また、市井のブロガーたちが、頼りない御用マスゴミ(もとい、マスコミ)の尻を叩いたり、場合によってはマスゴミを超えて社会に対して問題提起をしていくこと等自体には否定的なわけではない。「やめろ」とか「萎縮しろ」とかいうわけではない。
ただやるのなら、「責任を持ってやろう」と言いたかっただけである。
![](https://moon.ap.teacup.com/komichi/timg/middle_1150406827.gif)
さて、今回の本題。
安倍官房長官と統一協会の関係は、まだまだ明らかにされてない部分もあるそうだが(注1)、この問題を別にしても、安倍晋三という人が、果たして次期指導者(首相であれ、政権政党の総裁であれ)として本当にふさわしい人物なのかどうか、多くの支持と期待を得るにふさわしい人物なのかどうか、私なりに考えてみたい。
まず、これまでの安倍氏の政治的な業績を私なりに見ると‥‥今ひとつ、よくわからない。
このブログともリンクをさせてもらっている喜八ログさんとこの6月21日記事に以下のようなものがあった。
『安倍総理待望論の奇怪』
以下、その一部を抜粋させていただく。
>けれども、私(喜八)は不思議でなりません。安倍氏にどういう政治的業績があるのか? さっぱり分からないからです。安倍氏をやたらに持ち上げるマスコミ報道でも、この点はなおざりにされていますね。ただただイメージ広報(?)が垂れ流されるばかり・・・。
公式サイトのプロフィールを見ると、恵まれた政治家人生を歩んできたことは分かります。が、国会議員として具体的に何を成し遂げてきたのかは記されていません。さらには今後なにを実現したいのかもよく分かりません。
特筆すべき業績もビジョンも持ち合わせないように見える安倍晋三氏。そんな彼が何故これほどまでに持ち上げられるのか? 持ち上げられなくてはならないのか? まともに考えると怖くなってきます。
以上、引用終わり。
私は喜八氏に同感である。
どうもイメージばかりが先行して、具体的な政治実績というのは考慮されているのだろうか、という気はするのだが(注2)。
ただ、私なりに「何故、安倍氏が支持されるのか?」という理由について考えてみた。
以下は私の推測であることをお断りした上で言わせてもらうが。
どうやら安倍氏は、具体的な政治実績よりも、イメージと、もうひとつ「中国や南北コリアに対する強い姿勢」とか、「ジェンダフリー批判」や「憲法改正と集団的自衛権容認」などいわゆる「保守的姿勢」がウケたから人気が出たのではないだろうか?
なるほど、確かに本人の考え方や発言なども、人物を判断するのに重要な材料の一つである。
だが……それだけでは人物を判断するのには不十分だろう。特に政治家を選ぶ時は。
「巧言令色、少なし仁」という言葉もあるように、立派なことを言う人物が、必ずしも立派な人物だとは限らない。更に言えば、世の中には現業不一致な人や、ダブルスタンダード(ご都合主義)に走る人も、少なくはない。本当はできないにも関わらず、大言壮語を吐く人もいる。
さて、安倍氏の場合はどうだろうか。
確かに勇ましい発言であるが、はっきり言うとそんなものは、どんなヘタレにもできる。特別に勇気や見識が必要なわけでもない。自分たちは流れ弾のひとつも飛んでこない、また北朝鮮の工作員や関係者によって、拉致とか殺傷されたりする心配のないところでなら。
特に、北朝鮮による拉致などの犯罪行為が明らかになった後では、北朝鮮に対して強硬姿勢をとることなど、誰にだってできる。誤解を恐れずに言うと、むしろその後では、穏健路線や和平路線を主張する方が、ある意味勇気が要る。その善悪理非は別として。
安倍氏が北朝鮮に対して強硬路線を主張したからといって、「彼が特別に勇気や見識、行動力などを備えた人物である」とは、必ずしも言えないのではないか? ここで私が言いたいのは、要するにそういうことだ(注3)。
では、そのようないい加減な「ニセモノ」と、「本物」をどのようにして見分けるか?
