見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

知らない文化が山のようにあるという安心感

2006-10-19 23:27:29 | 文化・映画・演劇・音楽
モンゴル国立馬頭琴交響楽団のコンサートで、新しい世界を観ました。
交響楽団は30人弱の編成。雄大な草原をイメージさせるゆったりとした弦楽の響きに体中が心地よく揺らぎ、2時間はヒーリングそのものの時間でした。

穏やかな日本語の解説を間に加え、15曲ほど演奏する中、絢爛で勇壮な衣装を身にまとった男性二人が馬頭琴を伴奏に独唱する「ホーミー」に圧倒されました。
脅威の歌唱法です。人間の身体は楽器という実証例を鮮烈に目の当たりにした驚きでした。
曲想からアイヌ民族のムックリが浮かび、男性の喉とムックリの弦をオーバーラップしようとしましたが、うまくイメージできず、謎が解けない子どものようなジレンマに襲われたほど。

ホーミーは「岩山を吹き抜ける風の音」を真似る事が起源という10世紀頃から続くモンゴルの伝統的な発声法で、1人で2つ以上の音を同時に発声する倍音唱法と呼ばれていることを、後で知りました。
ホーミーの音声には20kHz以上の高調波成分が含まれ、聞く人の脳波をアルファー波に誘導する効果があるとも、ネット上では記されています。

世界には、私が知らない多様な文化がまだまだ存在するということを改めて認識し、世界歩きへの好奇心と期待が高まりました。

モーツアルトやシューベルトなどの西洋楽曲は、私にとって睡眠誘導剤となることが多いのですが、ノスタルジックなアジア、南米、アフリカ系の民族音楽には身体も自然に反応し、ひとつひとつの細胞が目を覚まして活性化するような感覚を覚えます。遺伝子のせいでしょうか。

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