昨日遅くに、信州からリョーコさんがやってきた。
一週間、「のんびり、まったり」と過ごす予定だ。
彼女と出会って20年近くたつが、会って話す機会はほとんど無く、電子メールやハガキの行き来を年に1,2度している程度だ。
それでも、ネパールの街中でばったり会ったり、教育支援を手伝ってもらったりと、不思議な縁は続いている。
ヒグマがもそもそ動いている姿を発見したのは、今朝の朝食の最中だった。
突然、夫が立ち上がり窓の外を見て「クマだ!」と叫んだ。
私も彼女も彼の指差す方を見た。
使わなくなった古いビニールハウスの横に確かに茶色の塊が動いている。
よく鹿が草を食む場所だが、鹿とは違う。
大きな犬のようにも見えるけど・・・
「カメラ、カメラ!」
リョーコさんと二人でカメラを構える。
確かにクマの背中、歩き方だ。
わくわくしながら、シャッターを押した。
見たいと思っていたのだ。
目撃情報はいくつもあったが、実際に自分で遭遇したことはなかった。
ヒグマにしては小さい。子どもだ。
親が近くにいるということだろうか。
ビニールハウスの中と外をもそもそと歩いて何かを探っている。
家のテラスから10メートルとは離れていない距離である。
いずれ、こちらに近寄ってくるのだろうか。
期待と不安が交差する。
夫がテラスに出て大声を出した。
小グマはびっくりして遠ざかり始めた。
「追い払わないと、この辺りにまた来るようになる」
湿原の葦の中に入り込みながら、何度か立ち上がってこちらの様子を伺う。
大声で威嚇しないと、クマはまた来るという。
そういえば、一昨夜、近くの標津町でヒグマに襲われて男性が一人亡くなった。
午後、クマ除けの鈴とトウガラシのカプサイシンスプレーが届いた。
鈴は重く、遠くまで響き通る音がして頼りになりそうだったが、
「1メートル以内の近距離で顔に向けて噴射する」と効果があるというスプレーの方は、心もとない。
ヒグマが至近距離に近づくまで耐えられるか、襲い掛かるヒグマの面前でスプレー噴射準備に至る勇気があるかどうか、まったくイメージし難かった。
それでも、リョーコさんは、
「夕べ来たばかりなのに、今朝もう、ヒグマに会えるなんて!」と感動の渦に巻き込まれている。
昼、リョーコさんを歓迎して、朝の漁で浜に上げられた秋鮭一匹を解体することにした。
お腹を裂くと、大きな肝臓と一緒にタマゴの塊がごろっと出てきた。「イクラ」状態の大きなつぶつぶだ。
再び、標津町のヒグマ事件が頭に浮かんだ。
男性がヒグマに襲われたのは、夜11時に近い時刻。
「禁止されているサケ釣りに来た」という。
夜中の禁猟区での鮭漁。
北海道の鮭の遡上地域では、卵を狙う「人」と「クマ」が少なくないらしい。
ニュースを検索してみた。
---------
通常なら音がすればクマが逃げるが、人家もなく夜は真っ暗。「クマがいる所に人間が行って鉢合わせしたのではないか」と複数のハンガーは推測する。標津町内のクマによる死亡事故は46年ぶり。「9,10月は根室管内のすべての川にクマがいると思っていい」と専門家は警告する。夜間の釣は言語道断だ。
道猟友会別海支部の支部長は「今回のクマは人間より強いと学習してしまった。もう一回同じことをやる可能性はある」と注意を呼びかけた。
--------北海道新聞9月19日付
クマの学習能力はたいしたものだと感心してもいられない。
「人間は怖いもの」と学習してもらわないといけないのだ。
郵便配達員の男性が言っていた。
「ここはクマがたくさん出ますから注意してくださいね。クマに出会ったら、絶対に背を見せて逃げてはいけません。クマの目を見てにらめっこしながら静かにゆっくりと後ずさりです」
でも、そういう彼に、今朝のヒグマ遭遇を伝えると、「クマを見たんですか。それはラッキーでしたね。私はまだ一度も会ったことがないんですよ」だ。
クマが出たばかりの庭で、鮭を解体していること自体、警戒心が薄いと思いながら、「もう、クマは来ないかしら」などとリョーコさんと言い合う。
昔の北海道は、春先にヒグマを駆除する習慣があったという。
今は、昭和初期のクマの頭数に戻っているのではないかと、専門家が新聞のインタビューに答えていた。
そもそも、ヒグマの方が北海道の先住者だということなのだが。
一週間、「のんびり、まったり」と過ごす予定だ。
彼女と出会って20年近くたつが、会って話す機会はほとんど無く、電子メールやハガキの行き来を年に1,2度している程度だ。
それでも、ネパールの街中でばったり会ったり、教育支援を手伝ってもらったりと、不思議な縁は続いている。
ヒグマがもそもそ動いている姿を発見したのは、今朝の朝食の最中だった。
突然、夫が立ち上がり窓の外を見て「クマだ!」と叫んだ。
