京都の闇に魅せられて(新館)

廬山寺「追儺式鬼法楽」(前編) @ 京都妖怪探訪(461)





(※記事中の画像はクリックで拡大できます)


 どうも、こんにちは。
 先日2月3日は節分。
 京都各地の寺社仏閣でも、それぞれ節分の行事が行われました。
 その中でも有名で、歴史と伝統のある節分行事のひとつが、今回紹介する廬山寺(ろざんじ)の節分会(せつぶんえ)、「追儺式鬼法楽(ついなしきおにほうらく)」です。
 廬山寺の開祖であり、比叡山延暦寺の中興の祖でもある元三大師こと良源が、村上天皇の時代に300日の護摩行を修められた時に表れた悪鬼を、護摩と法具(独鈷、三鈷)の力で降伏させたという故事に基づくものです。
 追儺式鬼法楽では、この故事を表現した儀式が行われます。
 本シリーズでも紹介するにふさわしい、というより、是非とも一度とりあげなければなりません。


 まずはいつもの通り、交通アクセスから。
 最寄りの交通機関は京都市営バス「府立医大病院前」停留所。





 停留所のある河原町通りから、広小路通り、寺町通りと少し歩くと廬山寺に到着します。











 廬山寺は、比叡山延暦寺の中興の祖である“元三大師”“慈恵大師”こと良源により、天慶元年(938年)に京都の北山に創建されました。後世、船岡山の南、天正年間に豊臣秀吉の寺町建設により、現在の地に移築されました。
 またここは、紫式部の邸宅があった場所でもあったそうです。


 節分会が始まる1時間ほど前には着いたのですが、ご覧の通り既に多くの参拝者や観光客で賑わっています。






 まずは本堂に礼拝を。





 よく見るとご本尊の前に、元三大師が悪鬼を打ち負かした時に使ったという法具(独鈷、三鈷)が置かれています。
 “元三大師”良源は実に凄い人物だったようです。
 史実では当時傾きはじめていた比叡山延暦寺を建て直した、いわば中興の祖というべき人物でしたが。
 説話や伝承によれば、非常に優れた法力・霊力の持ち主でもあったようです。
 いくつもの小さな姿に変化する能力を持ち、“豆大師”と呼ばれたり。
 さらに、魔や悪鬼・悪霊を払う時には角のある鬼に変身いたというデビルマンみたいな人でもあり、その姿から“角大師”とも呼ばれた、と。
 かの大陰陽師・安倍晴明も「霊力では元三大師にはかなわない」と言ったと伝えられていますから、本当に凄い人だったようです。


 話を戻します。
 何とか、本堂入り口前のいい位置を確保しました。





 これまでにも本シリーズでは、妖怪伝説・伝承の遺る場所や行事を取材してきましたが、大変なことのひとつが、撮影場所の確保です。
 開始1時間以上前には現地に着いて場所をできるだけよい場所を確保するとか、一度確保した場所からは動かずそのまま待つとか。
 そうでもしなければ、行事の様子を撮影することが難しいのです。毎回、撮影場所の確保には必死になります。


 メイン行事の「追儺式鬼法楽」の前に、「鬼のお加持」という式が行われます。





 護摩、法具、法弓によって降伏させられ、改心した鬼が人々の病を治していく、という儀式です。
 自分の体の悪いところを言って、加持で治してもらいます。
 本来ならば追儺式鬼法楽の後に行われるはずですが、あまりにも希望者が多かったので、その前の時間にも行われるようになったのでしょう。


 こちらの方は腰が不調なようですね。





 やはり小さい子供さんには、鬼は怖い存在みたいです。





 小一時間ほど「鬼のお加持」が行われた後、いよいよ始まります。
 まずは、鬼を払う人たちから登場します。

 年男・年女・福娘と福豆・福餅をまく「蓬莱師」。





 邪気払いの破魔矢を放つ「追儺師」。





 逆行になってしまってすみませんが、降魔面を持つ人、鬼を降伏させた法具を持つ人、そして着物を着た美少女……今年の福娘さんでしょうか。





 最後に護摩供のお坊さんたち









 松明を持った人が、後で登場する鬼役に手渡しに出て。









 太鼓と法螺貝の音、読経の声に合わせて、赤・青・黒の3匹の鬼が現れます。














 剣と松明を持った赤鬼、斧を持った青鬼、槌を持った黒鬼。
 この3匹の鬼は、人間に悪と不幸をもたらす3種の煩悩を象徴しています。

 「赤=貪欲」
 「青=瞋恚(しんに、怒りや憎しみ)」
 「黒=愚痴(疑い、ねたみそねみ、卑しい気持ち)」
 
 これらを打ち負かし、心身共にきれいになって厄を払い、福を得ようとするものです。









 3匹の鬼は、まるで相撲のしこを踏むような、独特の歩き方で進みます。
 この歩き方は、猿楽の影響とする説もあるそうです。

 3匹の鬼は護摩供を妨害しようと本堂へと入っていきます。











 なお、鬼が登場してから本堂に入るまでを(あまり上手く撮れておらずすみませんが)動画でも撮影しましたので、ご興味ある方は以下、ご覧ください。


【動画】京都・廬山寺「鬼法楽」・その1




 鬼が本堂へと入って行き、鬼と人間(僧、追儺師など)との戦いになります。

 記事が結構な長さになりましたので、一旦ここで気って、この続きはシリーズ次回にします。
 それでは今回はここまで。
 また次回。




*廬山寺へのアクセス・周辺地図はこちら



*廬山寺のHP
http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/




*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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