見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

ローマの水

2007-09-24 09:40:22 | 欧州
ローマにこれほど多くの噴水と水飲み場があるとは思わなかった。
数々の石像モニュメントからわき出る美しい噴水の水量にも驚かされるが、遺跡の片隅で、ゴシック建築の街角で、むき出しの鉄管から常時流れ出る冷たい水に人々が口を付けては歓声を上げている姿も予想外だった。

あの古代ローマの水道橋は、ローマ人たちに毎日 1億7300万リットルの水を供給していたというが、その時代から贅沢に水を使う習慣ができたのだろうか。

さらに、もっと驚いたのは、コーヒーを淹れるお湯を沸かした後、空になった電熱器のなべを見たときだった。底に白い粉がたまっていた。
欧州に入って水の味が変わったとは思っていたが、ここまで顕著に水の成分の違いを確認したのは初めてだった。
欧州はミネラル成分が豊かな「硬水」とは知っていたが、改めてミネラルフォーターのラベルの成分表をじっくり見てみた。
私が日本で時々飲んでいたミネラルウォータをインターネットで調べると、表示されている含有成分は4種類。
ローマへ来て、500ml(80円)で買っている一般的なミネラルウォータの成分表には日本の4種類以上の成分が表示されている。成分表示の義務内容が国によって違うためか。あるいは、イタリアの水がこれほど多種のミネラルを含んでいるということなのか。特に多いのは、HCO3「重炭酸塩」。いわゆる重曹。胃の働きを調整するミネラルらしい。疲れても食欲が衰えないのはそのせいだろうか、困った問題だ・・・
いずれにせよ、あきらかにカルシウム、マグネシウムの含有量に差がある。味が甘く感じるのはそのせいかもしれない。欧州の水で骨や血液が元気になるのは嬉しいけれど、欧州に入って以来、キリっとしたふるさとの水が恋しい。



■「南アルプスの天然水」(サントリー)

 ナトリウム  0.49
 カルシウム  0.97
 マグネシウム 0.14
 カリウム   0.28mg/100ml

■イタリア北部山岳地域採水「Primavera」

 Na    0.43
 Ca++   9.31
 Mg++   1.78
 K+    0.12
 HCO3   34.23
 SO4    2.48
 Cl    0.55
 NO3    0.33
 F-    <0.015

↑代表的なトレビの泉

↑トレビの泉の右手奥に出ている湧き水

↑古代遺跡の中にポンとある鉄管の水





コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (uo)
2007-09-30 09:20:25
イタリアに住んでいる友人は、
わずか数年で、髪の毛の色が黄色く変わってしまったと言っていました。

髪が、バリバリになりませんか?

私は、今は好んで炭酸水を毎日飲んでいますが、
初めて炭酸水を飲んだのは、イタリアでした。

随分前ですが、当時は2歳の娘のためにガスなしの水を探すのにとても苦労しました。

イタリアでのグルメレポートも楽しみにしています。
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グルメ・・・ (ワイン)
2007-10-01 19:31:31
全ての基本の水の成分が異なれば、そこに住む人間や生物の組織組成も違うはずですよね。
髪は、ロドス島で買った「オリーブ・コンディショナー」でケアしているので、まだ大丈夫そうです。uoさんは炭酸水を飲むのですね。私は全く苦手で、スウェーデンで間違って買ってしまった時は、ガスを抜くために一晩栓を開け、何度も振ったのですが、結局真水の味にはならずにがっかりしました。
グルメレポートは自信がありませんが、「食」について書いてみます。
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