神の力で、日照りの時でも湧き続け。
さらに、あの清姫が安珍を追って、潮見峠から宙を飛んできた清姫が、喉を潤して、体力を回復し、さらに道成寺まで安珍を追っていった。
そんな伝承が遺されている井戸がこれです。
それにしても、大蛇化する前から既に飛行能力まで持っていたとは、清姫本当にすごいですね。
また一発で体力回復した上に、道成寺までの何十キロまで走るだけの持久力まで付与されるとは、ドーピング薬やスーパーヒーリングポーションより凄い。さすがは龍神の霊水です。
さて次回も、紀伊田辺の面白伝承地を巡りますが、清姫伝説以外にもある有名人の伝承地がありましたので、そのうちのひとつを巡り、その後また清姫伝承地巡りを再開します。
それでは、今回はここまで。
また次回。
*龍泉寺への地図・アクセスはこちら。
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(新)
https://kyotoyokai.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(旧)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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