見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

収穫直前の略奪

2008-09-29 23:23:07 | 北海道の風景
家の周囲の湿原に、エゾジカの姿が増えてきた。



家から外に出ると、
庭先で草を食んでいたシカたちが、一瞬動きを止め、
こちらの動きを正視した後、白いふさふさしたお尻を見せて飛び去る姿は可愛い。
・・・と思っていたのだが。



そろそろ、枝豆が食べごろになる時期。
楽しみにして、魚網を張り巡らした小さな畑に入ってみて、愕然とした。



目の前にあったのは、きれいに葉と実が消えて枝だけになった植物。
大豆、ピーマン、トマト・・・の影もない。
よくぞここまでと思うほど、見事に葉がない。
ふっくらとしていた枝豆ももちろん、ない。



ほんの小さな実が残されていたから、「ピーマンだった」とわかるのだが、
ただ枝だけ残ったものが何であったのか、思い出すのに時間がかかった。

丈夫な魚網は破られていない。
どうやら、人が出入りするために組んだ合わせ口から入ったらしい。
賢いのはサルだけだと思っていたが、シカも侮れない。
畑の隅々にコロコロした黒い糞が残されている。

鳥獣被害に悩む農家の方々の心情にわずかに触れた気分。
これが、生活を支える収穫物だったら頭を抱えるところだろう。



荒れた畑の真ん中で、無傷だったのは、青ジソと小さなセロリ。
ふさふさと成長したひと株が、不自然なほどしっかり残っている。
香草類は、シカの口にあわないらしい。

仕方ない。
今日から青ジソづくしのメニューを考えよう。
青ジソスパゲッティ、ジソ巻き鳥、青ジソチャーハン、青ジソ大根サラダ、青ジソ・・・
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2 コメント

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共存・共生 (wine)
2008-11-05 11:50:12
農業を生活の糧としている人たちにとっては、動物との共存に悩む日々でしょうね。生物多様性を大切にしたいと思いながら、結局一番のアンバランスは人間の数ということなのでしょうか。
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自然の営み (トマト)
2008-10-13 23:06:00
映画「小鹿物語」を思い出しました。
アメリカの開拓時代。畑の作物を食べに来る小鹿を、主人公の少年が涙をためながら撃つラストシーンが印象的でした。
そこのシカは、しあわせですね。
それも一つの風景として優しく見られているように感じます。
返信する

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