ホステルを移動した。
夏の欧州は満杯の安宿が多く、最近は、事前にネット上でホステルに予約を入れるのだが、数多いホステルの中から気に入った宿に出会うには「運」も味方にしないと難しい。共同キッチンは必須。できればランドリー、無料インターネット、窓付き、ベッド数の少ない部屋・・・などと希望を挙げればきりがない。
ロッテルダムで泊まったホステルのように、体育館2つのスペースに200近い簡易ベッドがずらりと並び、シーツと毛布は有料だが、パンとコーヒーの無料朝食付き1泊1ベッド10ユーロ(約1600円)というマンモスホステルも時々あるが、大抵のホステルはいくつかのコンパクトな部屋が、男女共同部屋や男女別部屋、ファミリールームなどの種類別に提供されている。
同じ宿泊料でも、その設備やもてなしには数段の差があり、それゆえホステル予約サイトには、宿泊者の評価欄が設けられているのだが、旅行者の好みはそれぞれで、高い評価のホステルが、必ずしも自分の好みと一致するとも限らない。
とにかく、ネット上の写真と評価だけで判断した場合、行って一泊すると当たり外れがわかる。
それで、今回のカギ5つを使って入り口から自分の部屋にたどりつくアパート形式のホステルは、キッチン周辺がお化け屋敷のようで刺激的だったのだが、思案の末、移動することにした。ブダペストの街を歩き、自分の目で見て決めたのは、清潔でコンパクトなホステル。宿泊料は同じ。持たされた鍵は3つ。部屋でインターネット(WIFI)に接続できる。
ホステルで出会った40代のハンガリー人男性に1%寄付の件を聞いてみた。
「もちろん毎年寄付している。道に棄てられている犬や猫などペット動物たちの保護活動をしている団体へね。ここ数年ずっと同じ団体。その前は別の団体だけど、やはりペット動物関係のNPO。動物が好きなんだ。僕の母は、小児癌の子どもたちを支援しているNPOに毎年寄付している。友人もみんなどこかのNPOに寄付していると思うよ」と、彼は、饒舌に語った。
でも、寄付した分だけ、国が使える予算が減るでしょ。結局、インフラ整備や社会福祉などに影響して、生活が向上しないのでは?
「政府が税金をどう活用しているのかが見えにくいから信用できない。身近な活動をしている団体を応援したいよ。彼らの一生懸命さは、よく伝わってくる」
一生懸命さが伝わるということは、広報活動がしっかりしているということですか。
「ホームページで活動がわかりやすく報告されているし、街角でも時々活動を見るからね」
でも、1%寄付制度の実施について不信感をもっている日本の市民の中には、目立つ団体を嫌う傾向もある。宣伝の上手な団体ばかりに寄付が行くんじゃないかと、小さなNPO自身が心配したりして。
「寄付の対象団体の多くが、政府や1%寄付関連のHPに紹介されているし、税金納入の時期が来れば、TV、ラジオ、新聞、街角のちらしなど、あらゆるところで、寄付獲得合戦が展開する。そこらじゅうで『うちの団体にあなたの1%を』ってね。でも市民の理解を得るには、宣伝力や広報力は必要だよね。市民はどんな方法にせよ知らされなければわからないでしょ。これって、政府も同じ」
そういえば、街角のガードレールに小児癌支援のNPOの広告があった。市民の寄付時に必要な団体の税金番号が大きな文字で添えられている。
彼は、1%関連のHPで英語で読めるサイトを紹介してくれた。ハンガリー語を解さない国民や国外に向けたページだと言う。それらのHPでは、1996年からスタートしたハンガリーの1%寄付税制の内容や、実施データ、1%寄付対象団体データベース、確定申告時の1%の寄付方法、税をまとめる事業所雇用主の義務などなど、興味深い内容が詳しく示されていた。
・ハンガリーの1%実施に関するページはこちら→
・1%寄付に関する世界の情報はこちら→
「詳しくはHPにデータが出ているだろうけれど、恐らく寄付権利をもつ人の50%は、この制度で寄付をしていると思う。でも、まだまだ少ない。この制度はすばらしいけれど、政府の広報が足りないよ。だから、都市部では寄付者は多いけど、田舎にいくと関心のない人が多い。政府はもっとこの制度を宣伝すべきだね。この寄付制度を義務化してしまってもいいくらいだよ。それほど、価値がある制度だと思う」とピーターは熱く語った。1%制度のウェッブ・サイトを知っているくらいなので、かなり関心をもっている市民の一人なのだろう。
しかし、彼の推測で50%の市民参加。千葉市の制度実施では、5%にも至ってはいないと新聞で見たように記憶している。正確な数字は、彼に教えてもらったHPで調べたいと思うが、少なくとも、ブダペストで質問した人全員が「もちろん、寄付している」と答えた。
10年という実施期間あっての成果だろう。が、日本とハンガリーではそもそもの国情から違いすぎるのかもしれない。
ハンガリーに滞在中、出会った人々に1%税制について聞いてみた。英語が通じる一般市民の数は限られたが、1人を除いて全員が使途指定制度を活用していると答えた。その除いた一人、20代のアルバイト女性は言った「私はまだ寄付先を指定できるほど税金を払っていないの。でも、正式に給料をもらうようになったら、もちろん寄付するわ。政府は信用できないもの。もう、応援したい団体は決まっているの」と。
