見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

中途退社するのは中途半端な人間

2007-03-07 23:23:45 | 仕事・職業
官業の民間開放が進んでいるが、同時に今まで限られた選者による意図的な人選で行われてきていた「天下り職」についても「公募」が求められるようになってきた。

「最終選考に残った方は全員、55歳だったんです」と強い調子でA先生が言った。保育士経験30年を超えるベテラン園長だ。
慣習的に退職校長が就いていた園長ポスト枠の一部を公募に踏み切ったのが昨年。今年は2年目となる。概して世間の評判は上々だ。でも、
「55歳ですよ!。前職が公務員だったり、会社員だったり。そこまで勤めてどうして定年までの数年を勤め上げないのか。最後まで現職をまっとうできない人が、園長を務まるのか、ですよ」最後は嘆きに近いトーンになった。

同意を求めるように彼女の視点は私に向いたが、教員、学生、団体職員、公務員、と転職を繰り返す私には何も言えない。「そんな人間に何が成し得るのか」と突きつけられているようで、返す笑顔も強張りそうだ。そういう価値観に生きてこなかったことを改めて指摘される。

さらに、「私も同感です」と同席した別の保育園長。「公募の園長先生は、親にも子どもにも人気はあります。外仕事も慣れているし、力があるので抱き上げられた子どもも喜ぶ。でも、若い保育士を一人前に育てるという人材育成意識はないように思えるのです」
なるほど、園長という職に何を求めるかという根本的な問題が提起される。

今夜の会食会は、温泉宿のお洒落な会席料理だが、飲み物が緑茶という実に稀な設定だった。「全員車で来ているからお茶で」と言っていたが、そもそもアルコールを飲まないことを前提とした会ということだ。

アルコール量が増えるに従って箍(たが)が外れる宴会席とは異なり、アルコールがなくとも、話題は率直で辛辣で夢見事になっていく。多くの宴席では、アルコールの量に比例して開放的・夢想的になっていくことが多いのだが、その違いはどこから来るのだろうか。



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