ローマのホステルで、フィンランド人の若者二人と同室になった。キッチンの一角で夜遅くまで談笑している他の部屋の若者たちとは対照的に、ベッドの上で本を読む物静かな二人は、先月、徴兵訓練が終了したばかりだと語った。
フィンランドでは18歳から徴兵制への参加が義務付けられると言う。年齢制限の話から選挙権や飲酒やタバコの話に及んで話は盛り上がった。
「フランスに行ったとき、レストランで小さな子どもまでが大人と一緒にワインを飲んでいるんだ。飲酒制限年齢がないらしい。本当にびっくりした。だから西欧人は大人になってあんなに酒を飲むんだ。」と小柄なマッティ(Matti)が目を丸くして言う。フィンランドのヘルシンキで、昼から夜遅くまで大きなグラスでビールを飲み続ける欧州観光客を思い出し、思わず笑ってしまった。
フィンランドでは、18歳が様々な権利と義務のボーダーラインだと言う。「日本の成人のラインは20歳。アルコールも選挙権も20歳から」と私が言うと、背の高いアルト(Arttu)が、「実は、今日がボクの20歳の誕生日なんだ」と控えめな声で言った。日本だったら、成人のお祝いをする日だ。それで、その日、彼のために小さなケーキと乾杯のワインを買って帰った。
夜、部屋に戻ると、二人はベッドの上にいた。ローマ駅前の昔のレジデンスを改築した狭いホステルでは、宿泊者のプライベートな居場所はベッドの上だけだ。アルトの誕生日のためにワインを買ってきたと言うと、二人は嬉しそうにベッドを下りて脇の床に座った。ハッピーバースデーの歌を歌って乾杯し、小さなケーキを彼に渡すと、「こんな誕生日は初めてだよ」と嬉しそうに微笑んだ。
この旅が終わったらどうするのかと聞くと、マッティは大学へ行くといい、アルトはインドへ行く準備をすると言った。インドから、東アジアへも歩きたいと言いながら、アルトは持っていた本を出した。『Kung Fu-tse』。中国の服装をした男性が表紙を飾っている。有名な思想家らしいが、表紙のアルファベットと日本語の名前がつながらない。「彼の考え方がとても好きなんだ」とアルト。中国の思想家といえば、孔子、孟子、魯迅、孟子、韓非子・・・
フィンランド人の多くはクリスチャンでしょ。宗教的に、彼の思想は似ているの?と聞くと、彼は少し考えてから「ボクは、クリスチャンをやめたんだ」と言った。
やめた?やめるって?「サインアウトした」と彼は真顔になって言った。サインアウトって?
「信者をやめると書類にサインして送ることだよ」と隣りのマッティが説明した。信者になるときにもサインしたの?「いや、両親がクリスチャンだと自動的に子どももクリスチャンになる。だから、やめるときは書類を出す必要がある。それが、サインアウト」
わからない。どうしてわざわざ書類を出す必要があるの。神を信じる信じないは個人の自由でしょう?
↑マッティ(向かって左)とアルト
フィンランドでは18歳から徴兵制への参加が義務付けられると言う。年齢制限の話から選挙権や飲酒やタバコの話に及んで話は盛り上がった。
「フランスに行ったとき、レストランで小さな子どもまでが大人と一緒にワインを飲んでいるんだ。飲酒制限年齢がないらしい。本当にびっくりした。だから西欧人は大人になってあんなに酒を飲むんだ。」と小柄なマッティ(Matti)が目を丸くして言う。フィンランドのヘルシンキで、昼から夜遅くまで大きなグラスでビールを飲み続ける欧州観光客を思い出し、思わず笑ってしまった。
フィンランドでは、18歳が様々な権利と義務のボーダーラインだと言う。「日本の成人のラインは20歳。アルコールも選挙権も20歳から」と私が言うと、背の高いアルト(Arttu)が、「実は、今日がボクの20歳の誕生日なんだ」と控えめな声で言った。日本だったら、成人のお祝いをする日だ。それで、その日、彼のために小さなケーキと乾杯のワインを買って帰った。
夜、部屋に戻ると、二人はベッドの上にいた。ローマ駅前の昔のレジデンスを改築した狭いホステルでは、宿泊者のプライベートな居場所はベッドの上だけだ。アルトの誕生日のためにワインを買ってきたと言うと、二人は嬉しそうにベッドを下りて脇の床に座った。ハッピーバースデーの歌を歌って乾杯し、小さなケーキを彼に渡すと、「こんな誕生日は初めてだよ」と嬉しそうに微笑んだ。
この旅が終わったらどうするのかと聞くと、マッティは大学へ行くといい、アルトはインドへ行く準備をすると言った。インドから、東アジアへも歩きたいと言いながら、アルトは持っていた本を出した。『Kung Fu-tse』。中国の服装をした男性が表紙を飾っている。有名な思想家らしいが、表紙のアルファベットと日本語の名前がつながらない。「彼の考え方がとても好きなんだ」とアルト。中国の思想家といえば、孔子、孟子、魯迅、孟子、韓非子・・・
フィンランド人の多くはクリスチャンでしょ。宗教的に、彼の思想は似ているの?と聞くと、彼は少し考えてから「ボクは、クリスチャンをやめたんだ」と言った。
やめた?やめるって?「サインアウトした」と彼は真顔になって言った。サインアウトって?
「信者をやめると書類にサインして送ることだよ」と隣りのマッティが説明した。信者になるときにもサインしたの?「いや、両親がクリスチャンだと自動的に子どももクリスチャンになる。だから、やめるときは書類を出す必要がある。それが、サインアウト」
わからない。どうしてわざわざ書類を出す必要があるの。神を信じる信じないは個人の自由でしょう?
↑マッティ(向かって左)とアルト
男女一緒のドミトリーの件、やはり、疑問ですよね。よかった。私も最初はとても戸惑いました。欧州のホステルには、男女一緒の相部屋が当たり前のようにあります。この件については、改めて本文で書いてみようと思います。貴重な質問ありがとうございます。やはり、日本人からすると「え?」というのが普通とわかってよかった。私も今は慣れたので、当たり前のように泊まっていますが(^^!)。日本のユースホステルとはやや趣が違う「ホステル」がたくさんあって面白いので、近々まとめて書きます。
ちなみに、私がよく使っているホステル探しサイトは以下です。その中に入ってホステルの部屋の内容を見ると、Mixed Dormという表現がありますがそれです。
http://www.hostelworld.com/
具体的な例(宿泊日を入れると部屋の価格が出てきます)
http://www.hostelworld.com/availability.php/GothicPointHostel-Barcelona-1273
↑ここは、12から16ベッドのミックスの相部屋だけのホステルです。
居ながらにして、世界を旅しているみたいです。
無知でなおかつ遅れている者ですので、どうして
男性と女性が相室となるのか不思議です。
それからkungFu-tseは孔子のことだと思われます。
また、いろいろ楽しみにしております。