夏の欧州は満杯の安宿が多く、最近は、事前にネット上でホステルに予約を入れるのだが、数多いホステルの中から気に入った宿に出会うには「運」も味方にしないと難しい。共同キッチンは必須。できればランドリー、無料インターネット、窓付き、ベッド数の少ない部屋・・・などと希望を挙げればきりがない。
ロッテルダムで泊まったホステルのように、体育館2つのスペースに200近い簡易ベッドがずらりと並び、シーツと毛布は有料だが、パンとコーヒーの無料朝食付き1泊1ベッド10ユーロ(約1600円)というマンモスホステルも時々あるが、大抵のホステルはいくつかのコンパクトな部屋が、男女共同部屋や男女別部屋、ファミリールームなどの種類別に提供されている。
同じ宿泊料でも、その設備やもてなしには数段の差があり、それゆえホステル予約サイトには、宿泊者の評価欄が設けられているのだが、旅行者の好みはそれぞれで、高い評価のホステルが、必ずしも自分の好みと一致するとも限らない。
とにかく、ネット上の写真と評価だけで判断した場合、行って一泊すると当たり外れがわかる。
それで、今回のカギ5つを使って入り口から自分の部屋にたどりつくアパート形式のホステルは、キッチン周辺がお化け屋敷のようで刺激的だったのだが、思案の末、移動することにした。ブダペストの街を歩き、自分の目で見て決めたのは、清潔でコンパクトなホステル。宿泊料は同じ。持たされた鍵は3つ。部屋でインターネット(WIFI)に接続できる。
ホステルで出会った40代のハンガリー人男性に1%寄付の件を聞いてみた。
「もちろん毎年寄付している。道に棄てられている犬や猫などペット動物たちの保護活動をしている団体へね。ここ数年ずっと同じ団体。その前は別の団体だけど、やはりペット動物関係のNPO。動物が好きなんだ。僕の母は、小児癌の子どもたちを支援しているNPOに毎年寄付している。友人もみんなどこかのNPOに寄付していると思うよ」と、彼は、饒舌に語った。
でも、寄付した分だけ、国が使える予算が減るでしょ。結局、インフラ整備や社会福祉などに影響して、生活が向上しないのでは?
「政府が税金をどう活用しているのかが見えにくいから信用できない。身近な活動をしている団体を応援したいよ。彼らの一生懸命さは、よく伝わってくる」
一生懸命さが伝わるということは、広報活動がしっかりしているということですか。
「ホームページで活動がわかりやすく報告されているし、街角でも時々活動を見るからね」
でも、1%寄付制度の実施について不信感をもっている日本の市民の中には、目立つ団体を嫌う傾向もある。宣伝の上手な団体ばかりに寄付が行くんじゃないかと、小さなNPO自身が心配したりして。
「寄付の対象団体の多くが、政府や1%寄付関連のHPに紹介されているし、税金納入の時期が来れば、TV、ラジオ、新聞、街角のちらしなど、あらゆるところで、寄付獲得合戦が展開する。そこらじゅうで『うちの団体にあなたの1%を』ってね。でも市民の理解を得るには、宣伝力や広報力は必要だよね。市民はどんな方法にせよ知らされなければわからないでしょ。これって、政府も同じ」
そういえば、街角のガードレールに小児癌支援のNPOの広告があった。市民の寄付時に必要な団体の税金番号が大きな文字で添えられている。
彼は、1%関連のHPで英語で読めるサイトを紹介してくれた。ハンガリー語を解さない国民や国外に向けたページだと言う。それらのHPでは、1996年からスタートしたハンガリーの1%寄付税制の内容や、実施データ、1%寄付対象団体データベース、確定申告時の1%の寄付方法、税をまとめる事業所雇用主の義務などなど、興味深い内容が詳しく示されていた。
・ハンガリーの1%実施に関するページはこちら→
・1%寄付に関する世界の情報はこちら→
「詳しくはHPにデータが出ているだろうけれど、恐らく寄付権利をもつ人の50%は、この制度で寄付をしていると思う。でも、まだまだ少ない。この制度はすばらしいけれど、政府の広報が足りないよ。だから、都市部では寄付者は多いけど、田舎にいくと関心のない人が多い。政府はもっとこの制度を宣伝すべきだね。この寄付制度を義務化してしまってもいいくらいだよ。それほど、価値がある制度だと思う」とピーターは熱く語った。1%制度のウェッブ・サイトを知っているくらいなので、かなり関心をもっている市民の一人なのだろう。
しかし、彼の推測で50%の市民参加。千葉市の制度実施では、5%にも至ってはいないと新聞で見たように記憶している。正確な数字は、彼に教えてもらったHPで調べたいと思うが、少なくとも、ブダペストで質問した人全員が「もちろん、寄付している」と答えた。
10年という実施期間あっての成果だろう。が、日本とハンガリーではそもそもの国情から違いすぎるのかもしれない。
ハンガリーに滞在中、出会った人々に1%税制について聞いてみた。英語が通じる一般市民の数は限られたが、1人を除いて全員が使途指定制度を活用していると答えた。その除いた一人、20代のアルバイト女性は言った「私はまだ寄付先を指定できるほど税金を払っていないの。でも、正式に給料をもらうようになったら、もちろん寄付するわ。政府は信用できないもの。もう、応援したい団体は決まっているの」と。