私も彼女も彼の指差す方を見た。
使わなくなった古いビニールハウスの横に確かに茶色の塊が動いている。
よく鹿が草を食む場所だが、鹿とは違う。
大きな犬のようにも見えるけど・・・
「カメラ、カメラ!」
リョーコさんと二人でカメラを構える。
確かにクマの背中、歩き方だ。
わくわくしながら、シャッターを押した。
見たいと思っていたのだ。
目撃情報はいくつもあったが、実際に自分で遭遇したことはなかった。
ヒグマにしては小さい。子どもだ。
親が近くにいるということだろうか。
ビニールハウスの中と外をもそもそと歩いて何かを探っている。
家のテラスから10メートルとは離れていない距離である。
いずれ、こちらに近寄ってくるのだろうか。
期待と不安が交差する。
夫がテラスに出て大声を出した。
小グマはびっくりして遠ざかり始めた。
「追い払わないと、この辺りにまた来るようになる」
湿原の葦の中に入り込みながら、何度か立ち上がってこちらの様子を伺う。
大声で威嚇しないと、クマはまた来るという。
そういえば、一昨夜、近くの標津町でヒグマに襲われて男性が一人亡くなった。
午後、クマ除けの鈴とトウガラシのカプサイシンスプレーが届いた。
鈴は重く、遠くまで響き通る音がして頼りになりそうだったが、
「1メートル以内の近距離で顔に向けて噴射する」と効果があるというスプレーの方は、心もとない。
ヒグマが至近距離に近づくまで耐えられるか、襲い掛かるヒグマの面前でスプレー噴射準備に至る勇気があるかどうか、まったくイメージし難かった。
それでも、リョーコさんは、
「夕べ来たばかりなのに、今朝もう、ヒグマに会えるなんて!」と感動の渦に巻き込まれている。
昼、リョーコさんを歓迎して、朝の漁で浜に上げられた秋鮭一匹を解体することにした。
お腹を裂くと、大きな肝臓と一緒にタマゴの塊がごろっと出てきた。「イクラ」状態の大きなつぶつぶだ。
再び、標津町のヒグマ事件が頭に浮かんだ。
男性がヒグマに襲われたのは、夜11時に近い時刻。
「禁止されているサケ釣りに来た」という。
夜中の禁猟区での鮭漁。
北海道の鮭の遡上地域では、卵を狙う「人」と「クマ」が少なくないらしい。
ニュースを検索してみた。
---------
通常なら音がすればクマが逃げるが、人家もなく夜は真っ暗。「クマがいる所に人間が行って鉢合わせしたのではないか」と複数のハンガーは推測する。標津町内のクマによる死亡事故は46年ぶり。「9,10月は根室管内のすべての川にクマがいると思っていい」と専門家は警告する。夜間の釣は言語道断だ。
道猟友会別海支部の支部長は「今回のクマは人間より強いと学習してしまった。もう一回同じことをやる可能性はある」と注意を呼びかけた。
--------北海道新聞9月19日付
クマの学習能力はたいしたものだと感心してもいられない。
「人間は怖いもの」と学習してもらわないといけないのだ。
郵便配達員の男性が言っていた。
「ここはクマがたくさん出ますから注意してくださいね。クマに出会ったら、絶対に背を見せて逃げてはいけません。クマの目を見てにらめっこしながら静かにゆっくりと後ずさりです」
でも、そういう彼に、今朝のヒグマ遭遇を伝えると、「クマを見たんですか。それはラッキーでしたね。私はまだ一度も会ったことがないんですよ」だ。
クマが出たばかりの庭で、鮭を解体していること自体、警戒心が薄いと思いながら、「もう、クマは来ないかしら」などとリョーコさんと言い合う。
昔の北海道は、春先にヒグマを駆除する習慣があったという。
今は、昭和初期のクマの頭数に戻っているのではないかと、専門家が新聞のインタビューに答えていた。
そもそも、ヒグマの方が北海道の先住者だということなのだが。
先月下旬も、この近辺の根室本線で、線路上にいたヒグマをひいた事故が続きました。人間の言う「鳥獣被害」や「鳥獣事故」は、人間が原因となっていることなのでしょうが、自分たちの生活を優先することが多いので、なかなか厄介ですね。
数年前の山に食べ物がない状態からは、少し回復しており、今年の山の餌は、足りており、クマ出没は少なくなるとの予想が立てられたと・・
おもわず、クマのゴハンの心配まで真剣に取り組んでいる方がいるなんてと、一瞬笑ってしまったのですが実際共存にちかい地区の場合は、深刻な問題ですよね。知人の方の裏庭に出たらしく、一ヶ月ほど前食べごろになったとうもろこしを明日の朝取ろうとしていたら、夜明け前に全部クマに食べられていたのだとか
クマさんも、生きていかなくちゃと必死!!
その気持ちは、クマも人も同じですね。
とても賢く、食べごろを良く見ているものだと思いました。
どうか、お気をつけくださいね。