見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

男性を解放することから

2007-03-19 23:14:02 | 仕事・職業
男女共同参画の当市意識調査結果がまとまった。
5年毎の調査だが、平成13年の調査と比較すると、「学校」「家庭」の場で男性優位と感じている人が減り、「職場」「社会」では、男性の優位性が高まっていると感じている人が増えたという結果だった。つまり、5年前に比べて女性の社会的・職場的地位が下がっていると感じている人が増えたということになる。

「どうしてだと思いますか」調査結果の報告に来た男女二人の職員に訊いた。
「社会全体の中で、男女共同参画についての揺れ戻しが来ていると思います」と沈痛な表情で女性が言う。

確かに、例えば「ジェンダーフリー」という用語解釈を誤解した自治体が理不尽な対応をする、という事例に代表される昨今の情勢には、悲観的な思いが募る。
しかし、同時に、昨今の憂える社会現象の原因を家族の崩壊であると定義づけ、その矛先を女性たちに向けているという現実も見えなくもない。
「男性として、その点をどう思いますか」と同席した50代の男性に質問を投げかけてみた。

すると、しばらく考えた後「女性の社会進出だけ促進していると、家庭に誰もいなくなってしまいます」と彼は言った。
「家庭に父親が帰ることのできる働き方、社会が必要のように思いますが」と。

その通りだ。
「家族団らんで夕食を食べる日」と定めた19日。推進する立場の管理職が参加する半公的宴会が組み込まれ、変更する気配はない。「小さな子どもをもつ職員は早く帰って」という声が虚しく聞こえるのは、子どもだけを家族と捉える狭い社会観が見え隠れするからかもしれない。

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