まずひとつは、言行不一致やダブルスタンダード(ご都合主義)が、その人物にないかどうかだろう。つまり、あることを他人に強いたり求めたりしておきながら、自分自身はそれを守らないという人は、信用できないということだ。
そしてもうひとつは、本人の覚悟や犠牲を求められた時になっても、主張を行動に表して貫けるかどうか、である。どういうことかと言うと、その主張によって自分たちにいくらかの危険や犠牲、不利益などが及ぶような場合でも、その主張を貫くことが出来るか。大事なのはそこである。
もっとも、現実には妥協せざるを得ない場合もあるだろうから、その辺の見極めは難しいかもしれないが。
話を安倍氏のことに戻そう。
安倍氏は果たして、自らの発言に見合うだけの勇気や見識を兼ね備えた人物か。
私の答えは、残念ながら「否」である。
ここに少々古い文章であるが、このブログにもリンクさせてもらっている『美しい季節とは誰にも言わせまい』の2006年3月17日のエントリー文がある。
『PSE法 安倍晋三 パチンコ』
以下、引用文である。
>それともう一つ、安倍晋三氏は拉致問題で警察組織とはツーツーの仲であるはずだ。それなら日本の法律では本来認められていないパチンコと言う賭博が堂々と営業されていて、その売上の一部が北朝鮮政府に流れていることも当然知っているはずだ。それなら、いますぐパチンコを禁止にすればいい。それとも保通協をはじめとしたパチンコ業界には、警察からなんと2万7千人もの人間が天下っているから見逃しているのだろうか。もし、安倍氏が本当にタカ派を任じるのなら、刑法185条と186条の厳格な適用を求めることも出来るはずだ。そうすれば、経済制裁を叫ばなくても北朝鮮政府に流れる金の一部は阻止できる。カジノを解禁したり、地元の山口県に米海軍厚木基地の空母艦載機受け入れをするより先に出来るはずだ。それとも、自身は警察やパチンコ業界とは蜜月だから出来ないのか。もしそうなら、それはタカ派ではなく単なるへタレ野郎である。
以上、引用終わり。
今度の祝電疑惑とテポドン騒動で私は、3ヶ月も前に読んだこの文章を思い出した。
著者nizan氏と同じ疑問は私にもあった。いや、おそらくnizan氏と私だけでないだろう。「パチンコの儲けが北朝鮮に流れているのはわかっているのに、何故それが禁止・もしくは規制強化されないのか?」という疑問を抱いたのは。
こういう利益やしがらみ等が絡む部分でも主張を貫けるかどうかが、安倍氏に試されていると思うのだが……? 今のところ、私は安倍氏がパチンコの禁止・もしくは大幅な規制強化を主張したという話を聞いてない(私が知らないだけか? もしそういう話をご存知の方はご一報を)。
もっとも……これは、安倍氏だけが責められるような話ではないのかもしれない。
パチンコ好きの人には辛いかもしれない。しかし「北朝鮮のミサイルや拉致問題は、日本を脅かす深刻な問題だ」と、もし本当に考えているのならば、「ミサイル問題や拉致問題が解決するか、事態打開の目途が立つまではパチンコを自粛しよう」とかいうふうに、ならないものだろうか。
いくら北朝鮮の批判をしても、日本人はこの程度のことすらできないのだろうか? 本当に危機感とか持っているのか、疑問に思ってしまうのだが……。
(注1):
もっとも、この部分ではハムニダ薫さんや、ヘンリー・オーツさんなどは、信頼できる情報と判断基準を持ち、私などより先んじてキャンペーンを展開されているのではないか、と私は見ている。少なくとも今のところは。「私人としての立場で地元事務所から『官房長官』の肩書で祝電を送付」などという、納得できるかどうか以前に日本語として意味不明な釈明を安倍氏側がした、というニュースは本当のようだ。自分の名前で祝電が送られたこと自体は否定されなかったようだ。
もしこれが、「安倍氏自身を陥れるためのデマやガセの類である」とするのなら、安倍氏は、そんな嘘っぱちを吹聴した奴ら(←私も含むだろう)を名誉毀損で訴えるべきでは、と思うのだが。
(注2):
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「安倍晋三」の項目で見たら、「幹事長時代には所謂「餅代」「氷代」の廃止、公募制の導入など党改革に着手」というのがあった。実際の効果はどうだったかはともかく‥‥。あとは、本文でも取り上げている「保守的姿勢」がウケたから人気が高まったという印象しかないなあ。拉致問題でも、本当に頑張ったのは内閣参与だった中山恭子さんらだったのではないか、というのが私の見方だが‥‥。
(注3):
ただ、その言葉だけでも「自分たちの考えと合致するから支持する」というのはわかるのだが。