見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

炭を焼くモンさん一家の暮らし

2007-06-15 22:19:06 | カンボジア
首都プノンペンを離れると、パームツリーの葉を壁や屋根に使った素朴な高床式の家が増える。首都から250キロのデルタ地域に住むモンさん一家は、炭焼きで生計をたてるクメール人。一家5人で高床式の涼しげな家に住む。
              
東西の壁は風を取り入れるために段差をつけて吊られた椰子の葉、南北は雨風を避けるためにしっかり固定したパームツリーの葉、屋根は葦と椰子の葉を木の枠組みに上手に組み合わせ、気候に合った住居の工夫が各所に見える。とはいえ、家の耐用年数はわずか1年。毎年家の屋根と壁を葺き替える仕事はモン家の一大行事だ。欲しいのは木やレンガの壁だが、高価で手が出ない。
「家屋資材は、ここと友人の庭に生えているからお金はかからないけれど」とモンさん。キッチンと食事場所は家の木陰。大きな石を重ね合わせたかまどに、大なべがぴったりはまる。
              

炭は深く掘った穴に切り出した木をぎっしり詰め、藁や草を練りこんだ粘土でしっかり蓋をして4日間焼く。
露天や一般家庭の調理燃料に欠かせない炭の需要は多く、一回の窯で焼いた炭は約20ドルほどになる。
モンさんの家の庭には、空芯菜やバナナの苗がきれいに植えられ、庭にはチャボの雛がぴよぴよ飛び交い、少し離れた木枠の小屋には小さなブタが二匹えさを食べていた。
              

子どもとお母さんが軒下のハンモックで揺れながら午後を過ごしている。貧しく質素だが、必要最低限の生活用品とあふれる家族の安らぎが見える。
この安らぎのために、多くの人は一生懸命働くのだろうけれど。

              





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